蛍雪                            列伝五十三・車胤

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語釈

                 ノ                      ニシテ  ク         ニ    シテ   ニ    ム     ヲ

@   晋 A孫 康 家 貧 無 油、常 映 雪 読 書。

  ノ            ハ               ノ   ナリ

晋 B車 胤 字 武 子、C南 平 人。

       ニシテ      マ                  ナリ 

D恭 勤 E不 倦、1F博 覽 多 通

             レ

     ニシテ       ニハ     ヲ

家 貧 1不 常 得 油。

           二       一レ

      ニハ チ        ニ   リ       ノ      ヲ 

夏 月 則 G練 囊 盛 數 十 螢 火、

                      二              一

    テ  ラシ  ヲ    テ   ヲ   グ  ニ

以 照 書、H以 夜 繼 日 焉

        レ        レ      レ

 

(注)@晋 司馬英が三国の魏についでたてた国。A孫康 人名。B車胤 人名C南平 今の湖南省安郷県。D恭勤 まじめによく勤める。E不倦 怠らない。F博覽多通 広く書物を読んで、物事に通じている。G練囊 うす絹の袋。H以夜繼日 昼夜休まず行うこと。

 

一 書き下せ。

 

二 口語訳。

晋の孫康は家が貧しくて油がないので、いつも雪に照らして書物を読んだ。

晋の車胤は呼び名を武子といい、南平の人であった。まじめによく勤める人で、怠らず広く書物を読んで物事に通じていた。家は貧しくていつも油を手に入れることができるとは限らなかった。夏の間はうす絹の袋に数十匹の蛍をいれて書物をてらして昼夜休まず学問にはげんだ。

 

三 次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

1 蛍雪 2 車胤  3 恭勤 4 博覽 5 蛍火

 

四 次の語の意味を辞書で調べよ。

 

1 蛍雪

 

2 博覽

 

 

五 二重線部1の文法問題に答えよ。

 

1 不 常

 

六 傍線部1〜の問いに答えよ。

 

1 意味を記せ。

 

2 似た意味の四字の熟語を記せ。

 

3 「蛍雪の功空しからず」という慣用句があるが、どういう場合にもちいられるか。

 

構成

 

孫康 冬 家が貧しく、油がないので雪に照らして書物を読んだ。

 

車胤 夏 家が貧しく、いつも油があるとは限らないので蛍の光で書物を読んだ。

 

主題 蛍雪の功=苦労して学問すること

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解答

一 晋の孫康家貧にして油無く、常い雪に移して書を読む。

  晋の車胤字は武子、南平の人なり。 恭勤にして倦まず博覧多通なり。家貧にして常には油を得ず。

  夏月には則ち練囊練に数十の蛍光を盛り、以て書を照らし、夜を以て日に継ぐ。

三 1 けいせつ 2 しゃいん 3 きょうきん 4 はくらん 5 けいか

四 1 苦学して学問にはげむこと。 2 様々な書物をひろく読んで見聞が広いさま。

五 1 部分否定 つねには〜ず いつも〜とは限らない

六 1 広く書物を読んで物事に通じていうrこと。

  2 「昼夜兼行」 3 勉強した努力が報いられた場合。

 

 

(参考)  蛍の光

      ほたるのひかり まどのゆき

      ふみよむつきひ かさねつつ

      いつしかとしも すぎのとを 

      あけてぞ けさは わかれゆく