行 行 重 行 行
語釈
キ キ ネテ キ ク
(1)1
行 行 重 行 行
キナガラ ス
与 2君 生 別 離
レ
ルコト
3相 去 万 余 里
リ ノ ニ
各 在 天 @一 涯
ニ 一
シク ツ シ
(2)道 路 阻 且 長
クンゾ ケンヤ ル
会 面 1安 可 知
レ
バ リ ニ
A4胡 馬 依 北 風
ニ イチ
ハ クフ ニ
B越 鳥 巣 南 枝
ルコト ニ ニ シ
(3)相 去 日 已 遠
ニ ニ シ
5衣 帯 日 已 緩
ヒ ヲ
6浮 雲 蔽 7白 日
二 一
セ
8遊 子 不 C顧 返
二 一
ヘバ ム ヲシテ イ
(4)9思 君 2令 人 老
レ 二 一
チ ニ レヌ
歳 月 3忽 已 晩
カラン タ フコト
10棄 捐 勿 復 道
二 一
シテ ヘヨ ヲ
努 力 加 E餐 飯
二 一
(文選)
漢詩様式
(注)@一涯 一方の果て。A胡馬 北方の意民族の地から来た馬。C越鳥 南方の越の国から来た鳥。C顧返 振り返る。D棄捐 うち捨てる。E餐飯 食事。
一 詩について。
1 形式
2 韻字
3 対句
二 書き下せ。
第一句
第二句
第三句
第四句
第五句
第六句
第七句
第ハ句
第九句
第十句
第十一句
第十二句
第十三句
第十四句
第十五句
第十九句
三 口語訳
第一句 どんどん旅を続け
第二句 君と生きながら別離する
第三句 お互いに一万余里去った
第四句 おのおの天の一方のはてにいる
第五句 道は険しく長い
第六句 面会はどうして知ることができようか(いやできない)
第七句 胡馬は北風に身を寄せる
第ハ句 越の鳥は南の枝に巣食う
第九句 お互いに去ること日に日に遠くなる
第十句 やせて衣服にゆとりが出来た
第十一句 浮雲は太陽をおおい
第十二句 旅人は振り返らない
第十三句 君を思うことは私をふけさせる
第十四句 歳月もたちまちのうちに過ぎ去った
第十五句 打ち捨てて何も言うまい
第十六句 食事を取り体を大切にしろ
四 次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。
1 阻 2 且 3 胡馬 4 越鳥 5 已 緩 6 游子 7 忽 8 棄捐 9 餐飯
五 次の語の意味を辞書で調べよ。
1 会面
六 二重線部1〜3の文法問題に答えよ。
1 安
2 令
3 勿
七 傍線部1〜10の問いに答えよ。
1 「行」が四つも使われているのはなぜか。
2 誰をさすか。
3 誰と誰が「相去」のか。
4 妻のどのような気持ちが拓されているか。
5 どのような意味か。
6、7はそれぞれ何をさすか。
8 誰をさすか。
9 「人」はだれをさすか。
10 「人」はだれをさすか。
構成
1 2 3 4 |
節 |
|
帰れ → やせ細るほど心配 → 忘れよう → 体を大切に → |
妻 |
|
旅 浮気 ←振り返らない |
夫 |
|
生別 万金里 道は遠い 面会 日に遠い 年月過ぎた |
二人の関係 |
|
時間的 |
空間的 |
|
主題 旅に出た夫への思い
解答
一 1 五言古詩 2 離 涯 知 枝 緩 返 晩 飯
3 第七句と第ハ句 第九句と第十句 第十一句と第十二句
二
第一句 ねて
第二句 ときながらす
第三句 ること
第四句 のにり
第五句しくつし
第六句 くんぞるべけんや
第七句 はにり
第八句 はにくふ
第九句 ることににく
第十句 ににし
第十一句 を蔽ひ
第十二句 るをはず
第十三句 をへばをしていしむ
第十四句 ちにれぬ
第十五句 せらるるもたふことからん
第十八句 して餐をへよ ()
四 1 けわ 2 か 3 こば 4 えっちょう 5 すで ゆる 6 ゆうし
7 たちま 8 きえん 9 さんぱん
五 1 顔を合わせる。対面。面会。
六 1 反語 安くんぞ〜ん どうして〜だろうか(いや〜ない)
2 使役 令AB AをしてBせしむ AにBさせる 3 禁止 勿れ するな
七 1 はるか遠くへ去っていくことを強調するため。(伊勢物語 ゆきけり ゆきゆきて んほゆきけり)
2 手紙を送る相手。夫。3 妻である私と夫。
4 夫への恨み。早く帰れと促す気持ち。胡馬―北風 気を寄せる 越鳥―南枝 巣食う 夫―故郷
恋しくおもわないか?
5 私は日にやせ衣服にゆとりができた。 6 他国の女 7 夫(伊勢物語 高安の女)
8 夫。 9 妻である私。 10 夫への思い。
文選 詩文集 三十巻 梁 照明太子の編 周から六朝梁 詩文