ル ニ
陟@岵
レ
語釈
リテ ノ ニ
(1)
陟 彼 岵 兮
二 一
ス ヲ
A瞻―望 父 兮
ニ 一
ハク ガ ヨ
1父 曰 「嗟 予 子
キテハ ニ カレ ムコト
B行 役 C夙 夜 1無 已
レ レ
ハクハ メ ヲ
上 慎 D旃 哉
レ
ホ タレ カルト マルコト
2猶 来 無 3止」
レ
リテ ノ ニ
(2)
陟 彼 E屺 兮
二 一
ス ヲ
瞻―望 母 兮
二 一
ハク ガ ヨ
4母 曰 「嗟 予 F季
キテハ ニ カレ ヌルコト
行 役 夙 夜 無 寐
レ レ
ハクハ メ ヲ
上 慎 旃 哉
れ
ホ タレ カレト ツルコト
猶 来 無 5棄」
レ
リテ ノ ニ
(3)
陟 彼 岡 兮
ニ 一
ス ヲ
瞻―望 兄 兮
二 一
ハク ガ ヨ
6兄 曰 「嗟 予 弟
キテ ニ ズ ニセヨ
行 役 夙 夜 必 7偕
レ
ハクハ メ ヲ
上 慎 旃 哉
レ
ホ タレ ナカレト スルコト
猶 来 無 死」
レ
(注)@岵 はげ山。A瞻望 はるかに望み見る。B行役 辺境の守備や土木事業の労役に服する。C夙夜 朝早くから夜遅くまで。D旃 「之」に同じ。E屺 木の茂っている山。F季 末の子。
一 詩について。
1 形式
2 韻字
二 書き下せ。
第一句
第二句
第三句
第四句
第五句
第六句
第七句
第ハ句
第九句
第十句
第十一句
第十二句
第十三句
第十四句
第十五句
第十六句
第十七句
第十八句
三 口語訳
第一句 あのはげ山に登って
第二句 父をはるかに望み見る
第三句 父が言うことに「ああ我が子よ
第四句 戦場に行っては、朝早くから夜遅くまで怠ってはいけない。
第五句 願うことには之に気をつけろ
第六句 それでもなお、戦場に止まったきりになってはいけない
第七句 あのはげ山に登って
第八句 母をはるかに望み見る
第九句 母が言うことに「ああ我が末の子よ
第十句 戦場に行っては、朝早くから夜遅くまで眠ってはいけない。
第十一句 願うことには之に気をつけろ
第十二句 それでもなお、私を捨てないでくれ
第十三句 あのはげ山に登って
第十四句 兄をはるかに望み見る
第十五句 兄が言うことに「ああ我が弟よ
第十六句 戦場に行っては、朝早くから夜遅くまで皆と一緒に行動せよ。
第十七句 願うことには之に気をつけろ
第十八句 それでもなお、死ぬな。
四 次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。
1 陟 2 瞻望 3 夙夜 4 猶
五 次の語の意味を辞書で調べよ。
1 慎
六 二重線部1の文法問題に答えよ。
1 無
七 傍線部1〜7の問いに答えよ。
1 父らしさはどのようなところに表れているか。
2 どのような気持ちが込められているか。
3 どこに「止」まるのか。
4 母らしさはどのようなところに表れているか。
5 どういう意味か。
6 兄らしさはどのようなところに表れているか。
7 だれと「偕」にするのか。
構成
(1) (2) (3) |
節 |
岵 屺 岡 |
場所 |
父 母 兄 |
肉親 |
子よ。 無已 無止 末っ子よ。 無寐 無棄 弟よ。 必偕 |
その言葉 |
主題 山に登り家族をもう。
解答
一 1 五言古詩 2 止 棄 死
二
第一句 彼の岵に陟りて
第二句 父を瞻望す
第三句 父曰く「嗟予が子よ
第四句 役行きて夙夜已むこと無かれ
第五句 上はくは慎め旃を
第六句 猶ほ来たれ止まること無けれ
第七句 彼の屺に陟りて
第八句 母を瞻望す
第九句 母曰く「嗟予が季よ
第十句 役行きて夙夜寝ること無かれ
第十一 上はくは旃を慎め
第十二 猶ほ来たれ棄つること無けれ
第十三句 彼の岡に陟りて
第十四句 兄を瞻望す
第十五句 兄曰く「嗟予が弟よ
第十六句 役行きて夙夜必ず偕にせよ
第十七句 上はくは旃を慎め
第六句 猶ほ来たれ死すること無かれと
四 1 のぼ 2 せんぼう 3 しゅくや 4 な
五 1 おそかにしない。注意深くする。木を付ける。
六 1 否定 無し ない
七
1 岵―なげむ 無已―休むな 無止―死とう言葉を用いていない
2 戦場では苦労があるだろうがそれでもなんとか。
3 戦場。 4 屺―木のなる山。寐―寝坊するな。無棄―死ぬなと謂う婉曲。
5 母を捨てて死ぬ。「死」と同義。
6 岡―山の尾根。必偕―一人では何もできないと教える。
7 仲間。