飲 酒 陶 潜
語釈
ビテ ヲ リ ニ
結 廬 在 人 境
レ 二 一
モ シ ノ シキ
而 1無 車 馬 喧
ニ 一
フ ニ ゾ ク ルト
1問 君 2何 能 爾
レ
ケレバ ラ ンwリ
心 遠 地 自 偏
ル ヲ ノ
2采 菊 東 籬 下
レ
トシテ ル ヲ
悠 然 見 南 山
二 一
ニ ク
山 気 日 夕 佳
ニ ル
飛 鳥 相 与 還
ノ リ
3此 中 有 真 意
ニ 一
シテ ゼント ニ ル ヲ
欲 弁 已 4忘 言
レ レ
(陶淵明集)
一 詩について。
1 形式
2 韻字
二 書き下せ。
第一句
第二句
第三句
第四句
第五句
第六句
第七句
第ハ句
三 口語訳
第一句 庵を人里の中に構えているが、
第二句 それにもかかわら訪問客の車馬の騒がしさが無い。
第三句 どうしてそのようなことが君にはできるのかと、問われれば
第四句 心が遠く俗界を班レテいるので、住む土地も自然と辺鄙な場所になるのだ。
第五句 菊の花を、家の東のまがき気の辺りに
第六句 ゆったりとした南山を見る
第七句 山のたたずまいは夕暮れにすばらしく
第ハ句 飛ぶ鳥は連れだって塒に帰る。
第九句 このなかにこそ自然における真実の心がある。
第十句 早くも表現すべき言葉を忘れるのだ。
四 次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。
1 車馬 2 東籬 3 悠然 4 山気 5 真意
五 次の語の意味を辞書で調べよ。
1 結廬
2 人境
3 籬
4 悠然
5 日夕
6 真意
六 二重線部1〜2の文法問題に答えよ。
1 無 否定
2 何 疑問
七 傍線部1〜4とAの問いに答えよ。
1 答になっている部分を抜き出せ。また、「君」は誰をさすか。
2 主語を記せ。
3 指示内容を記せ。
4 なぜか。
A 第一句、第二句でこう言っているのはなぜか。
構成
第一句 人境
第二句 静か
第三句 なぜか?
第四句 心の持ち方
第五句 菊
第六句 南山
第七句 夕
第ハ句 鳥
第九句 真意
第十句 言を忘れる
主題 悠々自適の境地
解答
一 1 五言古詩 2 喧 偏 山 還 言
二
第一句 廬を結びて人境に在り
第二句 而も車馬の喧しき無し
第三句 君に問ふ 何ぞ能く爾ると
第四句 心遠ければ地自ら偏なり
第五句 菊を采る 東籬の下
第六句 悠然として南山を見る
第七句 山気 日夕に佳く
第ハ句 飛鳥 相与に還る
第九句 此の中 真意有り
第十句 弁ぜんと欲して已に言を忘る (陶淵明集)
四 1 しゃば 2 とうり 3 ゆうぜん 4 さんき 5 しんい
五 次の語の意味を辞書で調べよ。
1 粗末な家を構える。
2 人の住んでいる所。俗界。
3 まがき。竹や柴を荒く編んだ垣。
4 ゆったり。
5 夕方。
6 真自然と一体となったときに得られる真精神。
六 1 否定。 2 疑問。
七 1 心遠地自偏 作者 2 作者。
3 采菊東籬下 悠然見南山 山気日夕佳 飛鳥与還
4 言葉で説明することは不可能な、共感してもらうしかない境地だから。
A 心が俗界から遠く慣れているから。