七歩詩 曹植
語釈
テ ヲ ツテ シ ト シテ ヲ テ ス ト
(1)1煮 2豆 持 作 A羹 漉 B豉 以 為 汁
レ レ レ
ハ リテ ノ ニ エ ハ リテ ノ ニ ク
(2)3C箕 在 釜 下 然 豆 在 釜 中 泣
ニ イチ ニ 一
リ ズルニ ルコト ゾ ダ ナル
(3)4本 自 同 根 生 相 5煎 61何 太 急
ニ 一
(注)@七歩詩 この詩は父に可愛がられ、才能も非凡な弟を憎んだ兄が、「七歩のうちに詩を作れ、できなければ死刑に処す。」と命じたのに応じて弟が作った。A羹 肉と野菜の吸い物。Bみその類。C箕 豆がらを干して燃料とする。
一 詩について。
1 形式
2 韻字
3 対句
二 書き下せ。
第一句
第二句
第三句
第四句
第五句
第六句
三 口語訳
第一句 豆を煮て肉と野菜の吸い物とする
第二句 豉を漉して吸い物とする
第三句 豆がらは釜の下にあって燃える
第四句 豆は釜の中にあって泣く
第五句 もとは同じ根からしょうしたが、
第六句 ともにどうしてそんなに厳しく煮詰められるかだ。
四 次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。
1 曹植 2 羹 3 漉 4 為 5 煎 6 太
五 次の語の意味を辞書で調べよ。
1 汁
2 急
六 二重線部1の文法問題に答えよ。
1 何
七 傍線部1〜5とAの問いに答えよ。
1「煮」と5「煎」の違いは何か。
2 「豆」と3「箕」とはそれぞれ何の比喩か。
4 比喩を分かりやすく説明せよ。
A この詩からできた成語を記し、その意味を答えよ。
構成
(1)豆←煮る
↓
羹
↓
汁
(2)豆がらは釜の下で燃え、豆は釜中にあって泣く
(3)同根から生じたのになぜ
主題 兄弟の不仲
曹操(武帝)―曹衃(文帝)
曹植
解答
一 1 五言古詩 2 羹 汁 泣 急
3 第一句と第二句 第三句と第四句
ニ(1)第一句 豆を煮て持って羹と作し 第二句 豉を漉して以て汁と為す
(2)第三句 箕は釜の下に然え 第四句 豆は釜の中に泣く
(3)第五句 本同根より生ずるに 第六句 相煎ること何太だ急なる
四 1 そうしょく 2 こう 3 こ 4 な 5に 6 はなは
五 1 おつゆ。吸い物。2 厳しい。
六 1 疑問。何ぞ どうして〜か。
七 1 煮え立たせる(水の中に入れて加熱する)。 5 煮詰める(汁がなくなるまで加熱する)。
2 弟。3 兄。
4 同じ母から生まれた兄弟だということ。
A 「七歩の才」(優れた作詩の才能)