セラレテ リ        ニ     ス           ニ

@  左 遷 至 A藍 関 2示 B姪 孫 湘       韓喩

              二        一     二           一

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語釈

               ニ  ス         ノ

3C一 封 4朝 奏 D九 重 天

  ベニ  セラル    ニ

夕 貶 潮 州 路 八 千

      二      一

  ス  ニ       ノ  カント     ヲ

欲 為 聖 明 除 弊 事

     下  二      一   二     上

  ヘテ テ         ヲ    シマンヤ    ヲ

肯 将 5衰 朽 6惜 残 年

      二        一     二     一

  ハ  タハリテ      ニ          クニカ ル

雲 横 E秦 嶺 7家 1何 在

     二        一 

  ハ  シテ      ヲ            マ

雪 擁 藍 関 8馬 不 前

      二      一        レ

  ル       ガ  ク  タル    ニ   ル

知 9 遠 来 2 有 意

                       レ  レ

    シ  メヨ      ガ   ヲ            ノ

F好 収 10 骨 11G瘴 江 辺

       二          一

 

(注)@左遷 韓喩は憲宗(805〜820年在位)が仏骨を朝廷に迎えたことに抗議しあため、819年一月に、刑部侍郎から潮州刺史に左遷された。A藍関 藍田関のこと。長安の南西約50キロメートル。B姪孫湘 兄弟の孫の、韓湘。C一封 一通の皇帝に奉る上奏文。ここでは「論仏骨表」をさす。 D九重天 朝廷のこと。E秦嶺 長安の南に連なる秦嶺山脈。F好 するがよい。G瘴江 毒気が漂う南方の川。

 

一 詩について。

 

1 形式

 

2 韻字

 

3 対句

4 展開の仕方

 

二 書き下せ。

 

第一句

 

第二句

 

第三句

 

第四句

 

第五句

 

第六句

 

第七句

 

第ハ句

 

三 口語訳

 

第一句 一通の皇帝に奉る上奏文を朝廷に奉る 。

 

第二句 夕べに潮州に左遷される。八千里の先だ。

 

第三句 天子のために弊害を除こうとした。

 

第四句 肯えて老衰をもって残年を惜しもうか。

 

第五句 雲は秦嶺によこたわって家はどこにあるか。

 

第六句 雪は藍関をうずめ馬は進まない。

 

第七句 汝が遠く来たのは願いがあるからだ。

 

第ハ句 私の骨を瘴江の辺りに収めてくれ。

 

四 次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

1 左遷 2 藍関 3 姪孫湘 4 韓喩 5 貶 6 弊事 7 衰朽 8 擁 9 汝 10 瘴江

 

五 次の語の意味を辞書で調べよ。

 

1 左遷

 

2 貶

 

3 聖明

4 弊事

 

5 衰朽

 

6 擁

 

六 二重線部1〜の文法問題に答えよ。

 

1 何

 

2 応

 

七 傍線部1〜12の問いに答えよ。

 

1 どこからどこへ左遷されるのか。

 

2 「姪孫湘」に示した具体的内容は何か。

 

3 「一」に対する字は何か。また、この二字で何を表すか。

 

4 「朝」に対する字は何か。また、この二字で何を表すか。

 

5 「衰朽」とは何をさすか。

 

6 「惜残年」とは、どのような気持ちか。

 

7 どのような思いが込められているか。

 

8 どのような思いが込められているか。

 

9 誰のことか。

 

10 誰のことか。

 

11 「瘴江」どこをさすか。

 

構成

 

第一句  朝 長安 上奏文    首

 

第二句  夕 潮州に左遷

 

第三句  弊害を除こうとした   頷

 

第四句  命を惜しまない

 

第五句  家族が心配       頚

 

第六句  前途への不安

 

第七句  姪孫湘への願い    尾

 

第ハ句  私の骨を収めろ

 

主題 姪孫湘への依頼と感謝

 

 

解答

一 1 七言律詩 2 天 千 年 前 辺 3 第三句と第四句 第五句と第六句

  4 首頷頚尾

第一句 一封朝に奏す九重天 

 

第二句 夕べに潮州に貶せらる路八千

 

第三句 聖明の為に弊事えお除かんと欲す

 

第四句 肯へて衰朽を将て残年を惜しまんや

 

第五句 雲は秦嶺に横たわりて家何にか在る

 

第六句 雪は藍関を擁して馬前まず

 

第七句 知る汝が遠く来たる応意有るべし

 

第ハ句 好し吾が骨を収めお瘴江の辺

四 1 させん 2 らんかん 3 てっそんしょう 4 かんゆ 5 へん 6 へいじ 7 すいきゅう 

  8 よう 9 なんじ 10 しょうこう

五 1 官職を下げる。「左降」 2 官職を下げる。「貶降」「貶退」 3 天子。

  4 弊害のある事柄。 5 衰え朽ちる。「老衰」。 6 うずめる。ふさぐ。

六 1 疑問 何くにか〜 どこに〜か  2 再読文字 応に〜べし きっと〜だろう

七 1 長安から潮州へ。 2 我が骨を瘴江の辺りで収めること。 

3 八 一―八で処分の重さを表す。 4 夕 朝―夕で処分が極めて短い時間で執行されたことを表す。

5 作者の体。 

6 正しいことをしたのだから後悔しない。いつ死んでもいい。

7 長安に残してきた家族への懸念。 8 前途への不安。

9 姪孫湘。 10 韓喩。11 潮州。