春望 @杜甫
語釈
レテ リ
国 1破 山 河 2在
ニシテ シ
城 春 3草 木 深
ジテハ ニモ
感 4A時 5花 濺 涙
レ レ
ミテム レヲ
恨 B別 6鳥 驚 心
レ レ
ナリ
烽 火 連 三 月
二 一
タル ニ
7家 書 C抵 万 金
ニ 一
ケバ ニ ク
ケバ
ケバ ニ 烽 火 連 三 月烽 火 連 三 月
8白 頭 噐 更 短
渾 欲 19不 勝 D簪
(注)@杜甫 712〜770年。盛唐の詩人。字は子美。律詩に優れ、「詩仙」と称される。A時 当時長安は安禄山反乱軍の手い落ちていた。B別 妻子はふしゅ村(長安の北約100キロメートルに楚貸し、杜甫は占領下の長安にいた。)C抵 相当する。D簪 士太夫であることを示す冠をとめるもの。
一 詩について。
1 形式
2 韻字
3 展開のし方
二 書き下せ。
第一句
第二句
第三句
第四句
第五句
第六句
第七句
第ハ句
三 口語訳
第一句 国都長安は破壊されてしまったが、山河は以前と変わらずに存在している。
第二句 町には春が来て、草木は昨春までと同じように深々と生い茂っている。
第三句 このような時勢に心を痛め、咲く花を見ても涙がこぼれ、
第四句 家族との別れを悲しみ、鳥のさえずりにも私の心はびくっとする。
第五句 戦いののろし火は、三月になっても続いており、
第六句 家族からの手紙は(いっこうに届かず、もし届いたならば)巨万の富に相当する ほど貴重だ。
第七句 たまらなくなって白髪あたまをかけば、かくほどに抜け落ちて薄くなり、
第ハ句 もはや全く冠をとめる簪も挿せなくなりそうである。
四 次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。
1 春望 2 杜甫 3 山河 4 濺 5 恨 6 濺 7 抵 8 渾
五 次の語の意味を辞書で調べよ。
1 春芒
2 国
3 城
4 烽火
5 家書
6 万金
7 欲
六 二重線部1の文法問題に答えよ。
1 不
七 傍線部 1〜9の問いに答えよ。
1、2はぞれぞれどのような意味か。
3 どういう言う意味か。
4 具体的に表現した句を抜き出せ。
5 どういう意味か。
6 どういう意味か。
7なぜか。
8 なぜ「白頭」をかくのか。
9意味と心情をし記せ。
構成
第一句 国は破れたが山河はさる。 人事=無常
第二句 城には春が来て、草木が茂る。 自然=常住
第三句 花にも涙 戦乱を嘆く
第四句 鳥にも驚く
第五句 戦乱は二カ月続く。 家族への思い
第六句 手紙は万金の値打ちがある
第七 白髪頭は薄い 悲痛な思い
第八句 簪がさえない、
主題 戦乱によって引き裂かれた家族への思い
解答
一 1 五言律詩 2 深 心 金 簪 3 頸 頷 頸 尾
4 対句 第一句と第二句 第三句と第四句 第五句と第六句 破格
二
第一句 国 破れて 山河 在り
第二句 城 春にして 草木 深し
第三句 時に感じては花にも涙を濺ぎ
第四句 別れを恨みては鳥にも心を驚かす
第五句 烽火 三月に連なり
第六句 家書 万金に抵る
第七句 白頭 噐けば更に短く
第ハ句 渾て簪に勝へざらんと欲す
四 1 しゅんぼう 2 とほ 3 さんが 4 そそ 5 うら
6 ほうか 7 あた 8 すべ
五
1 春の眺め。 2 都。首都。 3 城郭を巡らした街。 4 のろし。
5 家族から寄せられた手紙。6 多くの金銭。 7しようとする。
六 1 否体
七 1 破壊 2 存在。3 草木が繁茂している。「4 烽 火 連 三 月」
5 平和な時 花鳥は人を楽しませる。が戦乱の時そうではない。
7 戦乱で家族からの手紙が来ないから。8 かぞくの安否を気遣ないいたずら。
9 意味―冠をとめるかんざしもさせない=感触をえられない
10 国家と家族のために何もできない、」