@ 子 夜 呉 歌 李 白
語釈
ノ ツノ ヲ
長 安A 一 片 月 万 戸 擣 衣 声
レ
イテ キ ベテ ノ
秋 風 吹 不 尽 1総 是B 玉 関 情
レ
レノ カ ラゲテ ヲ メン ヲ
1何 日 平 胡 虜 良 人 罷 遠 征
二 一 二 一
(注)@子夜呉歌 呉(今の江蘇省にあった国)で流行した民間歌謡。「子夜」は女性の名といわれる。A一片の月 一面に照らす月の光。B玉関情 遠い地に遠征している夫を思う、妻のせつない情け。「玉関」は今の甘粛省敦厚市にある「玉門関」。北方の異民族の
防備にあたった関所。
一 詩について。
1 形式
2 韻字
二 書き下し文にせよ。
第一句
第二句
第三句
第四句
第五句
第六句
三 口語訳
第一句 長安の夜空に月がさえ
第二句 家という家からは砧を打つ音が聞こえてくる。
第三句 秋風は吹き続けてやまず。
第四句 あらゆるものが玉門関の彼方に出征している夫へのせつない思いをかき立てる。
第五句 ああいつになったら夫は北のえびすを平定し、
第六句 遠征から帰ってくるのだろうか。
四 次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。
1 長安 2 万戸 3 玉関 4 胡虜 5 罷
五 次の語の意味を辞書で調べよ。
1 擣衣
2 良人
3 罷
六 二重線部1の文法事項に答えよ。
1 何
七 傍線部1とA・Bの問いに答えよ。
1 あたるものを抜き出せ。
A 李白はどういう立場でこの詩をよんででいる。
B 誰が( )誰( )に対してどのような思い
( )をのべているか。
構成
第一句 長安 月
第二句 衣を打つ音
第三句 秋風
第四句 夫への思い
第五句 平定し
第六句 帰って来る
主題 夫の帰還を望む妻の心情
解答
一 1 五言古詩 2 声 情 征
二 第一句 長安一片の月 第二句 万戸衣擣つの声
第三句 秋風吹いて尽きず 第四句 総て是れ玉関の情
第五句 何れの日か胡虜を平げて 第六句 良人遠征を罷めん
四 1 ちょうあん 2 ばんこ 3 玉官 4 こりょ 5 や
五 1 布をしなやかにし、またつやを出すために砧にのせて槌で打つこと。
2 おっと。 3 中止する。
六 1 疑問 いずれ いつ
七 1 月―視覚 声―聴覚 秋風―触覚
A 遠征の夫を思う妻の立場で(女性仮託)
B 長安の妻が遠い戦場の夫にたいして一刻も早い帰りを祈る気持ち。
参考
砧打ちて我に聞かせよや坊が妻(芭蕉)
声すみて北斗に響く砧かな(子規)
夕月やきぬた聞こゆる城の内(子規)
みよし野の山の秋風小夜更けてふるさと寒く砧打つなり(藤原雅経)