山中問答 李白
語釈
フ ニ アリテカ ム ニ
1問 余 何 意 棲 碧 山
レ ニ 一
ヒテ ヘ ラ ナリ
2笑 而 1不 答 心 自 閑
レ
トシテ ル
桃 花 流 水 窅 然 去
ニ リ ノ ザル ニ
別 有 天 地 3非 人 間
三 二 一
一 詩について。
1 形式
2 韻字
二 書き下せ。
第一句
第二句
第三句
第四句
三 口語訳
第一句 私に尋ねる人がいる。どんな気持から、緑のこの山奥に閉じこもっているのかと。
第二句 私は笑って答えない。私の心は一人ゆったりとしてのどかである。
第三句 桃の花を浮かべて流れる水は、遥かに遠く流れ去る。
第四句 このあたりには、俗世間とは別の天地があるのだ。
四 次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。
1 棲む 2 碧山 3 閑なり 4 窅然
五 次の語の意味を辞書で調べよ。
1 碧山
2 閑
3 窅然
六 二重線部1の文法事項に答えよ。
1 不
七 傍線部1〜3の問いに答えよ。
1 「余に問」うた人は、何を聞きたかったのか。
2 なぜか。
3 「人間に非ざる」天地とはどんな天地か。
構成
第一句 Q「なぜ山にすむか?」 起
第二句 答えない。心はのどか。 承
第三句 桃の花咲き水の流れる自然 転
第四句 天地 結
主題 俗世間にこだわらないゆったりした別世界
解答
一 1 五言古詩 2 山 閑 間
二
第一句 余に問ふ何の意ありてか碧山に棲むと。
第二句 笑ひて答へず心自ら閑なり
第三句 桃花流水窅然として去り
第四句 別に天地有り人間に非ざる有り
四
1 す 2 へきざん 3 かん 4 ようぜん
五
1 樹木の青々と茂った山。
2 のどか。有閑。閑居。
3 奥深く問いさま。
4 俗世間。俗界。
六 二重線部1の文法問題に答えよ。
1 否定
七 1 世の中を捨てて山中に隠棲している心境。
2 説明するまでもない(分かってもらえない。分かってもらうこともない。)。
3 俗世間には見られない、美しい自然のゆったりした心境。
背景
755年安禄山の乱の翌年の作
陶淵明「桃花源記」