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語釈

@   百首歌奉りし時、春の歌                 A式子内親王

3 1山深み春とも知ら2B松の戸に1たえだえかかる雪の玉水

 

(注)@ 百首歌 百首で一組になるように構成を整えてよんだ歌。ここは,一二00年に後鳥羽院が催した「正治二年初度百首」 A 式子内親王 一一五三?〜一二0一。後白河天皇の皇女。B 松の戸 松で作った枝折り戸。一説に,松の木陰の戸。

 

 一 次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

   1 奉り  2 式子内親王

 

 二 次の語の意味を辞書で調べよ。 

 

   1 奉る

 

三 傍線部1の問いに答えよ。

 

  1 傍線部1は五感のうちどの感覚を働かせているか。

 

 四 二重線部1、2文法問題と修辞法Aに答えよ。

 

   1 品詞分解,口語訳

 

   2 品詞名 基本形  活用形  文法的意味   

 

   A 玉水

 

五 口語訳

 

 山が深いので,春になったとも気づかないわび住まいの松の戸にとぎれとぎれに落ちかかっている雪解けの玉のようなしずくよ。

 

 構成

 

   山 松の戸 雪解け水

 

   主題 春の訪れ

 

  

 

 

3 解答

一1 たてまつ 2 しょくしないしんのう 

二 1 差し上げる。

三 1 視覚・聴覚。

四 1 山名 深形ク活深し幹 み接尾語 山が深いので

  2 助動ず体打

  A 体言止め 

 

語釈

 

@  詩を作らせて歌に合はせ侍り1に、水郷の春望といふことを

 

                        A藤原秀能

 

 

26 夕月夜1潮満ちくらしB難波江の葦の2若葉に越ゆる白波

                                                  (巻一  春歌上)

 

(注)@詩を作らせて歌に合はせ侍りしに  共通の題でよんだ漢詩と和歌とを組合せ、優劣を競い合う詩歌合わせが催されましたときに。ここでは、一二0五年(元久二)、後鳥羽院が催した元久詩歌合わせ。A藤原秀能  一一八四〜一二四0。後鳥羽院に仕えた北面の武士。和歌所寄人。B難波江  今の大阪市あたりにあった入り江。葦の名所。

 

   次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

     1 藤原秀能        夕月夜      難波江       

 

  次の語の意味を辞書で調べよ。

 

      夕月夜

 

  傍線部1・2の問いに答えよ。

 

      こう推定する根拠を抜き出せ。

 

      (1)「若葉に」とあるが「若葉を」とする本もある。「に」とした場合の表現 効果を記せ。

 

 

        (2)この歌のイメージには、どのような色彩の配合が計算されているか。三つの色を答えよ。

 

四 二重線部1の文法問題と修辞法A・Bに答えよ。

 

        文法的意味。

 

      句切れ

 

      白波  修辞法。

 

五 口語訳

 

      漢詩を作らせて歌にあわせました時に、水郷の春望ということを(詠んだ歌)

 

  夕月(がかかる暮れ方に)潮が満ちてくるらしい。難波江の(みぎわに生えた)葦の若

  葉を越える白波よ。

 

構成

 

 遠景          近景

 

 夕月夜 難波江 満潮  難波江 蘆の若葉を波が越える。

 

 主題 春望

 

 

26  解答

一 1 ふじわらひでよし 2 ゆうづくよ 3 なにわえ 4 あし

二 1 夕月。夕方に出ている月。

三 1 難波江の葦の若葉に越ゆる白波  

2(1)「に」格助場所 動作の対象を示し、場所のイメージを強める。 「を」格助対象

   (2)夕月夜=黄 葦の若葉=緑 白波=白

四 1 助動き体過 A 二句切れ B 体言止め 

 

語釈

 

                                                         

    晩霞といふことをよめる                              @ 藤原実定

 

35 Aなごの海の霞のまより眺むれ1入る日をあらふ沖2白波

                                                  (巻一  春歌上)

 

(注)@藤原実定  一一三九〜一一九一。後徳大寺左大臣と呼ばれた。俊成の甥。Aなご

の海  いまの大阪市の海浜か。

 

   次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

     1 晩霞        藤原実定       

 

  次の語の意味を辞書で調べよ。

 

     

 

  傍線部1の問いに答えよ。

 

      「入り日」を「入る日」と表現したことで、どのような効果がえられるか。

 

  2 この歌のイメージには、どのような色彩の配合が計算されているか。

 

  二重線部1・2の文法事項と修辞法Aに答えよ。

 

       文法的意味。

 

       文法的意味。

 

      白波  修辞法。

 

五 口語訳

 

      晩霞ということを詠んだ(歌)

 

  なごの海の霞のすきまから眺めると、沈もうとする日を洗っているように見える沖の白

  波よ。

構成

 

  春  

 

    目

 

   霞       霞   なごの海

 

 

       白波

 

 

 

    夕日

 

 

主題 春の雄大な景

 

 

 

 

35 解答

一 1 ばんか 2 ふじわらのさねさだ 3 かすみ

二 1 すきま。

三 1 「入り日」名詞 夕日  

「入る日」ラ四動「入る」体 刻々と水平線の彼方に没していく動的なイメージをきわだたせている。 2 入る日=赤 白波=白

四 1 接助順接確定条件偶然条件ト 2 奈良時代の格助 連体修飾格ノ

  A 体言止め 

語釈

 

@  をのこども、B詩を作りて歌に合わせはべりしに、水郷の春望といふことを  @後鳥羽院

 

36 見渡せば山もとかすむC水無瀬川D夕べは秋と1なに思ひけむ

 

 

 

(注)@後鳥羽院 1180〜1331年。倒幕に失敗して隠岐に流され、その地で没した。Aをのこども 殿上人たち。B詩を作りて歌に合はせ 同じ題で漢詩と和歌を作って、その優劣を競う詩歌合。C水無瀬川 大阪府三島郡を流れる川。D夕べは秋となに思ひけむ 夕べの趣は秋がすばらしいいと、どうして思ったのだろうか。

 

一 次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

 1 水郷 2 水無瀬川

 

二 次の語の意味を辞書で調べよ。

 

 1 山もと

 

三 二重傍線部1の文法問題と修辞法A・Bに答えよ。

 

 1 結びの語

 

 A 句切れ

 

 B 「けむ」

 

四 口語訳

 

 見渡すと山のふもとがかすんで、水無瀬川が流れている。夕べの趣は秋がすばらしいとどうして思ったのだろうか。

 

構成

 

 春 水無瀬川 かすみ 春の夕暮れ

 一、二、三句     四、五句 

 

 主題 春の夕暮れの賛美

 

 

 

 

 

36  解答

一1 すいごう 2 みなせがわ

二 1 山のふもと

三 1 けむ助動けむ体過去推量 

  A 三句切れ B 連体止め

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

語釈

 

@  守覚法親王、A五十首歌よませ侍りけるに                      B藤原定家

 

 

38 1春の夜の夢の浮橋とだえして峰に2分かるる横雲の空(巻一  春歌上)

 

(注)@守覚法親王  一一五0〜一二0三。後白河天皇の第二皇子。A五十首  一一九八

年(建久九)の守覚法親王家五十首。B藤原定家  一一六二〜一二四一。俊成の子。家集

に『拾遺愚草』がある。

 

  次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

      守覚法親王          藤原定家            浮橋

 

  次の1・2の語の意味を辞書で調べよ。

 

      浮橋    

 

   横雲

 

三 傍線部1・2の問いに答えよ。

 

      (1)「春の夜の夢」とはどういう夢か。

 

        (2)「夢の浮橋」から連想されるものはなにか。

 

      「別るる」の主語を記せ。

 

  二重線部1の文法問題と修辞法A〜Cに答えよ。

 

      品詞分解  口語訳

 

      「浮橋」と「とだえして」の修辞法。

 

      「別るる」の修辞法。

 

      「空」の修辞法。

 

五 口語訳

 

        守覚法親王が五十首の歌をよませましたときに(詠んだ歌)

 

    春の(短)夜の(はかない美しい)夢が途切れて(目が覚めてみると今しも)山の峰

    に別れていく横に長くたなびく雲の(夜が明けていく)空よ。

 

構成

 

    朝帰る

  春の曙の空

  横雲=恋人

  −     別れる

  峰 =恋人

 

 主題 恋の夢から覚めた直後の夢幻の境地

 

 

38  解答

一 1 しゅかくほうしんのう 2 ふじわらのさだいえ 3 うきはし

二 1 水上に筏や船を並べその上に板を渡して橋の代わりにしたもの。舟橋。

  2 横にたなびく雲。多く明け方の空にたなびく。

三 1(1)春の夜は短いから其の夢ははかない。(2)『源氏物語』の最終巻名「夢の浮き橋」

  2 雲

四 1 とだえ名 し動す用サ変 て接助 途絶えて 

  A 縁語 B 擬人法 C 体言止め

語釈

 

@千五百番歌合に                                      A藤原俊成女

 

112 1風かよふ寝覚1袖2香にかをる3春5夜6                                             (巻二  春歌下)

 

(注)@千五百番歌合  一二0一年(建仁元)、後鳥羽院が歌人三十人から召した百首歌を組み合わせて歌合としたもの。A藤原俊成女  一一七一?〜一一五四?。俊成の孫で養女。                                                                     

 

   次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

     1 歌合        藤原俊成女       

 

二 次の語の意味を辞書で調べよ。

 

      歌合

 

      寝覚

 

  傍線部1〜4の問いに答えよ。

 

      「風かよふ」と「風かをる」との違いを説明せよ。

 

      「花」を、梅ととる場合と桜ととる場合とでどう違うか、説明せよ。

 

      「枕」はどの語にかかるか。

 

      「春の夜の夢」とあるが、夢の内容はどのようなものと考えられるか。

 

四 二重線部1〜6の文法事項と修辞法A・Bに答えよ。

 

    1〜6の「の」の文法的意味をそれぞれ答えよ。また、「の」の多用の効果を答えよ

   

  A 風かよふ

 

   B 夢 

 

五 口語訳

 

      千五百番歌合に(詠んだ歌)

 

  風が(庭から)通ってきて眠りから覚めた(私の)袖が(風がはこんできた)花の香(

  のため)にかおっている、(枕もその香にかおっているその)枕で(今まで見ていた)

  春の夜の夢よ。

 

構成

 

春の夜の夢  枕 袖

        ↑ ↑ 

        花の香り

 

 主題 艶めかしい寝姿の恋の夢の名残

 

 

112   解答

一 1 うたあわせ 2 ふじわらとしなりのむすめ 3 そで

二 1 競技者を左右ふた組に分けてそれぞれ歌を一首ずつ選出させて番を作り優劣を争わせた文学的遊戯。

  2 眠りから覚めること。

三 1 「風かよふ」 男が女のもとに行く。「かよふ」を使い恋の情趣を出す。

    「風かをる」 花や草のかおりをふくんで風が吹く。

  2 「花の香」は梅の香り。恋人への思いを掻き立てる梅の香り。

     桜 視覚的華麗さ。恋の情趣に通じる雰囲気。 

  3 夢。4 恋人を見た夢。

四 1〜6 格助 2 主ガ 1、2〜6 体修ノ  「の」の多用の効果 微妙な韻律 の6かい か4回

  A 擬人法 B 体言止め

語釈

 

114 また1見ん@交野のみ野のA桜狩り花の雪散る春のあけぼの  藤原俊成

 

(注)@交野 今の大阪府枚方市の辺りにあった狩り場。桜の名所でもあった。A桜狩り こおは、桜を尋ね歩いて観賞すること。

 

一 次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

 1 交野  2 藤原俊成

 

二 次の語の意味を辞書で調べよ。

 

 1 あけぼの

 

 2 桜狩

 

三 二重傍線部1の文法問題と修辞法A・Bに答えよ。

 

 1 結びの語 品詞 基本形 

 

 A 句切れ

 

 B 「あけぼの」

 

四 口語訳

 また見るとおもっただろうか(いや思わない)。交野の桜狩で春の曙に花が散るのを。

 

構成

 

 交野 桜狩 あけぼぼ

 

 主題 桜花の美の極致

 

 

 

 

114    解答

一 1 かたの 2 ふじわらとしなり

二 1 夜がほのぼのあけはじめるころ。 2 花見。とくに、桜の花を尋ねて、山や野に行楽にでかけるkと。

三 1 ん助動む体意思 

  A 初句切れ B 体言止め

 

 

 

 

 

 

語釈

 

@   入道前関白、右大臣にはべりける時、A百首歌よませはべりける、ほととぎすの歌                             B藤原俊成

 

201 1C思ふ草の庵の夜の雨に2な添へそ山ほととぎす        (巻三  夏歌)

 

(注)@入道前関白  藤原兼実(一一四九〜一二0七)。九条家の始祖。A百首歌  ここ

では一一七八年(治承二)の右大臣家百首。B藤原俊成  一一一四〜一二0四。後白川院

の命で『千載集』を撰進した。家集に『長秋詠藻』、歌論に『古来風体抄』などがある。

C昔思ふ草の庵の夜の雨  白居易の『白氏文集』巻十七に「蘭省花時錦帳下盧  山雨夜草庵

中。」とある。

 

   次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

     1 入道前関白      藤原俊成       

 

  次の語の意味を辞書で調べよ。

 

      草の庵

 

  傍線部1・2の問いに答えよ。

 

      「どういう昔のことか。

 

      「涙」を作者の涙とした場合、どういう心情で落ちる涙か。また作者の涙とする

        以外に何の涙が考えられるか。

 

  二重線部1の文法事項と修辞法A〜Dに答えよ。

 

      涙な添へそ  品詞分解。

 

      昔思ふ草の庵の夜の雨  修辞法。

 

      涙な添へそ  修辞法。

 

      ほとぎす  修辞法。

 

      句切れ

 

五 口語訳

 

      入道前関白が、右大臣でございましたときに、百首歌をよませました、(そのとき

      の)ほとぎすの歌

 

  昔のことを(しみじみ)思い出して(聞いて)いる草ぶきの小さな粗末な家の夜の雨に

 (涙がおのずから目にあふれてくる。そんな時に悲しげな声を聞かせて)涙を添えるな 

山ほとぎすよ。

 

構成

 

  草庵 夜 雨=寂しい景

     +

  ほととぎす =悲しい声

     =

  主題 静寂の余情

 

201  解答

一 1 にゅうどうさきのかんぱく 2 ふじわらとしなり 3 いおり

二 1 草ぶきの小さい粗末な家。

三 1 きゅうちゅうに出仕していた時。心情 懐旧の情で落ちる涙。以外 山ほととぎす

四 1 涙名 な副 添へハ下二添ふ用 そ終助禁止 涙を添えるな。

  A 本説歌(和歌や連歌を作るとき、拠り所とする物語や故事、詩などの本文)

ここでは「欄 省 花 時 錦 帳 下,櫨 山 雨 夜 草 庵 中

  B 擬人法 C 体言止め D 四句切れ

語釈

 

  題知らず                                                @藤原俊成女

 

 

245 1Aたちばなのにほふあたりのうたたねは夢2昔の袖の香ぞする(巻三  夏歌)

 

 

(注)@藤原俊成女  一一七一?〜一二五四。藤原盛頼の娘。源通具の妻。母が俊成の娘

で、俊成の養女となる。Aたちばなの  『古今集』の「五月待つ花たちばなの香をかげば

昔の人の袖の香ぞする」(夏歌  よみ人知らず)を本歌とする。

 

  次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

      藤原俊成女       

 

  傍線部1〜3の問いに答えよ。

 

      「たちばなの」の歌の季節はいつか。

 

      「も」は何に添加してか。

 

      「昔の袖の香ぞする」と感じるのはなぜか。

 

  二重線部1の文法事項と修辞法A・Bに答えよ。

 

      「ぞ」の結びの語とその活用形を答えよ。

 

      「たちばなの」の歌全体における修辞法。

 

      「する」の修辞法。

 

四 口語訳

 

        題を知らない

 

    橘の(花の)香のにおっているあたりでのうたたねでは、夢(の中)でも昔の(懐か

    しい人の)袖の香がする。

 

構成

 

橘の香

 

  本歌   花橘の香→香昔の人     直接的 明示

 

  本歌取り 花橘の香→昔の香 夢にも  間接的 婉曲

 

  主題 橘の香りから昔の恋人を回想する。

 

 

 

 

 

 

245  解答

一 1 ふじわらのとしなりのむすめ 2 そで

二 1 夏 2 現にも(目が覚めている時) 3 常識 橘の香りから昔の人を連想する。

三 1 する動す体サ変 A 本歌取り B 連体止め

 

 

 

 

 

語釈

 

  題知らず                        @寂蓮法師

 

361 さびしさは1その色としもなかりけりAまき立つ山の秋の夕暮れ

 

 

(注)@ 寂蓮法師 一一三九?〜一二0三。俗名は藤原定長。和歌所寄人。Aまき 杉などの常緑樹の類。

 

 一 次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

   1 寂蓮法師 

 

 二 二重線部1の文法問題と修辞法A・Bに答えよ。

 

   1 品詞分解 口語訳

 

   A 何句切れか。

 

   B 夕暮れ

 

 三 口語訳

  この寂しさはとりたててどの色のために生ずるというのでもないが、言い知れぬ寂しさだよ。杉檜などの立ち茂る山の秋の夕暮れは。

 

構成

 

  まきの木の秋の夕暮れ←紅葉と対比

 

 主題  

 

 緑一色の秋の夕暮れのさびしさ

 

 

 

 

 

361   解答

 

一 1 じゃくれんほうし

二 1 そ名 の格助体修ノ 色名 と格助対象 し副助強意 も係助強意 なかり形なし用ク活

    けり助動けり止過 

A 三句切れ B 体言止め

 

 

 

 

 

 

語釈

 

  題知らず                         @西行法師

 

362 1心なき身にも2あはれは知ら1けりA鴫立つ沢の秋の夕暮れ

 

(注)@西行法師 一一一八〜一一九一。俗名は佐藤義清。家集に『山家集』がある。

 A鴫 シギ科の渡り鳥。

 

 一 次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

  

1 西行法師

 

2 鴫

 

 二 傍線部1、2の問いに答えよ。 

 

  1 (1)誰のことか。

 

 (2)どういう意味か。

 

 三 二重線部1の文法問題と修辞法A・Bに答えよ。

 

   1 品詞名      基本形    活用形 文法的意味

 

   A 何句切れか。

   

B 夕暮れ

 

 四 口語訳  

  もののあわれを解さない私のような身にもしみじみとした情趣が感じられることだ。鴫の飛び立つ沢の秋の夕暮れは。

 

構成

   

   鴫 沢 秋の夕暮れ

 

 主題 僧侶の身に感じる秋の夕暮れ

 

 

 

 

 

362  解答

一 1 さいぎょうほうし 2 しぎ

二 1(1) 作者 (2)出家した人は人間感情を持たないはずの身。

三 1 助動る用自発 A 三句切れ B 体言止め 

 

 

語釈

 

  西行法師、すすめて、@百首歌よま1はべりけるに      A藤原定家

 

363 見渡せば花も紅葉も1なかりけり浦の苫屋の秋の夕暮れ

 

(注)@ 百首歌 一一八六年の「二見浦百首」A 藤原定家 一一六二〜一一四一。俊成の子。『新古今集』『新勅撰集』の選者。

 

一 次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

   1 藤原定家   3 苫屋

 

二 次の語の意味を辞書で調べよ。

 

   1 苫屋

 

 三 次の問に答えよ。

 

   1 この歌には艶美を底に秘めたしみじみとした情趣がある。艶美は何によってもたらされているか、二つ抜き出せ。

 

四 二重線部1の文法問題と修辞法A・Bに答えよ。

 

   1 基本形   活用形   文法的意味

 

   A 何句切れか。

 

   B 夕暮れ

 

 五 口語訳

  見渡すと,興趣を誘うような春の桜も秋の紅葉もないことだよ。

  漁師の苫葺きの小屋が点在するだけの海辺の秋の夕暮れは。

 

構成

 

   浦 苫屋 秋の夕暮れ←花・紅葉なし

 

   主題 殺風景な秋の夕暮れ 

 

 

 

363  解答

一 1 ふじわらのていか 2 とまや

二 1 水辺の粗末な家

三 1 花・紅葉

四 1 助動す用使 A 三句切れ B 体言止め

 

361〜363 三夕の歌

                             

語釈

 

                                                   

@  春日社歌合に、落葉といふことをよみて奉りし            A藤原雅経

           

561 移りゆく雲に1嵐の声すなり散るかB正木のC葛城の山

                                                    (巻六  冬歌)

 

(注)@春日社歌合  一二0四年(元久元)後鳥羽院の勧進。A藤原雅経  一一七0〜一

二二一。頼経の子。B正木の葛  キョウチクトウ科の常緑の蔓草。ていかかずら。C葛城

の山  今の奈良県と大阪府との境にある山。

 

   次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

     1 春日社歌合        葛城の山

 

  傍線部1の問いに答えよ。

 

      「嵐の声」はどこから聞こえるのか。また、「嵐」によって何が起こるのか。

 

   二重線部1の文法事項と修辞法A〜Dに答えよ。

 

       品詞分解 口語訳

 

      散るか正木の葛

 

     

 

      葛城の山

 

      句切れ

 

四 口語訳

 

      春日社歌合に、落葉ということを詠んで差し上げた(歌)

 

  (空を)移り行く雲に嵐の音が聞こえてくるようだ。(その嵐に)散るのだろうか、正

  木の葛が、葛城山は。

 

構成

 

 雲(嵐の声)→葛城の山の葛=散る

 

 主題 嵐の強さ

 

 

 

 

561   解答

一 1 かすがのやしろのうたあわせ 2 かづらきのやま

二 1 雲の中から 正木の葛が散る。

三 1 す動す止サ変 なり助動止推定 するようだ

  A 倒置法 B 掛詞 正木の葛 葛城の山(漢字の意味) C 体言止め D 三句切れ

 

  雲 視覚 嵐の声 聴覚

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 語釈

 

   題知らず                        西行法師

 

625 津の国の難波の春は夢なれ1葦の枯れ葉に風わたる2なり

 

一 次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

 1 難波 2 葦

 

二 二重傍線部1、2の文法問題と修辞法Aに答えよ。

 

1 文法的に説明せよ。

 

 2 品詞名 基本形 活用形 文法的意味

 

 A 何句切れか。

 

三 口語訳

 

 難波の春は夢なのか。葦の枯れ葉に風が吹いている。

 

構成

 

 難波春は夢?  葦の枯れ葉に風が吹いているようだ

 

 主題 難波の春

 

 

 

625  解答

一 1 なにわ 2 あし

二 1 係助詠嘆 A 三句切れ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

語釈

 

627 寂しさにたへたる人のまたもあれ1庵並べん冬の山里  西行法師

 

一 次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

 1 庵 2 西行法師

 

二 二重線部1を文法的に説明し修辞法A・Bに答えよ。

 

 1 品詞名 文法的意味

 

 A 何句切れか

 

 B「山里」

 

三 口語訳

 

 寂しさに耐えている人が別にもう一人いてくれたらなあ。冬の山里に庵を並べていようものを。

 

構成

 情け         景

 一、二、三      四、五句

 寂しさにたえる孤独  冬の山里

 

 主題 山里に一人庵を結ぶ。

 

 

 

 

 

627   解答

一 1 いおり 2 さいぎょうほうし

二 1 接助 感動・詠嘆 

  A 三句切れ B 体言止め

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

語釈

 

    @摂政太政大臣家歌合に、湖上の冬月                      A藤原家隆

                       

639 B志賀の浦1遠ざかりゆく浪間より2凍りて出づる有明の月

 

                                                    (巻六  冬歌)

 

(注)@摂政太政大臣家歌合  一一九九年(正治元)、藤原良経の家で催された歌合。A

藤原家隆  一一五六〜一二三七。家集に『壬二集』がある。B志賀の浦や  本歌は「さ夜

更くるままに汀や凍るらむ遠ざかりゆく志賀の浦波」(『後拾遺集』冬  快覚)。「志賀

の浦」は、今の滋賀県大津市付近の琵琶湖湖岸。

 

   次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

     1 摂政太政大臣        藤原家隆        志賀の浦

 

二 次の語の意味を辞書で調べよ。

 

 1 なみま

 

  傍線部1・2の問いに答えよ。

 

      どのような情景を述べたものか。

 

      「凍りて」の主語は二とおり考えられる。それを示せ。また、どのように解釈し

        たほうがよいか。

 

四 二重線部1の文法事項と修辞法A〜Cに答えよ。

 

        文法的意味。

 

      有明けの月 

 

      歌全体   

 

      句切れ

 

五 口語訳

 

      摂政太政大臣家の歌合に「湖上の冬月」(の題で詠んだ歌)

 

  志賀の浦よ。(夜が更けるにつれて汀から凍ってゆくので寄せる波も)遠ざかってゆく

  (その)波の間から凍った(ように)出る有明けの月よ。

 

 

構成

 

              氷 波      説明的

 本歌    湖水の冬景色 静と動のバランス 着想の面白さ 

                       凄惨       

 本歌取り  湖水の冬景色 氷のような月   冬の夜の冷え込み

 

主題 月の壮絶な美しさ 

 

 

 

 

 

639   解答

一 1 せっしょうだじょうだいじん 2 ふじわらいえたか 3 しがのうら

二 1 波と波の間。

三 1 岸から凍っていくので波がだんだん遠くなる。中央へ波が岸から遠ざかる。

  2 主語 水面 月 解釈 月

四 1 間助詠嘆 2 体言止め 3 本歌取り 4 初句切れ 

語釈

 

百首の歌たてまつりし時      藤原定家朝臣

 

671 @駒とめて袖1うち払ふ陰もなしA佐野のわたりの雪の夕暮れ

 

(注)@駒とめて この歌は、「苦しくも降りくる雨か三輪が崎佐野のわたりに家もあらなくに」(『万葉集』長奥麿)を本科とする。A佐野 今の和歌山県新宮市。三輪が崎の南西、木の川の沿岸。

一 次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

 1 藤原定家朝臣 2 駒

 

二 次の語の意味を辞書で調べよ。

 

 1 駒

 

 2 陰

 

三 傍線部1の問いに答えよ。

 

 1 何を。

 

四 修辞法A〜Cに答えよ。

 

 A 何句切れか。

 

 B 「夕暮れ」

 

 C 歌全体における修辞法。

 

五 口語訳

 馬を留めて袖の雪をうち払う物影もない。佐野の辺りで夕暮れ時、雪に降られた。

 

構成

 

 本歌    三輪が崎佐野のあたり  家もないのに雨が降ってくる。難儀

 

 本歌取り  三輪が崎佐野のあたり  夕方雪が降ってきた。馬の旅、雪を払う物影もない。 風流

 

 主題 一人旅のわびしさ

 

 

 

 

671  解答

一 1 ふじわらさだいえあそん 2 こま

二 1 馬。2 物影。

三 1 雪。

四 A 三句切れ。 B 体言止め。 C 本歌取り。

語釈

 

@  五十首歌奉りしとき                                        A藤原家隆

 

 

                           

939 1明けばまた越ゆ2べき山の峰なれやB空ゆく月の末の白雲(巻十  羇旅歌)

 

 

(注)@五十首歌  一二0一年(建仁元)二月、後鳥羽院の主催。A藤原家隆  一一五八                                                                         

〜一二三七。光隆の子。家集に『壬二集』がある。B空ゆく月  六百番歌合の「忘れじの

契りを頼む別れかな空ゆく月の末を数へて」(藤原諒経)などによる。

 

  次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

      奉り        藤原家隆

 

  次の語の意味を辞書で調べよ。

 

      奉る

 

  傍線部1、2の文法事項と修辞法A〜Cに答えよ。

 

      品詞名 基本形 活用形 活用の種類

 

  2 品詞名 基本形 活用形 文法的意味

 

    A「白雲」の修辞法。

 

      何句切れか。

 

      歌全体における修辞法。

 

四 口語訳

 

        五十首歌をさしあげたとき(詠んだ歌)

 

    夜が明けたならば(明日も)また越えてゆくはずの山の峰なのだろうか。(あの)空

    を行く月の行く先の(あたりにかかっている)白く見える雲は。

 

構成

 

  月の向こうの雲=越えて行く峰

 

  主題 旅の苦しさより情景の美しさ

 

 

 

 

 

 

 

939  解答

一 1 たてまつり 2 ふじわらのいえたか

二 1 差し上げる。「与ふ」の謙譲語

三 1 動明く未カ下二 2 助動べし体当然・義務

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

語釈

 

    百首歌奉りし時、よめる                                @慈円

 

1030 わが恋は1を2しぐれの染めかねて3A真葛が原に風さわぐ1なり

 

                                                (巻十一  恋歌一)

 

(注)@慈円  一一五五〜一二二五。関白兼実の弟。天台座主。家集に『拾玉集』、史論

書に『愚管抄』がある。A真葛が原  葛の生えている原。「真」は美称の接頭語。葛は風

に吹かれると白いうらばを見せるところから、「うらみ」を暗示する。

 

   次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

     1 慈円        真葛が原

 

  次の語の意味を辞書で調べよ。

 

      かぬ

 

  傍線部1〜3の問いに答えよ。

 

    1・2・3  「松」「しぐれ」「真葛」はそれぞれ何をたとえたものか。

 

  二重線部1の文法問題に答えよ。

 

      なり  品詞名 基本形 活用形 文法的意味。

 

五 口語訳

 

      百首歌を差し上げたときに、詠んだ(歌)

 

  私の恋は、松をしぐれが紅葉させることができないように(あの人の心をかえることも

  できずに)、葛の生えている原に風が騒いで(葉の裏を見せるその「うらみ」ではない

  が、恨みの心が騒いで)いるようだ。

 

構成

 

 松(恋人)

  ↑     紅葉させられない(恋するようにさせられない)

 しぐれ(作者)

 

 主題 真葛が原の風=恋の恨み

 

 

 

 

 

 

1030  解答

一 1 じえん 2 まくずがはら

二 1 接尾ナ下二 1 (しつづけることが)できない 

2(こらえることが)できない

三 1 恋人 2 作者 3 恋の恨み

四 1 助動なり止なり推定

 

         

 

 

 

 

 

 

 

 

 

語釈

 

                                                     

A  百首歌の中に、忍ぶる恋                                  A式子内親王

 

 

1034 玉の緒よ1絶えなば絶えねながらへば2忍ぶることの弱りも2する(巻十一  恋歌一)

 

 

(注)@百首歌  いつの百首歌かは不明。A式子内親王  ?〜一二0一。後白河天皇の皇

女。

 

  次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

      式子内親王          玉の緒

 

  次の1・2の語の意味を辞書で調べよ。

 

      玉の緒

 

      ながらふ

 

  傍線部1・2の問いに答えよ。

 

      反対の意味の語を抜き出せ。

 

      どういう意味か。

 

          1・2の文法事項と修辞法A〜Cに答えよ。

 

      「絶えなば絶えね」を品詞分解 口語訳

 

      結びの語と活用形を答えよ。

 

      「緒」と「絶え」・「ながら」・「弱り」の修辞法。

 

      何句切れか。

 

      「する」の修辞法。

 

五 口語訳

 

        百首歌の中に、忍ぶ恋(という題を詠んだ歌)

 

    (私の)命よ。絶えてしまうなら絶えてしまえ。(このまま)生きながらえていると

    (心の中で恋の気持ちを人に知られないように)忍び秘めていることが弱くなってし

    まう(といけないから)。

 

構成

 

 死ぬ

 ≦

 人に秘める

 

主題 こらえきれない恋の思い

 

 

1034  解答

一 1 しょくしないしんおう 2 たまのお

二 1 命。 2 生きながらえる。

三 1 ながらへ 2 恋の気持を人に知られないように秘め偲ぶこと。

四 1 絶え動絶ゆ用ヤ下二 な助動ぬ未完了 ば接助 絶え動絶ゆ用ヤ下二 

ね助動ぬ命完了 絶えてしまうなら絶えてしまえ

  2 する動す体サ変

  A 縁語 B 初句切れ C 連体止め

 

語釈

 

 和歌どころの歌合わせに「関路の秋風」といふことを   @摂政太政大臣

 

1599 1住ま1A不破の関屋のB板びさし荒れにしのちはただ秋の風

 

(注)@摂政太政大臣 藤原良経のこと。A不破の関 今の岐阜県不破郡関ケ原町。「関屋」は関の番小屋。B板びさし 板でつくった粗末なひさし。

 

一 次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

 1 関路  2 摂政太政大臣 3 不破の関屋

 

二 次の語の意味を辞書で調べよ。

 

 1 関路

 

 2 関屋

 

三 傍線部1の問いに答えよ。

 

 1 誰のことか。

 

四 二重傍線部1の文法問題と 修辞法Aに答えよ。

 

 1 品詞名 基本形 活用形 文法的意味

 

 A 「風」

 

五 口語訳

 

 人が住まなくなった不破の関の番小屋の板で作った廂は荒れていて秋風が吹いている。

 

構成

 

 不破の関屋 荒れる あきかぜ

 

 主題 うらぶれた番小屋

 

 

 

 

 

1599  解答

一 1 せきじ 2 せっしょうだじょうだいじん 3 ふわのせきや

二 1 関署へ通じる道。 2 関所の番小屋。関守の住む家。

三 1 関守。

四 1 助動ず体打 A 体言止め。

 

語釈

 

  題知らず                                                 @ 西行法師

 

 

1617 吉野山やがていでじと思ふ身を1花散りなばと2や待つらむ(巻十七  雑歌中)

 

 

 

(注)@西行法師  一一一八〜一一九0。俗名佐藤義清。家集に『山家集』がある。

 

  次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

      西行法師

 

  次の語の意味を辞書で調べよ。

 

      やがて

 

  傍線部1・2の問いに答えよ。

 

      誰のどのような気持ちか。

 

     意味を説明せよ。

 

   二重線部1の文法事項と修辞法Aの問に答えよ。

 

      結びの語と活用形を答えよ。

 

      「らむ」の修辞法。

 

五 口語訳

 

        題を知らない

 

    吉野山を(桜の花見に入って)そのまま(こもってしまって)出るまいと思っている

    (この私の)身を、花が散ってしまったならば(山から帰ってくるだろう)と人は(

    (私を今)待っているだろうか。

 

 

構成

 

 吉野山 西行―花見=そのまま隠遁

      ↑

     知人―花が散ったら帰るだろうと待つ

 

 主題 隠遁に動揺

 

 

 

 

1617  解答

一 1 さいぎょうほうし

二 1 そのまま。

三 1 人(知人)の西行を待つ気持。

  2 「らむ」現在推量 西行の自分を待つ人(知人)に対する思いやり。

四 1 らむ助動らむ体源氏推量 A 連体止め

 

 

 

 

 

 

 

 

 

語釈

 

@  百首歌よみ侍りけるに                                  A藤原良経

 

1679 ふるさとはB浅茅が末になり果てて1に残れ1人の面影

 

                                                (巻十七  雑歌中)

 

(注)@百首歌  ここでは、一一九一年(建久二)、自邸で催した十題百首。A藤原良経

一一六九〜一二0六。兼実の子。家集に『秋篠月清集』がある。B浅茅が末  浅茅の生い

茂る野末。浅茅は丈の低い茅萱。

 

   次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

       藤原良経           浅茅          面影

 

  次の語の意味を辞書で調べよ。

 

      ふるさと

 

      面影

 

  傍線部1の問いに答えよ。

 

      「月」から何を連想しているか。

 

  二重線部1の文法事項と修辞法Aに答えよ。

 

        文法的意味。

 

      面影  修辞法。

 

五 口語訳

 

      百首歌を詠みましたときに(詠んだ歌)

 

  ふるさとは、浅茅の生い茂る野末になってしまって(すっかりかわってしまったが)、

  月に残っている(懐かしい)人の面影よ。

 

構成

       廃墟

  月   

  =

  顔

 

 主題 昔の人を偲ぶ

 

 

 

 

 

 

1679  解答

一1 ふじわらよしつね 2 あさじ 3 おもかげ

二 1 以前に住んでいた土地。 2 顔つき

三 1 人の面影

四 1 助動り体存続 A 体言止め

 

 

 

 

 

 

 

 

 

語釈

 

                                                         

@  摂政太政大臣家の百首歌合に                                A藤原有家

 

3772 1風わたる浅茅が末の露に1だに宿りも果てぬ宵の稲妻(巻四  秋歌上)

 

 

(注)@摂政太政大臣家の百首歌合  一一九三年(建久四)に藤原良経が主催した六百番

歌合。A藤原有家  一一五五〜一二一六。重家の子。

 

 

  次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

      摂政太政大臣家          藤原有家          浅茅

 

  次の語の意味を辞書で調べよ。

 

      浅茅

 

  傍線部1〜3の問いに答えよ。

 

      「風わたる浅茅が末の露」とはどのような性質をもったものか。

 

      「宿りもはてぬ」とはどのような意味か。

 

      「宵の稲妻」とはどのような性質をもったものか。 

 

四 二重線部 1の文法事項と修辞法A・Bに答えよ。

 

      「だに」の文法的意味を答えよ。

 

      「稲妻」と「宿り」・「宵」の修辞法。

 

      「稲妻」の修辞法。

 

五 口語訳

 

        摂政太政大臣家の百首歌合に(詠んだ歌)

 

    風が吹きわたっていく丈の低いちがやの(葉)先の(すぐ落ちる一瞬の)露にさえも

    (きらめいて光がうつるかうつらないか)うつりもしない(で、瞬間的に消えてしま

    う)宵の稲妻よ。

 

構成

 

  露 =本来はかない 葉先の露=風の中で一層はかない

  ≧  はかなさ

  稲妻=一瞬に消える

 

  主題 露に映し出される一瞬の美

 

 

 

 

 

 

3772  解答

一 1 せっしょうだじょうだいじんのいえ 2 ふじわらのありいえ 3 あさぢ

二 1 丈の低い茅。

三 1 ほんの一瞬しかとどまることのできない性質。2 映りきりもしない。

  3 露以上にはかなく一瞬に消えてしまうもの。

四 1 副助 サエ 軽いもの(露)をあげてより重いもの(稲妻)を類推させる。

  A 縁語 B 体言止め

 

 

 

文学史 歌集 二十巻 約二千首 短歌

 

  成立 1201年 後鳥羽院

 

  内容 撰者 藤原定家 源通具 藤原有家 藤原家隆 藤原雅経 寂連

     分類 整然としている。

     形式・修辞 七語調 倒置法 本歌取り

     歌風 幽玄 余情 夢幻的