(30)二三二 月のいとあかきに
月のいとあかきに1川を渡れば、牛の@歩むままに、2水晶などのわれたるやうに、水のちりたるこそをかしけれ。
(注)@歩むままに 歩くのにつれて。
宮の前の祭 中宮御所の前の祭り。A思はぬ兄弟 情愛のない兄弟姉妹。B鞍馬の九折 鞍馬山の幾重にも折れ曲がっている山道。
一 次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。
1 歩む 2 水晶
二 次の語の意味を辞書で調べよ。
1 明かし
三 *と傍線部1、2の問いに答えよ。
*内容の上で三つに分類されるうちのどれか。
1 何で渡るのか。
2 (1)修辞法を記せ。
(2)どんな光景が想像されるか。
四 口語訳
月が大層明るいとときに川を渡ると牛があるくにつれて、水晶が割れるように水が散ったのは趣深い。
構成 月の夜
川を渡る牛車
飛び散る水=割れる水晶
主題 月の光に輝か宇水滴の美
解答
一 1あゆ 2 すいしょう
二 1 あかるい
三 *隋像的章段
1 牛車
2(1)比喩法
(2)水晶が細かく砕け散ったような光。