(22)一六七 近うて遠きもの
語釈
近うて遠きもの。 @宮の前の祭。A思はぬ兄弟、親族の中。B鞍馬の九折といふ道。十二月の晦日、
正月一日のほど。
(注)@宮の前の祭 中宮御所の前の祭り。A思はぬ兄弟 情愛のない兄弟姉妹。B鞍馬の九折 鞍馬山の幾重にも折れ曲がっている山道。
一 次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。
1 同胞 2 鞍馬 3 晦日 4 正月
二 次の語の意味を辞書で調べよ。
1 同胞
2 つづら折り
三 口語訳 近くて遠いもの。中宮御所の前の祭り。情愛のない兄弟姉妹。鞍馬山の幾重にも折れ曲がってい る山道。十二月の晦日と正月一日の間。
構成
近くて遠いもの 解説
1 宮の前の祭 宮仕えの身では、近くでも勝手に見物にでられないから
2 思はぬ兄弟、親族の中 血縁は濃いが心は疎遠だから(兄弟は他人のはじまり)
3 鞍馬の九折といふ道 見えていながらなかなかいきつけないから
4 十二月の晦日、正月一日のほど。 僅か一日で一年が過ぎるので
主題 近くて遠いもの
特色 視覚的に近く、心理的に遠いものである。
(22)一六七 解答
一 1 はらから 2 くらま 3 みそか 4 むつき
二 1兄弟姉妹。 2 幾度も曲がりくねった坂道