(9)鶉 第一二十三段

 

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語釈

 

昔、男ありけり。@深草に住みける女を、やうやう飽きがたにや思ひけむ、かかる歌をよみけり。

 

  ア 年を経てすみこし里をいでて1いなばいとど深草野とやなりなむ

 

女返し、

 

  イ 野とならbうづらとなりて1鳴きをらむかりに2だにやは2は来ざらむ

    三句切れ 掛詞 かり/狩り 仮

 

とよめりけるにめでて、3ゆかむと思ふ心なくなりにけり

 

(注)@深草 京都市伏見区北部の地。

 

一 次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

  1 深草 2 経て 3 出で 4 鶉

 

二 次の語の意味を辞書で調べよ。

 

1 飽く

 

2 里

 

3 めづ

 

三 登場人物を抜き出せ。また、傍線部1〜3の問いに答えよ。

 

1 主語を記せ。

 

2 誰のことか。

 

3 なぜか。

 

四 二重線部 1・2の文法問題に答えよ。

1 基本形 活用の種類 活用形

2 文法的に説明せよ。

 

五 口語訳

 

昔男がいた。深草に住んでいた女を全然飽きた気持ちになっていたので、こういう歌を詠んだ。

 

  長年住んできた人を出て行ったならこの深草は(名の通り)草深い野となるだろう。

 

女の返しの歌

 

  深い野にいたなら(私は)鶉になって鳴いているよ。仮にならせめて狩りにだけでも来ないことはないだろうか。

 

と詠んだのに感心して、行こうと思う心はなくなってしまった。

 

構成

 

深草

時 場所

飽きた         →

歌ア 出て行く     →

 

行かない        →

住む

 

←歌イ 鶉になって鳴いている

 

 

 

 

 

 

 

主題 従順な女の純愛

 

 

 

(9)鶉 第一二十三段  解答

 

登場人物 男 女

 

一 1 ふかくさ 2 へ 3 い 4 うずあ

 

二 1 飽きる 2 人里 3 感心する

 

三 1 女 2 男 3 女が従順で優しかったから

 

四 1 動ナ変いぬ未

 

  2 副助 最小限の限定 せめて・・・だけでも