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  (2)田舎の児、桜の散るを見て泣くこと 巻一の一三

語釈

               

 これも今は昔、田舎の児の児の比叡の山へ登りたりけるが桜のめでたく咲きたりけるに風の激しく1吹き

 

るを1てこの児 2さめざめと泣きけるを3て、僧のやはら寄、て「などかうは泣かせたまふぞ。4この

 

の散るを惜しうおぼえさせたまふか。桜ははかなきものにて、かく程なくうつろひさぶらふなり。されども、

 

さのみぞさぶらふ。」と5なぐさめければ、6「桜の散らむは、あながちにいかがせむ、くるしからず。わが

 

父の作りたる麦の花7散りて、実の入らざらむ、思ふがわびしき。」と言ひて、さくりあげて、「よよ。」と

 

泣きければ、9うたてしやな

 

(注)@うたてしやな 通念にあわないでしっくりしない気持ち。

 

一 次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。

 

    1 児    2 比叡の山  3 惜しう  4 入らざらむ

 

二 次の語の意味を辞書で調べよ。

 

    1 めでたし

   

  2 さめざめと

 

  3 やはら

   

  4 おぼゆ

   

  5 わびし

   

  5 よよ

 

  6 さくりあぐ

 

三 登場人物を抜き出せ。また、傍線部1〜9と6「 」の問いに答えよ。

 

  登場人物

 

    1 主語を記せ。 

    

  2 風の吹くのを見て泣く児は、この後麦の花の話をしてどうするか、抜き出せ。

 

  3 主語を記せ。

   

  4  指示内容を記せ。

   

  5 (1)主語を記せ。

 

    (2)このきっかけはなにか。    

   

  6「  」 この発言から児はどのような階層の出身と想定されるか。

   

  7     主語を記せ。

   

  8     主語を記せ。

   

  9  (1)だれの感想か記せ。

 

        (2)注@の「通念」はここではどのようなことか。

 

      (3)どういうことに対しての感想か。

 

        (4)述べた人のどのような気持ちが感じられるか。

四 二重線部1の文法問題に答えよ。  1 活用の種類 基本形 活用形

 

五 口語訳

 

 これも今では昔のことになってしまったが、、田舎の児が比叡の山に登っていたが、桜が素晴らしく咲いていた時に、風が激しく吹いたのを見て、この児が涙をしきりに流して泣き続ける様を見て、僧がそっと寄って、「どうしてそうお泣きなさるのだ。この花が散るのを惜しくお思いになさるのか。桜ははかないものでこのように間もなく散りますものだ。しかし、ただそれだけのことです。となぐさめたところ「桜の散るのは、いちがいにどうしようもない。つらくない。私の父がつくった麦の花が散って実が入らないことを思うのがつらい。」と言ってしゃくり上げて「おい、おい。」と泣いたので、嘆かわしい。

 

構成

 

 

 

風が吹くのを見て泣く

 

 

 

 

(泣く理由)麦の花が散って実らない

 

現実的

 

 

 

 

 

田舎の児

←慰める

(泣く理由)桜が散るのを惜しむ

 

 

 

風流心

 

 

 

 

 

 

 

 

 僧

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

主題 田舎の稚児の無風流さ

 

 

 

 

 

(2)田舎の児、桜の散るを見て泣くこと 巻一の一三  解答

 

一 1 ちご 2 ひえ 3 お 4 い

 

二 1大変すばらしい 2 しきりに涙を流すこと 3 そっと 4 自然と思う

  5 やるせなくてつらい 6 しゃくりあげる

 

三 1 田舎の稚児 2 僧

  2 さくりあげて、「よよ」と泣き 3 僧 4 桜 5 (1)僧 (2)稚児が桜

  の下で風が吹くのを見て泣いたので 6 農民 7 麦の花 8 (1)作者 (2)通念=一般医京津  した考え ここ=桜が散るのは惜しいと感じる心 (4)僧の通念と稚児の思っていたことがくいちがっ  たおかしさ 

四 1 マ上一見る用