練習しないで、ブラインドタッチ
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パソコンの初心者にとっては、キーボードに慣れることが最初の難関である。
キーボードに慣れるためには、ブラインドタッチを覚えることが望ましい。
最近はその練習用ための優れたソフトが色々と売られている。 それを買って
練習するのもよいが、練習でなく、Eメールを書いたり、作文を作ったり、
実用的な文章を書きながら慣れるのが一番いいと思う。
ブラインドタッチとは、パソコンやワープロのキーボードを見ないで字を
入力することである。 まず指をホームポジションという定位置、すわち決ま
ったアルファベットのキーの上に置く。 そして個々の文字は、それぞれその
文字に決まった指で打ち、指はすぐに定位置に戻しておく。
目はキーボードではなく、ディスプレーを見ているので、文字が正しく入力
されているか、正しく漢字変換がされているかを、常時チェックできる。
間違った入力や間違った漢字変換がされた場合は、すぐに見つかるので
すぐに直せる。
キーボードを見て指先で打つのでは、いくら注意していても間違った箇所
が必ずでてきて、後から全部チェックしても見落とすことがよくある。
最初はキーボードを見ながら、人指し指だけを使って自由に打つ方が速い
かもしれないが、それでは何時までたってもそれ以上は上達しない。
入力が遅ければパソコンの面白さも半減する。
このブラインドタッチを私が自己流でマスターしてかなり経つ。 マスター
したと云ってもプロから見れば全然遅いし、しかもよく間違える。 しかし
間違えたときはディスプレー上ですぐ分るし、指の位置の感じでも気が付く
ようになっってきた。
実は私は、前にタイプの教則本を買ってきて、それに従って暫く単調な練習
を続けたことがあった。 しかし、いくらやっても何も残らないので、結局は
断念した経験がある。
その点、今は興味深く練習させてくれるソフトが売られているので練習が
楽しくできるようになってきている。 しかし、そのソフトを使うためには、
結局は練習は必要である。
私は、「超整理法」で有名な野口悠紀雄さんの「パソコン超仕事術」に書い
てある方法に従った。 その本には、そんな練習は不要と云っている。
それにはこう書いてある。
「初めはキーボードを見ながらでいいから、ホームポジションという定位置
に指を置いて、全てのキーはそのキーに決まった指でのみ打つようにし、
必ず定位置に指を戻しておく。」
キーボードを見ながらでいいのなら、最初に覚えることは何もないので、
これなら簡単にできる。 そうしてうちに、自然にキーの位置や指の動かし方
が頭に入ってきて、そのうち指も覚えてくる。 打つ字の方も、単調な字の
繰り返しでなく、自分が作成する文章であるので退屈になることはない。
ただそれだけでは、目標があまりにも広いので、覚えるのに効率が悪い。
そこで、練習していく過程でさらに注意した方がいいと思う点を列記しておく。
勿論キーの配列は、タイプライターの昔からのQWERTY方式であり、
日本語の入力はローマ字変換方式とする。
1) 指をホームポジションに置くといっても、最初は指を少し手前において、
キーの端に置いて、キーのアルファベットが見える位置に置いた方がいい
かもしれない。 その場合、指で見えなくなるキーで、実際によく使うキー
は、”Z”くらいであり、そう不便は感じない筈である。
2) ブラインドタッチでは小指で打つキーもあり、小指は使いにくいので
先に覚える。 特に”A”は打つ頻度が非常に高く、それを一番不器用
な左小指で打つので、最初はこれに集中して、このキーだけはキーボード
を見ないで打つようにする。(これが1字づつ覚えていく最初である。
キーボードを見ながら打つときは、易しい位置のキーは慣れなくても
すぐ打てるので、打つ頻度が高く、難しい字から先に慣れていく。)
3) 次はやはり打つ頻度が非常に高い ”O”を、見ないで右薬指で打つこと
である。 薬指も使いにくいので、間違いなく打つようにする。
4)定位置の”S”は、”A”の隣として覚え、意識して左薬指で打つ。
5) 定位置の”K”も打つ頻度が高く、右手で打つキーは殆どこの右中指
を中心として動くので、位置関係に注意する。
6) 一番見えにくい位置にある”Z”も打つ割りに頻度が高いので、その次
くらいに覚える。
7) 右小指上の”P”は、打つ頻度は高くないが、打ちにくいキーなので
右小指上と意識して打つ。
8)定位置の”D"、”F"、”J"、”L”は、見えているので慣れるのにそう
苦労しないであろう。 ゛L”は、ア行の小文字を打つときに使う。
9) 定位置から上の”E”、”R”、”U”、”I”は、見えるのでやはり
打ちやすい。
10)ブラインドタッチでは、両方の人差し指で打つキーが圧倒的に多い。
中でも”N”は頻度が非常に高いので、右人差し指の定位置から左手前に
引くようにして打つ。 ブラインドタッチでは、定位置から左上、右下を
結ぶ斜めの線に沿って指を動かすのが基本であり、人差し指以外はその
動きしかない。 ”N”は、その線から外れるので意外にやりにくい。
11)左人差し指で打つ”T”は、”N”と同じような位置関係にあり、
打ちにくいが、 右上方に伸ばすようにして打つ。
12) 人差し指以外の指は上下3キーづつ受け持つが、人差し指だけは上と
、さらに内側の線の合計6キーを受け持つ。 まず、”G”と”H”は、
人差し指を定位置から1字だけ内側に伸ばして打てばいい。
13) 上段の”T”と”U”、下段の”V”と”N”は、人差し指の定位置
から上下にずらして打てばいい。
14) 両方の人差し指にとって最も難しいのは、左の”B”と右の”Y”で
ある。 この2つの字は、定位置から上下に動かす線の方向が少し左上、
右下に傾いているので、左上のさらに左、右下のさらに右と、指としては
さらにもう1つ外側(キーボードとしては内側)にある。
初めは、指を一旦この線に沿って”V”や”U”へ動かしてから、さらに
隣の”B”や”Y”へ移るとよい。 慣れれば、定位置から直接行けるよう
になる。 (上段の”T”と”U”、下段の”V”と”N”に、同時に左右の人差し指
を動かすと、その両指の間にはキーが全くないように感じられるが、実際
には”Y”と”B”というキーがある。 それほど”Y”と”B”は遠く感じられる。)
15) 字と同じようによく打つキーとして、句読点がある。
右の人差し
指を心持ち右に引き下げて打つと”M”になり、同様に右の中指を使うと”、
”、” (コンマ)が、右の薬指を使うと”。”(丸)または”.” (ピリオド)が
打てる。
16) 助詞の「を」は頻繁に使われるが、2つのキー”WO”と打つので、
”W”と”O”をセットとして打つことを覚える。 ともに左右の薬指で
上段の端から2番目のキーを打つので、対称的に覚えやすい。
17) 助詞の「は」と「へ」は、同じように”HA”、”HE”と打つが、これは特に
問題はないだろう。 ”
18) その他のキーは、定位置で、または基本的な指の動かし方の線に沿っ
て動かして 打てばいい。 ただ更に1つだけ慣れたらいいと思うのは、
「おう」と続く時に、 間に”I”のキーを挟んで意外に打ちにくい”OU”
の打ち方である。
英文タイプライターしかなかった昔は、それを使う人は限られており、ブライ
ンドタッチも英文を書く専門家だけが使い慣れてていれば良かった。
昔の日本語のタイプライターは、一々漢字の印字を拾って1字づつ打つ非常
に効率の悪い器械だったので、よほど重要な文書でないと使われなかった。
そこに、かな漢字変換のワープロが登場して、誰でも容易に綺麗な日本語の
文章が打てるようになった。 人差し指だけで、また全部の指を使って勝手に
打つこともできるし、それでも慣れれば結構速く打つこともできる。 しかし、
理想はブラインドタッチであり、これを身につければ、単に打つのが速くなる
だけでなく、間違いを減らすことができるようになる。 一番大事なことは、
ブラインドタッチが、もはや特殊な人々だけが習熟する特別なものでないと
いうことである。 その気にさえなれば誰でも習得でき、それを身につけて
おけば、これからマルチメディアの時代に絶対に有利になれる。
追記
19) 慣れてきたら、今度は本格的にキーボードを見ないで、ディスプレー
だけを見るようにする。 ある程度ブラインドタッチに慣れてきて、キーボード
を速く打てるようになってからは、こうしないとそれ以上進歩しないからである。
20) これまでは、一つ一つのキーの打ち方の練習だが、次に仮名を構成
する子音と母 音の組み合わせを覚えるようにする。 これができるように
なると、初めて日本語の仮名の打ち方を覚えたことになる。
21) 続いて、「から」とか、「でも」、「ように」といった、よく使われる仮名の組み
合わせの打ち方を覚える。
22) さらに進むと、もっと長く、よく出てくる慣用句は指が覚えて、考えなくても
自然に打てるようになる。 例えば、「と考えられる」は 「R」を使う字が続く
ので覚えやすい。
23) どの時点でもいいから、数字および「ー」の打ち方を練習を始める。
各指のホームポジションの上方にある数字のキーを、ホームポジションを
そのまま平行移動して指で打つようにするとよい。
例えば、「1」は
左小指、「0」は右小指、「−」は右小指をさらに右に張り出して打つ。
(ただし、これは文章の中で時々数字が出てくる場合であって、別に数字キー
があって、伝票のように数字ばかりを打ち続ける場合は、数字キーを使った
方がよい。)
24) 数字キーが別にある場合でも、「ー」キーだけは、「キー」のよう
にカタカナ語によく使われるので慣れておくとよい。
各指のホーム
ポジションからそのまま上 方へシフトしたとき、右小指は「0」(ゼロ)
の位置に来るので、それを一つ右にず らす感じで、右小指から直接行く
としたら真上より本の少し右である。(逆に、真
上よりほんの少し左が
数字の「0」である。)
以上
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