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1.色々と各社のカタログを調べた結果、高倍率を必要とするバードウォッチング用の
デジカメとしては、現時点ではオリンパスのCAMEDIA C−700 Ultra Zoom
(およびその後継機種CAMEDIA C−720、なおこの機種については後述
する。)がずば抜けて適している。
画素数は211万画素しかないが、それで十分であり、重量も310gと軽い。
高倍率は、実際には光学ズームの倍率の2乗X画素数で比較されるが、光学
ズーム10倍というのは他になく、画素数がちょっとくらい大きくても追いつかない。
(画素が4倍になっても、光学ズームでは2倍相当しかない。)
2.同じオリンパスから画素数やズーム倍率は同じ10倍のCAMEDIA C−2100
Ultra Zoom が出ているが、定価が2倍くらいする。 レンズの見かけの性能は同じ
でも、少し高級なレンズを使っているのと、その他の機能が少し違う。 画素数が同じ
なので、欲張らなくてもいいのではないか。
他社のズーム倍率が高い機種も同じく高価である。
正確に云うと普通の35mmの一眼レフのレンズが使えるキャノンのEOS一眼レフ
デジカメシリーズがあり、画素数もオリンパスの2、3倍あり、そこに10倍ズームを使う
ともっと高性能になるが、値段も重さも大きさも、それぞれ約3倍くらいになり、一般向き
でなく、賢い選択ではないだろう。 後述の通り、一眼レフのデジカメは不要で、、無駄な
出費というのが私の持論である。
3.2002年5月27日の新聞の全面広告で、CAMEDIA C−720 Ultra Zoom
が発表されている。 画素数は300万画素で、光学ズーム8倍である。 拡大能力
では、C−700 とほぼ同じであるが、ズーム倍率8倍までなら、300万画素の方が
有利である。
C−700 200X10X10=20000
C−720 300X8X8 =19200 ほぼ同じ
なおその後C−700とC−720との間で大変なことが分かった。 すなわち両者は
本体とレンズは同じで、をCCDを200万画素から300万画素に変え、ズームの
ストロークを縮めただけらしい。 CCDを大きくすると大きくなり、、寸法が大きくなり、
入射角度が大きくなるので、レンズの限界である再広角部と最望遠部では周辺部の
各収差が許容範囲を超えるので、カットした結果、光学倍率が減っただけのことである。
焦点距離の範囲を狭めることにより誤魔化している。
焦点距離 35mm ズーム F値 F値から見た 35mmからの
mm 換算 倍率 レンズ径mm、A 寸法縮小率、B
C-700 5.9-59.0 38-380 10 2.8-3.5 2.1-16.9 0.15
C-720 6.4-51.2 40-320 8 2.8-3.4 2.3-15.1 0.16
(上記で、A=焦点距離/F値、B=焦点距離/35mm換算の焦点距離、である。 これに
ついては、後で述べる。)
以上から、C-720の性能の範囲ははC−700の性能の範囲に含まれることが分かる。
オリンパスは、今後生産をC−720に絞るらしく、もう新しい総合カタログにはC−700は
載っていない。 1ヶ月前にはC−720が載ってのっていなかったので、両者載っている
総合カタログはない。 両者のカタログを比較すると、このことがよりはっきりする。
これをみると、C−720はC−700のレンズの径を全部使っていない。(15.1は16.9より
かなり小さい。) また広角時は、16.9mmあるレンズの径の内、2.1か2.3mmしか使って
いない。
4.両機種ともファインダーは、8〜10倍というズーム倍率に対応できる光学式ファインダー
は技術的、価格的に無理である。 だから光学式ではなく、液晶モニターを覗くもので、
その画素数は液晶モニターと全くj同じ114,000画素であった。 つまり液晶モニターを見て
いるのと何ら変わらない。
実際に覗いてみると、電源が入っているときしか見れないのは勿論だが、かなり粗い。
ピントの確認には役に立たない。 シャッター速度優先、絞り優先の機能があるが、
焦点深度の確認や焦点調整は無理である。 この点は、普通の一眼レフに叶わない。
このファインダーは、液晶モニターに光が当たって見にくい時に、ファインダーを覗けば写る
範囲が分かるくらいしか意味がない。 ビデオカメラのファインダーくらいの鮮明さは欲しい。
5.上記3項で述べたA値の計算式は、一般に知られている。 その結果を見ると、両機種とも
広角時はレンズの中心部の2mm一寸しか使っていない。 つまりズームなしのデジカメの
レンズが小さいのと同じ理由である。
もう一つ分かったことは、ズームレンズのような複雑な設計で、似たようなレンズを別々に
設計製作をすることは考えられず、両機種が全く同じレンズを使っていると考えられる。
そうすれば、最大望遠時に新機種のC−720は、C−700よりレンズ径が小さいこと、
すなわち、C−720はレンズの全径を使っていないということになる。 16.9-15.1=1.8mm
だけ無駄に大きなレンズを使っていることになる。 重さにすると、長さは関係ないとして、
16.9/15.1の二乗=1.25、すなわち25%だけ無駄に重いことになる。 ただし、カメラ全体の
重さに比べれば無視できる。
6.上記3項で述べたB値は、どれくらい小さなCCD(Charge
Connecting Device,電荷結合
素子、普通のカメラのフィルムに当たる)を使っているかを示す。 デジカメは、小さいパソコン
を内臓しているが、それがいかに高性能でも実際に光が当たるCCDの性能がよくないと、
デジカメの性能がよくならない。 これをいかに小さく出来るかが、デジカメのレンズを小さく
出来るかの鍵となる。 ズーム付きでなければ、レンズは2〜3mmなので、殆ど問題になら
ないが、光学ズームが高倍率になると、CCDの大きさの影響が大きくなる。
さてオリンパスのC−700とC−720は、ともに縮小率が、他社のカメラに比べてかなり
小さいのである。 特にC−720は、画素数が200万画素から300万画素に増えているにも
拘らず、C−700に比べて1%以下しか大きくなっていない。 C−720はかなり高性能の
CCDを使っていることになる。
因みに他社の機種のB値をを見ると、下記のとおりである。
ソニーP−7、71 300万画素 B=0.21
ソニーP−9 400万画素
0.21(300万画素換算でも0.18にしかならない。)
富士 F601、4500 300万画素 0.23
キャノンS40 300万画素 0.20
ニコン 885 300万画素
0.21
なお200万画素では、B値は小さくなるが、画素数が小さいから当然であり、オリンパスの
C−700と同じ 0.15程度のものが多い。
追記)それとは別に、私が最近気が付いた高画素のデジカメの利点は、バードウオッチングなど
で、ズームレンズを望遠一杯にしても倍率が不足の時に、デジタルズームを利用することである。
画素に余裕があるときに、画質を落とさずにズームの倍率を上げられる。 400万画素のカメラで
100万画素で撮っているとき、デジタルズームを使うと、400/100=4 で、ルート4=2 で、
一般の3倍ズームなら 3X2=6倍ズームになる。 10〜12倍ズーム機が発売されているが、
6倍でもかなり大きな倍率である。
これまでデジタルズームはあまり意味ないと考えていたが、これはかなり有効である。
ただし、メーカーのカタログに載っているデジタルズームの倍率は、30万画素というVGA版の
メールとか、ホームページ用の小さい画素数の、画質は良くないサイズをベースにしているので、
その積りで。
以上
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