電流伝送方式

USB DAC
Try する



・遅ればせながらTryする。

・そのためには、パソコンとのUSBでのオーディオデータ転送を制御し、データを受け取り、さらにジッタを排除してこれをI2S等のデータフォーマットに変換するデジタルオーディオインターフェースが必要だが、その自作はまず困難なので、ここはエレクトロアートさんのUSB DUAL AUDIO基板を使う。

USB DUAL AUDIO基板には標準版とDoP版があるが、近頃多少広がってきたDSD over PCMによるDSDネイティブ再生に対応するDoP版でいく。

DSDネイティブ再生は、エレクトロアートさんの独自のバルク伝送方式と再生ソフト“PlayAudio”で従前から実現されていたのだが、ここにきてUSBオーディオクラス方式でのDSDネイティブ再生の新しい規格としてDoP(DSD over PCM)が海外で策定され、対応する再生ソフトも増えるなど、徐々に広がりつつある。

DoPによるDSDネイティブ再生のためには、再生ソフト側と、USBオーディオクラス2.0に対応するハード側の双方がその規格に対応している必要があるのだが、USB DUAL AUDIO基板(DoP版)はこれに対応している。し、従来からのバルク伝送方式と再生ソフト“PlayAudio”によるDSDネイティブ再生も可能だ。

・と言うわけで、これでPCMだけではなくDSDにも対応するUSB D/Aコンバーターを拵えてみようという魂胆。

・なのだが、果たして上手く行くか。
・USB DUAL AUDIO基板からはPCMモードではI2Sフォーマットで、DSDモードではDSDフォーマットでシリアルオーディオデータが出力されるので、これらをD/A変換するDAC  ICにはその両方に対応するバーブラウンのDSD1794Aを使う。

・これはDSDフォーマットの処理機能も加えたPCM1794AといったDAC  ICで、アナログ出力部のピン配置やバイポーラゼロ電流、デジタル入力コード対出力電流特性などはPCM1794Aと全く同じである。よって、K式DAC製作の場合とほとんど同じ感覚でDAC基板を拵えることが出来る。

・回路は電源の3.3Vレギュレータを除いてこう

・要するにエレクトロアートさんのDSD1794Aデジタルドメイン基板の回路である。であれば、そのデジタルドメイン基板を使用して組めば良いのだが、残念ながら吹けば飛んでしまう砂粒のような表面実装部品の半田づけの技量が身に付かない。ので、このようにピッチ変換基板等を活用してK式的に組んでみた。
・結果、裏側はこんなスパゲッティ配線になる。

・果たしてこれで上手く動くか。
・DSD1794AがD/A変換して出力する信号電流は、No−220型のローパスフィルター&レベルコントローラー付きDSCでアナログ処理して、電流伝送方式USB DACとして仕上げる。

・回路は下図の通り。

・手持ちの都合等でオリジナルNo−220とは定数設定に一部違いがある。

・一段目のローパスフィルターのfc≒110kHz、2段目のローパスフィルターのfc≒220kHzと我がNo−196DACと同じfc設定である、

・また、レベルコントロールのためのVRを500Ωとしたのは手持ちの都合ではない。我がNo−196DACにおいて既にこれを500Ωで運用しているという実績を踏まえたもの。我がスピーカーシステムの能率がオールホーンシステムよりも良いのか?、それとも、我がリスニングルームが余りにウサギ小屋なのか?(爆)
・次に電源部。

・は、バッテリー電源ではなくAC電源とし、トランスはPHOENIXに発注して右の通り入手。

・下のとおり整流。

・で、USB DUAL AUDIO基板用に+5V、DAC基板用に+3.3Vと+5Vのレギュレータを用意する。

・その回路は下図の通り。

・要すればNo−220のそれに同じ。

・そして、ローパスフィルター&レベルコントローラー付きDSC用の±18Vレギュレータ。

回路は下図の通り。
・ここで突然だが、右はK式御用達のNISSEI APS。

・2012年3月号までは、このコンデンサーのホット指定は右のように見て向かって左側のリード線だったのだが、2012年5月号で突然何の説明もなく向かって右側のリード線に変更されている。

・まっ、都合の良くないことに触れたくないのは誰しも同じだからしょうもあるまい。(爆) なのだが、私は2008年4月号のNo−196の記事写真で左ホットで配置されているのを確認して以来、左をホットとしており、今回も左ホットで組んでしまった後でそれに気づいたのだった。

・ので、改めて過去の記事写真を眺めてみると、やはり2008年頃は左ホットで使われているが、2010年3月号では既に右ホットとなっており、それ以降は2011年1月号で左ホットなのを例外として右ホットで使われている。


・ので、この世は全て自灯明。オシロによる外部誘導法でどちらがホットかを検査してみた。ら、ばらばらではないか。要するにNISSEI APSはフィルムの巻き方向と形番等印刷面は管理されていないという結果なのだった。よって、このコンデンサーのホット指定は意味がないのでは?

・では、いちいち一個ずつホットを検査して使用するべきか。なのだが、まぁ、どちらかで統一すれば半分は当たる。ので、それで良いか。(爆)


・なお、これは我が僅かなサンプルによる結果に過ぎない。ので、信じてはいけない。
・次にケース加工。

・は、毎度のことながら疲れる。

・ケースはタカチOS70−32−33BX。
・後は基板その他をケース内に配置して、レギュレータ―の出力電圧を確認するなど、所要の確認、調整作業をしながらケーブルの結線をすれば終了。

・果たして上手く音が出るか。
   
・一発で音がでた。(^^)

・左のサンプリング周波数インジケーターLEDもレベルメーターLEDも問題なく動作。

DoP版USB DUAL AUDIO基板は録音機能を有していないので、レベルメーターLEDは不必要な機能なのだが、まぁこの場合枯れ木も山の賑わい。(爆)
・となれば、早速、音を聴く。
・良い。

・DSDネイティブもPCMも良い。

・ホールで実際に聴いているような、生っぽい音と、三次元的音像感。

・勿論、ウサギ小屋でちゃちなスピーカーで聴いているのだから生演奏を聴いているのと全く同じではないし、同じ筈もない。

・が、まるでそうであるような錯覚を覚える音。とでも言おうか。



2012年7月24日







DSDのアナログCRフィルタによるDA変換?



・えふさんがやっておられるので、私もやってみた。

・DSD信号を直接アナログCRフィルターのみでDA変換してしまう手法。

バッテリー電源で動作させた、エレクトロアートさんのUSB AUDIO基板が出力するDSDフォーマットのDSD信号を、スケルトン56Ω+SE33000pFのfc≒86kHz、6dB/octの一次ローパスフィルターのみでDA変換し、我がNo−217(もどき)プリのAUX入力に入れる。

・と、な〜んと、ちゃんと音が出た。(爆)

・こんなものでDSD信号がDA変換できて音がちゃんと聴こえてしまって良いのか・・・。


・なのだが、私の環境では、このままではまだちょっと問題もある。

・まず、ちょっと音量が小さい。

・また、当然のことだろうが、ノイズが取りきれない。

・さらに、私の電流伝送方式USB DACのDSD再生の音もこれに比較してそんなに悪くも感じない。

・のだが、実に面白い手法なので、もうちょっと研究してみたい。
・ところで、右は下のとおり、ポール・サイモン“ You’re The One”の88.2kHz 24bit WAVファイルを再生している我がUSB DACである。

・が、サンプリング周波数インジケーターLEDは何故か2.8(=DSD2822400Hz)が光っている。

・のは、別に故障ではなく、下の再生ソフトHQPlayerがWAVファイルをリアルタイムでDSD変換して、DoPで我がUSB DACに転送しているからである。

・ちょっと前まではこんなことはCDやSACDのプレーヤーメーカーが高級プレーヤーの内部動作でやるぐらいのことだったのだが、今やパソコンと自作USB DACでやれる時代になった。

・ちなみに我がパソコンのCPUはCore i7であるが、これで再生中でもCPU占有率は20%以下で何の問題もなく再生される。

・音もまた実に良い。
・と、DoPが策定されたことにより、DSD→PCMだけでなくPCM→DSDと、デジタルフォーマットを自在に変えて再生できる環境が出来上がった。多分、この流れは今後もっと広がるだろう。

・のだが、右のようにサンプリング周波数インジケーターLEDの5.6(=DSD5644800Hz)が点灯する機会はあまりない。

・まずはそのサンプリングレートの音楽ソフトがない。ので、AudioGateで変換して拵えるぐらいしか手はない。

・また、5644800HzのDoP再生に対応した再生ソフトは、今のところ下のfoobar2000ぐらいのようだ。

・が、これが悪くない。
で、DSD信号のアナログCRフィルターによるDA変換だが。その後、右のようにして聴いている。

・回路は右下の通りで、ローパスフィルターはUSB AUDIO基板への負荷効果も考えて10k+300pFの組み合わせとしたのでfcは53kHzである。

・それに続く2.2uFはDCカット用だが、ローパスフィルターでDA変換したアナログ信号を増幅するために我が“CDラインアンプ兼ヘッドフォンアンプ”を用い、結果その入力の50kΩのボリュームとともにfc=1.45Hzのハイパスフィルターを形成することになる。回路図右側はそのアンプの入力部分を抜き出したものだ。

・後は、CDラインアンプ兼ヘッドフォンアンプの出力を我がNo−217(もどき)プリのAUXに入れ、その後電流伝送チャンネルフィルター、そして我が電流入力パワーIVCを経由してスピーカーを鳴らしているのだが、これで十分な音量が得られる。

結論的には、これでちゃんとDSD信号がDA変換されて、至極まともな音がする。

・これは全く驚きだ。



・が、やはりノイズは皆無ではない。スピーカーで聴いていればそれほど感じないが、ヘッドフォンで聴くとシャー、ピヒャー、グルグルといったノイズが聴こえる。DSD信号の高周波ノイズのビートダウンだろうか。

・が、これだけの音がするなら、もう少し回路を工夫してDAC ICを用いないこの実にアマチュアライクな方法でのDSD USB DACを考えてみたいという気がしてくる。

・例えばここで2.2uFのV2Aはやむを得ず用いている訳だが、ここをFET入力の高入力インピーダンスで受ければより小容量のSEコンに出来るのでさらにレベルアップした音になるだろうし、そのアンプを電流出力にしたらどうだろうかとか、フィルターは1次で良いのか2次の方が良いのか、あるいはフィルターのfcはそもそも何Hzが良いかなどなど。



・さて。
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2012年7月30日







電線病?



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・USB DACを拵えたことから、必然的にUSBケーブルも長短幾つか使うことになり、入れ替えて聴き比べることにもなった。

・私はそういう電線の違いによる音の変化といったことは基本的にオカルト的部分が大きいと思っていたのだが、一方、世には電線病という言葉もあるぐらいで、その病に罹ったオーディオマニアのための超高価なケーブル類が市場を賑わしているという現実もある。ましてや、K式においてもダイエー電線や2497を崇めているのだから、世の電線病もあながち完全否定はできない。

・で、結論としては、私もやや電線病に罹ったのか、PC用に比べたら遥かに高価なUSBケーブルを導入してしまったのだった。(爆)

・まぁ、電線病か否かはともかく、魂の宿り方にかなりの差が生じるのだからやむを得まい。

・なお、写真はケース内部だが、当然PCからケースまでのUSBケーブルも同様に変更した。



2012年9月9日








電線病? 終了



・やや電線病に罹って、さらに重症になったらどうしようかとも案じていた。

・のだが、結局右のオーディオ用と謳ったものでない、遥かに地味で安価なUSBケーブルで、何の不満もない音となった。

・ので、電線病は終了した。(^^)

・と言っても、これもその筋では著名なものであるようだが。(爆)



2012年9月15日








訂正



・我がシステムの電流伝送化が終了し、近頃はやることもなくやる暇もない。ので、音楽を聴くのみ。

・なので、書くこともない。

・よって、上で書いた間違いの訂正だけ。

・上で「5644800HzのDoP再生に対応した再生ソフトは、今のところ下のfoobar2000ぐらいのようだ。」と書いたが、JRiverのMediaCenterもVer17から5644800HzのDoP再生にしっかり対応していた。ので、この点訂正。

・なお、DoPは再生時に曲の切り替わり時にブチッとノイズが出ることがあることが問題とされ、確かに
我が環境においてもJRiverのMediaCenterのVer17ではそうだったが、現行バージョンであるVer18では改良されその問題はなくなっている。

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2013年1月19日







HiFi USB NOISE FILTER



・右のものを入手してみた。

・勿論パソコンの右側に付けた四角い箱だが、FIDELIXのHiFi USB NOISE FILTERである。

・で、効果は?

・とりあえずブラシーボ満載の今時点での評価だが、良いんじゃないかなぁ。

・例えば低音はより太く柔らかくといった感じで一音一音の実在感と品位が大分高まる。

・ような気がする。(爆)

・我が環境では必需品になるかもしれない。



2013年2月23日







Bug Head Emperor



・右のものである。

・WindowsPC用のWAV等の国産フリー(今のところ)再生ソフト。

・大変CPUパワーを食う。

・CPUパワーが足りない場合、CPU性能が十分でない!!と怒られる。(爆)

・ちなみに、我が現用ノートパソコン(Core i7-2630)では、右のBlack×4は限界っぽい。

・問題は音だが、まぁ、興味のある方は試してみると良いかも知れない。
・PCM192kHz24bitのWaltz For DebbyをBlack2×1で再生。

・192kHzの音源なのでアップサンプリングは1倍だが、我がPCのCPUでは右のBlack2でも限界で、曲の途中で“CPU性能が足りない!!”と怒られたりする。

・のだが、この再生音の実在感、生感は素晴らしい。

・この感覚はアナログレコードでカートリッジが今そこで発電した新鮮な音を聴く時の感覚に似ている。のだが、あらゆる要素でそれを凌駕している。
・この場合のCPUの酷使具合はこう。




2013年4月14日