彼岸花
2020年もすでに9月下旬となりましたが、依然新型コロナウイルスに対する警戒が頭の中にモヤモヤとなって居座り、東海自然歩道に戻れなくなっています。静岡県春野町までで歩みが止まってしまい、このままでは2020年は東海開始以来初の一年間の長期休みということになります。次の行程は大井川鉄道の家山駅までと、誠に区切りのいいところなので是非とも冬にならないうちにやっつけてしまいたいと思っているのですがどうなりますことやら。6月に70歳になったのを記念して、以前から気になっていた大腸内視鏡検査をしました。幸い何事もなかったのですが、先生から2週間は運動自粛(ゴルフ、ウォーキング)、禁酒を言い渡され、まるでコロナ患者のような生活を余儀なくされて、脚力がすっかり衰えてしまいました。東海自然歩道に復帰するには連続20キロ位は歩ける体力が必要と自分で決めているので、とりあえずは近所の川沿いで脚力の復活に努めているところです。
9月の下旬になると曼殊沙華(彼岸花)の赤い花が咲きます。千里川の河原にも咲き始めました。中学生の頃、四国の山中を駆け回って蝶々を追いかけていましたが、暑い夏が終わると田んぼの畔に真っ赤な曼殊沙華の花が群落を作って咲きました。赤い花にクロアゲハやヒョウモン蝶がとまっている様は、まさに秋の風物詩でした。この花を東海自然歩道で最初に見たのは2016年の9月、奈良の天理市付近を歩いていた時です。2015年の冬に箕面の政の茶屋から出発して、京都から比叡山を越えて、2016年は山の辺の道を奈良県に入り南に歩いていました。近鉄天理駅から大神(おおみわ)神社に向かい、そこから東に向きを変えて長谷寺を目指すのです。天理の市街から外れて田園地帯に入った道を歩いて行くと、大神神社の鳥居の手前にある田んぼの畔に、一面を真っ赤に染めて彼岸花が群生していました。昆虫採集に熱中していた子供の頃に見た田舎の風景を思い出しました。
1年後の2017年は、曽爾高原を越えて三重県に入り、北上して岐阜県に入った頃秋になり、関が原で彼岸花に出会いました。桜並木の河原の土手が満開の彼岸花で真っ赤になっていました。2017年は精力的に歩いた年で、翌週にも大阪から電車で来て、関が原から美濃赤坂(中山道宿場町)までの平坦な道を赤い彼岸花を見ながら歩きました。2018年は愛知県瀬戸付近で彼岸花に出会う予定でしたが、この年は家の用事で9月の東海自然歩道はお休みしてしまいました。2019年は愛知と静岡の県境あたりで9月になったのですが、日程が合わず花の時期を逃してしまいました。そして2020年はコロナ騒ぎで中断となった訳で、こうしてみるとなかなかうまい具合に毎年彼岸花を見ることは難しいのがよくわかります。来年は東海自然歩道のどのあたりでこの赤い花が見られるのかと想像しながら千里川を歩く今日この頃です。