チェンマイ花祭り その2
2020年2月7日の朝もチェンマイは快晴でした。毎朝、部屋のテレビでNHK国際放送、CNN、BBCを見て新型コロナウィルスに関するニュースをチェックしました。感染は徐々に広まっているようですが、チェンマイに直接関係することは無さそうです。いつものように朝ご飯を食べて、今日も市内を散策する予定です。今日から始まるチェンマイ花祭りは今年で44回目になるそうです。会場は旧市街の南西の角にある市立公園です。ホテルを出て西に歩いて旧市街に入り、路上駐車のバイクや歩道の工事で掘り返して歩きにくくなった道を進んでいくと、歩いている外国人が増えてきました。どうやら公園に向かっているようです。スワン・プラン門という名の旧市街に入る門を曲がると公園はすぐそこです。歩道には蘭や、花の咲く木を盆栽仕立てにした鉢などを売る店がずらっと並んでいました。
公園の中は見事に花が咲き誇っていました。入るとすぐにチューリップの花壇、そこから奥に進むにつれて、花の種類が変わっていきます。もちろん蘭の花もあり、アジサイ、ひまわり、ペチュニア、ユリ、バラ、菊などが一斉に咲き誇っています。朝晩涼しくて、日中は35℃くらいになるこの地方の気候が、その気になればどの季節の花も咲かせられるのかもしれません。見物客でごった返している公園を二廻りして花祭りを堪能しました。昼が近くなってきたので公園を出て、ガイドブックによると近くにあるらしい鳥のバーベキューで有名な店を探しました。スマホで探っていくと20分ほどで見つかりました。「SPチキン」という店で、表で鳥の丸焼きがぐるぐる廻っていました。小さな鳥なので一人で一羽ぐらいはいけそうです。鳥一羽とチャン・ビールを頼みました。鳥は食べやすく切り分けて出てきました。スパイスのきいた照り焼き風で、柔らかい肉がビールと相性抜群でした。腹ごなしにホテルまで歩いて帰りました。午後はホテルの部屋で休養しました。
2月8日は土曜日です。いつものように朝から晴れていました。今日はホテルからは旧市街の反対側にあるショッピングモールへ行ってみました。10時にタクシーで出発、10分ぐらいで到着しました。近代的なショッピングモールで、私には「ああそうですか」という感想しかありませんでした。モールを出て、歩いて花祭りを見に行くことにしました。会場になっている公園は昨日来た時より一層盛り上がっていました。公園の近くは歩行者天国になっていて、花で覆われた山車がずらりと並んでいました。まだパレードまでは間があるようでしたが花を飾り付けた山車が20台以上並んでいました。公園は人出が多く、お祭り気分は最高潮といった雰囲気でした。花壇に咲きそろう花を見て楽しんで会場を後にしました。もうおなじみになった旧市街の道を歩いてホテルまで帰ってきました。午後は部屋で休憩して、夕方、散歩がてらに鉄道のチェンマイ駅まで歩いて行ってみました。この駅はバンコックから北に延びる路線の終点になります。列車でここからバンコックまでは13時間かかるそうです。ホテルを出てピン川を渡り、東に延びる幹線道路を車の排気ガスを吸いながら2キロほど歩いて行くと、やっとのことで駅に着きました。こじんまりとした駅舎に入ると、客車が一編成止まっていました。バンコック行きは一日に5,6本のようです。線路の終点を確かめて駅を出ました。幹線道路の排気ガスを避けて、狭い道を選んで歩いて帰ってきました。晩御飯は居酒屋でビールを飲みながらと思って探してみましたが、どうやらこの日は仏教で決められた「ノーアルコールデイ」らしく、ホテルを含めて、どの店でもビールすら売ってくれないようです。そういえば以前バンコックへのゴルフ旅行の時もそんなことがありました。年に3.4回この禁酒の日があるようです。外食は諦めて、ルームサービスでハンバーガーをとって、アルコールは仏様に内緒で冷蔵庫に入っているビール2本を飲みました。
2月9日は日曜日です。チェンマイ滞在もあと2日になりました。まだ一度も雨が降っていません。連日の市内徘徊でチェンマイ市街はほぼ頭に入りました。そこで、この日は少し郊外に出ることにしました。ガイドブックによると、市街から東に数キロ行くとサンカンペーン地区があって、そこでは輸出用商品(陶器、バッグ、宝石、シルク、綿、革製品、家具、贈答品)を売っていると書いてありました。私にはあまり関係のないものばかりですが、試しに行ってみることにしました。ホテルでタクシーを呼んでもらいました。昨日歩いて行ったチエンマイ駅を過ぎて暫く行って、大きな通りから細い道を少し入ったところに「雑貨村」サンカンペーンはありました。駐車場の横の広場で衣類など様々なものを売っています。そこから更に進むと、左右に様々なものを売る店が並んだ通りが100メートルほどありました。さすがに市内のナイトバザールよりはあか抜けた雰囲気です。途中にバナナの畑があり大きな房がなっていました。道端の店を一通り見て、待ってもらっていたタクシーに乗って帰ってきました。運転手がタイシルクの店を知っているというので、帰る途中に寄ってみました。ここもざっと見ただけで何も買いませんでした。昼ご飯はホテルのイタリアン・レストランに行きました。ブッフェ・スタイルだったので、ここでゆっくりとイタリア料理とワインを楽しみました。
2月10日はチェンマイ滞在最終日になります。随分長い滞在と思っていたのですが、過ぎてしまうとあっという間でした。朝はスモッグで覆われていましたが、全く雨の気配はありません。そろそろマンネリになってきたホテルのブッフェを食べて、9時から旧市街を歩きました。寝仏の寺院に行って、それから近くのお寺を見て、歩いて帰ってきました。昼食は隣のホテルで食べましたが、どうということのない普通のブッフェでした。午後はホテルで休養して、夕方からお土産を探しにピン川の向こうにあるスーパーマーケットへ行きました。昔から外国のお土産はスーパーで買う習慣です。店をぐるぐる廻って、タイ産のチョコレートを見つけたので買いました。夕食は2日前に休みだった居酒屋に行ってみました。チェンマイ最後の夕食なので、北タイの料理を主に注文してチャン・ビールを楽しみました。ナイトバザールの人ごみを通り抜けて、ホテルに帰ったのは午後7時でした。
いよいよ日本に帰る日になりました。2月11日の月曜日もチェンマイは晴れていました。結局滞在中一度も雨は降りませんでした。午前8時半にホテルをチェックアウトして、タクシーで空港に向かいました。1週間以上にわたって歩きまわった街はすっかり目になじんでいます。15分でチェンマイ国際空港に着きました。カウンターで香港ドラゴン航空233便にチェックインしました。飛行機は定刻11時に出発して、香港には14時30分に到着しました。香港国際空港は気のせいか、緊張感がありました。2時間未満の乗り継ぎ時間なので、食堂でラーメンを食べただけで、関空行きの便のゲートまで行ってじっとしていました。キャセイ502便は定刻に出発しました。座席は半分程度埋まっていました。4時間足らずの飛行時間で関西国際空港に着陸しました。いつもなら飛行機を降りるとシャトルに乗って到着ターミナルへ向かうのですが、今回は歩いていきました。どうやら中国、香港からの乗客は他の便の人と動線を別けているようでした。検疫では「湖北省には行っていません。熱はありません」という書類を出して、検温されました。これにパスすると青い紙をくれました。赤い紙もあるようですが、これをもらうと大変なことになるのでしょう。いつもよりは時間がかかりましたが、無事荷物を受け取って到着ロビーに出ました。蛍池行きのバスに乗って、家まで帰りついたのは午後10時すぎでした。
新型コロナウィルスで、行くかどうか随分迷ったのですが、何とか無事に帰って来ることができました。帰ってからは、念のために2週間以上家で大人しくしていました。幸い、体に何の変化もなく過ごし、加害者になることは免れたようです。