東海自然歩道 その58
-平勝寺から寧比曽岳、段戸裏谷まで-
2018年11月20日 (晴れ)
前日の夕方に、ホテル百年草に入りました。足助町の香嵐渓は丁度紅葉の真っ盛りでした。このホテルの食堂はフレンチ・レストランになっていて、この時期は洋食のコース料理しかないとのことでした。たまにはフレンチもいいかと思い、ワインを飲んで料理を楽しみました。20日の朝、午前8時に平勝寺の大杉の前に立ちました。今回は標高1100メートルを超える寧比曽岳から段戸裏谷のキャンプ場までの難コースで、地図上で何度も行程を辿ったところです。標高540メートルからの出発です。装備を整えて歩き始め、林道からすぐに山道に入りました。暫くして林道を横断しました。更にどんどん歩いて行きましたが、なんだか雰囲気に違和感があったのでGPSで確かめてみると、やはり道を間違えていました。幸い200メートルぐらいで済んだので事なきを得ました。東海自然歩道を歩き始めた3年前は、道を間違えて随分時間を無駄にしてがっくり来たものでした。
本線に戻って尾根筋をアップダウンの繰り返しで登って行きました。3.1キロ地点で休憩して水を飲みました。標高は640メートルで、出発から100メートル登ったことになります。更に1時間歩いて金蔵連(ごんぞうれん)峠を通過しました。標高は740メートルになっていました。
出発からここまで1時間で3キロのペースは山道としてはまずまずです。暫く下って行くと林道を交差しました。ここからは筈ヶ岳(985メートル)を目指して登って行きます。急斜面を足元に注意しながら黙々と登って、筈ヶ岳山頂への分かれ道に到達しました。そこで山頂から下りてくる、私よりははるかに若い登山者と出会いました。立ち話で、これから寧比曽岳に向かうことがわかり、「力強い同行者ができた」と密かに喜びました。
私は筈ヶ岳山頂には用はないので、一緒に寧比曽岳に向かって歩き始めました。彼は愛知県の知多半島に住んでいて山に登るのが好きだけど、家の近くには高い山が無いのでこの辺りによく登りに来るそうです。確かに、知多半島や伊良湖岬にはせいぜい丘がある程度でしょう。小さなアップダウンを繰り返しながら山を登って行きました。結構きつい登りと小さな下りを一人で歩くのはつらいけれど、二人で話をしながら歩くと気がまぎれます。「もうすぐ山頂ですか?」「いえ、まだあの山の先です」といった会話を繰り返しながら、1時間ほど歩いた先に、ついに寧比曽岳の頂上(1120メートル)がありました。時刻は12時50分と、ほぼ計画通りでした。一緒に登ってくれた登山者は、一通り山頂付近からの眺望を案内してくれたあと、大多賀峠に向かって降りていきました。平勝寺から11.9キロ、無人になった山頂でパンを頬張って一休みしました。愛知県では最も高い山だそうで、ここのところずっと気になっていた難所をクリアーできそうな充実感が湧いてきました。ここは犬山の善師野で別れていた恵那コースとの合流点でもあります。東海自然歩道完全踏破の為にはもう一度ここに来ることになるのでしょうか。
遅い昼休みの後、段戸裏谷に向かって歩き始めました。クマザサの中を暫く進んでいくと富士見峠に到着しました。ここに東海自然歩道のトイレ小屋があります。富士見といっても、クマザサと灌木で富士山は見えませんでした。ここから本格的な下り坂になり、足元に注意しながら歩いて行きました。山頂から1時間で小休止して、更に進んでいくと道端に初めて見る道標がありました。それには「大阪まで581キロ、東京まで420キロ」と書いてありました。遂に終点が見えた気がしましたが、「?」とも思いました。両方足すと1001キロになり、1700キロとはずいぶん差があります。東海自然歩道には一部に分かれ道があり、現に私が辿った「山の辺の道」は350キロ、1年に及ぶ回り道でした。たぶん恵那コースなどの大小の経路を合わせると1700キロになるのでしょう。ともかく「あと420キロで高尾山だ」と分かってうれしくなりました。
午後3時に林道に入り、段戸裏谷の原生林の中を歩いて行くと、段戸湖がありました。2人の釣り人が腰まで水に入って釣りをしていました。そこから少し行くと豊川市営の野外活動センター「きららの里」に着きました。今夜はここで泊まることになっています。このキャンプ場は11月でクローズ、春までお休みのようで、他には誰も泊り客はいませんでした。本日は19.4キロ歩きました。
(累計964.1キロ/1700)