闘病記 その1
とうとう闘病記を書く羽目になってしまいました。ことの発端は昨年の10月になります。いつもお世話になっているかかりつけのお医者さんに血圧を下げる薬をもらいに行ったときに、「先生、最近足が震えるときがあるんです。」と言ったら、「それは精密検査をした方がいい。」という思いがけない答えが返ってきました。早速大きな病院の脳神経内科に紹介状を書いてもらいました。予約の時間に病院に行くと、混みあっていて、一時間半待たされてやっと順番が来ました。先生に、「右足が震えるときがある。最近ゴルフの調子が悪くて、うまくボールが打てない。」などと思いつくことを並べ立ててみました。先生は私の戯言のような話を真面目に聞きながら、手足を動かしたり、私に室内を歩かせたりして様子を観察していましたが、「とりあえず精密検査をしましょう」ということになり、検査の予約を取ってくれました。検査科目は、MRIとダットスキャンという装置で脳の中を調べるものでした。日を改めて病院へ行って、タイムマシンのようなごつい装置に、体が動かないようにしっかりと縛り付けられて検査を受けました。
11月になって検査結果を聞きに行きました。鮮明に映し出された自分の脳の画像を見ながら説明を受けるのは奇妙な気分でした。先生は、「脳から分泌されるドーパミンという物質の量が少なくなっています。パーキンソン病です。」と言いました。その説明通りになっている脳の画像を見ては納得するしかありません。運動機能が徐々に低下していくという病気だそうですが、それほど進行してはいないようなので、ドーパミンを補う薬を飲んで様子を見るということになりました。
治療法と言っても薬を飲むだけなのです。これに付随して運動療法を併せるようなのですが、これは私の得意分野です。ゴルフ、ウォーキングなど、つまり今まで通りの、積極的に体を動かす生活をするということです。ただ一つ困ったことがあります。先生に、「車の運転は止めてください」と言われたことです。もういつ車の運転をやめてもいい歳にはなっているのですが、「突然ダメ」と言われるとちょっと困ってしまいます。改めて考えてみると、生活習慣の中に車の運転が深く関わっていることがわかります。今まで何も考えずに行っていたゴルフにしても、早朝にゴルフ場に行くにはそれなりの手配が必要になります。とりあえずは友達の車に同乗させてもらうことにします。また、白浜へ行っても買い物などでの移動手段に苦労することになります。
生活面では公共交通機関を利用しての移動となります。最近はネット社会ということで、予約のとり方や切符の買い方も昔とは変わっているので、今風のやり方をマスターする必要があるようです。早速スマホにバス、鉄道、タクシーの予約ができるアプリを入れました。これから頑張って練習します。
旅館 朝乃家 蟹 懐石
手始めにバス旅行で山陰の湯村温泉に行ってみました。遠距離バスの予約サイトで検索すると、家の近くの千里中央から湯村温泉行の便がありました。スマホの小さな文字に苦労しながらも何とか予約完了、当日にバス乗り場に行ってみると、本当に予約したバスがきました。スマホの乗車券の画面を恐るおそる運転手さんに見せると、あっけないぐらい簡単に乗車手続きは完了して、3時間で湯村温泉に到着しました。温泉に入って夜は蟹を食べて、一泊して無事に帰って来ました。次はJR西日本で白浜までの鉄道の予約から乗車までをスマホでやってみようと思います。タクシーアプリの練習もあるし、オチオチ病気だなどとふさぎ込んでいる暇は無いようです。