西国街道を歩く その14(番外編)


          ―――――― 番外編 書写山円教寺 ――――――
          

 ようやく夏の熱波が去って、暦通りの気候に近づいてきました。そこで前回予定していて暑さのため中止となった姫路の名刹、書写山円教寺参りに行ってきました。地図で見ると姫路城から北西にある標高371メートルの書写山にある、天台宗のお寺です。平安時代に創建された円教寺は山全体を敷地にした広大なお寺です。天台宗と言えば比叡山延暦寺が思いおこされます。東海自然歩道を歩いていた時に、京都の大原から峠を越えるとすぐ延暦寺境内となっており、そこから根本中堂までのあまりの広大さにぶったまげたことを思い出しました。創建が平安時代となれば武蔵坊弁慶のような恐ろしい僧兵が書写山にも大勢居たことでしょう。ともあれ、西国33か寺の内の27番札所円教寺は名刹と言っていい大寺院です。
 10月中頃の天気のいい日に一泊で姫路に向かいました。姫路駅からはタクシーで書写山ロープウェイの麓駅まで行きました。5キロぐらいなので歩いて行っても良かったのですが、山の上でどんな坂道が待っているかわからないので、大事を取ってタクシーにしました。

   

   

 ロープウェイは15分毎の運行です。円教寺の伽藍の配置図などを見て待っていると出発の案内がありました。大型のロープウェイは麓と山上駅の標高差200メートル余りを4分で登ります。登っていくにつれて、眼下に姫路の街と瀬戸内海がきれいに見えてきました。ロープウェイを降りると上り坂の道が待ち受けていました。まだ円教寺の山門にも着いていません。
   

   

 登り始めてすぐに鐘撞堂がありました。侍の格好をした外国人が記念写真を撮っていました。スペインから来た人たち5,6人のグループでした。参道の脇にはぽつぽつと仏像が置かれていました。頑張ってきつい登り道を行くと山門に着きました。

   

   
 山門を越えてまだまだ続く山道を登っていくと、「摩尼殿」と額が掛かった大きい建物がありました。中に入って外を見ると、中々の眺めでした。 
   

   

 円教寺の中心部分を、登ったり降ったりを繰り返す山道に翻弄されながら進んで行くと「三つの堂」と呼ばれている場所に出ました。大講堂、食堂、常行堂で、映画「ラストサムライ」にも出てきました。この3つの伽藍を完成するのに500年以上の長い年月がかかったそうです。巨大な総二階建ての建物は迫力のあるたたずまいを醸し出しています。観光客がちらほら歩いている三つの堂でしばらく休憩して、ロープウェイ乗り場までの長い山道を歩いて帰って来ました。初秋の木漏れ日の中を気持ちよく歩きました。
 降りのロープウェイで麓まで帰ってくると、俗世間に戻ってきたような気分になりました。路線バスに乗って姫路駅に戻ってきたのは午後4時頃で、ほぼ予定通りの行程でした。晩御飯は駅前商店街で名物の穴子めしを頂きました。生ビール2杯であっという間に夕食は終わり、ホテルに帰って休みました。明日は西国街道歩きに戻ります。






             


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