2024年を迎えて
今年の正月は自宅で大人しくしていようと思っていたのですが、一人暮らしの老人を気の毒に思ったのか、娘夫婦が元日に泊りに来てくれました。せっかく来てくれるのに何もないのでは気の毒なので、数の子と頂き物の黒豆、ごまめ、すき焼きぐらいでお茶を濁そうと考えました。大晦日は、紅白歌合戦で若者の訳の判らない歌を聴いても仕方がないので、WBC優勝特集を見ていました。元旦の朝はお雑煮を作って食べました。午後からサッカーの試合を見終わって、そろそろ晩御飯のすき焼きの準備をしようとしたときに、能登で大地震が起きました。4時を過ぎたころに、テレビに「緊急地震速報」が流れました。この速報の表示を見ると気持ちがざわつきます。もう29年も前の阪神淡路大震災のことが瞬時に頭の中によみがえり、恐怖感にとらわれます。あの時豊中では震度5+で、家族にケガは無かったものの食器棚のお皿がたくさん割れました。今回の地震は関西地方では震度4だったらしく、グラグラとしばらく揺れが続きました。テレビの続報を見ているとどうやら能登地方が震源のようでした。
お正月気分は吹き飛んでしまいました。更に2夕方になって悲劇に追い打ちをかけるように、羽田空港での衝突事故というとんでもないことが起こりました。ニュース速報の映像を見たときの感想は、「エンジンの火災にしては燃え方がおかしい」ということでした。エンジンには火災に備えて温度センサーが張り巡らされていて、それが高温を検知すると操縦席に表示が出るようになっています。後になって操縦士のコメントを見ると、どうやら火災警報は鳴らなかったようです。エンジン内部の火災ではなく、外側で爆発的に火災が発生したということでしょう。回収されたデータを解析すれば詳しいことは判明すると思いますが、今のところは滑走路上で小型機に大型機が追突したということのようです。乗客の非常脱出が成功したのは幸いでした。
これ以上気分のふさがることもないほどの正月が明けて、普段の生活になりました。気分転換に本屋へ行くことにしました。ここ数年間は電子書籍で本を読んでいたので、本屋へ行くのは久しぶりのことです。ラジオで「大阪の生活史」という本が面白いと聞いたので見てみる気になったのです。本の内容は、大阪の人150人へのインタビューで、それぞれの人の人生を語るものです。筑摩書房刊で1200ページの本です。字が小さくて重たい本ですが、好奇心の方が勝って買ってしまいました。昭和20年ごろからの話は自分自身の子供時代と重なり、田舎の昔の光景が懐かしく思い出されます。重くて字は小さいけれど、当分はこの本で暇がつぶれそうです。