西国街道を歩く その7
― 芦屋川から三宮まで ―
先月は門戸厄神から三宮まで20キロを歩くという無謀な目標を掲げて出発したのですが、猛暑であえ無く半分で断念してしまいました。この夏は8月になっても連日体温超えの高温が続いています。テレビは「熱中症キャンペーン」で、日中外出するのも気が引ける毎日です。ところが八月の後半のある日になって、大阪では奇跡的ともいえる「最高気温33度C、曇り」の予報が出ました。慌てて準備を整えて、午前9時に自宅を飛び出しました。
大阪モノレールから蛍池で阪急に乗り換え、神戸線で芦屋川駅まで一時間かかりました。駅で準備を整えて、芦屋川に沿って下っていきました。六甲山から流れ下ってくる川は普段は水量も少なく大人しい風景ですが、ひとたび豪雨となると濁流となるのでしょう。
芦屋川の業平橋で西国街道と国道2号線に出ます。ここからほぼ西に向かって歩いて行くと、今回の目的地であり西国街道終点の三宮に着くはずです。
午前10時に出発して1時間15分歩いて、神戸市東灘区に入ってきました。曇り空とはいえ蒸し暑く、休憩も兼ねて早めの昼ごはんにしました。蕎麦屋に入って、天ざるをゆっくり食べて30分後に出発しました。この辺りは震災で再開発になったせいか、西国街道の古い道標は一つしか見つけられませんでした。
そろそろ酒どころ灘に近づいてきました。住吉川で都市交通の六甲ライナーの高架をくぐりました。ここから西国街道は国道2号線から離れて、少し南に下って住吉公園に面した道に出ます。その道を西へ行くと阪神電車の御影駅に出ました。
ここからはずっと住宅街を阪神電車の駅に沿って歩いて行きます。御影、石屋川、新在家、大谷駅と進み、時刻は13時になり、出発から9キロ歩きました。どうやら三ノ宮に近づいてきたような、街の雰囲気になりました。天候は曇りでしたが、気温は30度を超えているようでした。
阪神岩屋駅を過ぎればあとは三宮まで一直線です。春日野道の商店街入口に、今までほとんど見えなかった西国街道の道標がありました。妙に新しいので、震災からの再開発の時に作られたのでしょう。
三ノ宮の繁華街のJR駅前に「旧西国街道」の道標と昔の絵図の標識がありました。京都から神戸・三ノ宮までを西国街道とするならば、無事完歩しました。時刻は午後2時で、熱射病になることもなく終わってホッとしました。三宮から阪急電車に乗って自宅に帰り着いたのは午後3時半でした。本日は12キロ歩いて、京都からの総計は86.1キロでした。
西国街道を7回に分けて自宅近くから歩きました。西国街道は京都の東寺近くの羅城門址から始まり、道中では歴史街道と称されるにふさわしい風景を見せてくれました。平安京の昔の羅城門から幕末の騒動の舞台にもなり、戦国時代の天下取りに思いをはせ、一転して古墳時代の集落跡や前方後円墳が出現するという多彩さです。そして神戸に近づいていくにしたがって、阪神大震災の傷跡が目につくようになってきました。とりあえず三宮にたどり着いたこの後はいったいどこに足が向くのでしょうか。熱波がおさまってから決めることにしましょうか。