東海自然歩道 その68
-春野町大時から春埜山大光寺まで-
ついに2年間中断していた東海自然歩道完歩への挑戦を再開しました。勿論新型コロナが落ち着いているという条件が前提になっているので、この先またどうなるかはわかりません。とりあえずは完全復帰に向けて一歩を踏み出すということなのです。2年間にわたる訳の分からない新型コロナウィルスとの戦いが、9月になって突然有利に展開し始めたではありませんか。最新のデルタ型という強そうな名前の変異種がしばしばマスコミに登場してくるようになり、こちらとしてはビビりまくっていたのでした。ところが何故か理由もわからずにその悪者ウィルスによる新規感染者が減少に転じて、今では非常事態も過去のものになったかのようです。様子を見ながらも、2年間の習慣で自宅中心の生活を送っていたのですが、ある日突然、これなら静岡県まで行っても支障はないのではないかと思い至りました。コロナ蔓延期間中も近所の川沿いで歩く訓練は欠かさず、毎日2時間程度は散歩していたので、脚力的には問題はありません。
東海自然歩道走破の旅は2年前に秋葉神社を通過して、浜松市天竜区春野町大時まで行ったところで中断していたのでした。大変交通の不便なところで、車で大時まで行くしか手段はありませんでした。今回のプランは浜名湖の舘山寺温泉に前泊して、そこから春野町大時までドライブしていくというものでした。11月中旬の天気のいい日に決行と決めました。晴れた日の朝、舘山寺を出発して高速道路を利用して2時間弱かかって、懐かしの大時の道標までたどり着きました。
この日はとにかく小手調べということで、大時から3キロ先にある大光寺に向かって行ってみることにしました。そこから先の大日山金剛院経由で大井川鉄道の家山駅までは2日目の日程ということにしました。既に気持ちが日和っています。GPSのスイッチを入れて作動を確かめておもむろに大光寺に向けて歩き始めました。茶畑を過ぎて林道を登って行きました。このまま地図によると林道を辿って進むと大光寺の筈なのですが、途中で東海自然歩道の道標が山道を指しているではありませんか。気楽な林道歩きと高をくくっていたのに、仕方なく山道を選ぶ羽目になりました。この登りが結構きつくて、曲がりくねった杉林を登って行きました。歩きながら徐々に山歩きのペースを思い出していきました。そして途中一旦林道に出たりしながら3キロ歩くと大光寺の入り口に到着しました。2時間近くもかかっていました。
苦労して登っただけあって、春野山の眺望は素晴らしいものでした。大光寺は考えていたよりもずっとこじんまりした規模でしたが、歴史ある雰囲気が漂う名刹でした。何よりも特筆すべきは、お寺の前にそびえる春埜杉の大木です。
暫くは杉の迫力と周囲の紅葉の美しさに圧倒されて時間を忘れていました。2時間足らずの登り道で今日の日程は無事終了ということで、ゆっくりドライブして浜名湖畔の舘山寺温泉まで帰ってきました。風呂に入って夕食を摂ってというお決まりの温泉パターンで、さて明日に備えて早めに寝ようとしました。ところが1時間たっても2時間たっても寝返りばかりで一向に眠れません。結局2時間ほどまどろんだだけで5時に起きる羽目になりました。予定では6時に旅館を出発して8時半に大光寺から6時間歩いて大井川鉄道の家山駅まで行くことになっていましたが、長丁場に加えて、その後大阪まで車を運転して帰るということを考慮すると、急に弱気の虫が出てきて、「今日は体調不良につき中止」という結論に達したのでした。今回は2泊3日で3.3キロ前進ということになってしまいました。それもこれも新型コロナのせいにして、また次回頑張って、今度こそ大井川を越えるぞ。
(累計1090.7キロ/1700)