私的パイプコラム

これを読んで下さる前に価値観について一言言わせて頂きます。価値観は千差万別です。
趣味の価値観ほど人に束縛して欲しくない物と考えます。ネットで沢山の情報等入手しやすくなり又たくさんの方の価値観を目にする事が可能となりました。
私は他人を認めないとはいいませんが趣味での価値観の違いの論争など空虚な物はないと考えます。平行線でしかない。と考えていますのでよろしくお願いします。

1.きっかけ パイプとの出会い
  私が最初にパイプを真直に見たのは。2001年12月でした。この日は滅茶苦茶 我がままなお客の接待でした。
  そのお客が、ラフスティックのパイプをナイトクラブでふかしだした。
  なんともいえんいい香りでした。煙草は着香系のブラックバニラだそうでなんとも渋いしお店の女の子もキャーキャー
  こんなアイテムがあったかとジャキンとスイッチが入りました。
  もんもんと過ごす事9ヶ月 2002年9月家族4人で大須へ買い物にいった折
赤門堂さんで
   ブレビアのベントに一目惚れ 値段も2万円 煙草はブラックバニラを購入
   初心者が最初のパイプ2万円なんて暴挙だと思いましたが値段が高いので.
   一生懸命に勉強と練習をしました。止めるにも投資額が多くて止められない状況を作ってしまった。それで今日の私があります。

2.最初の1本を選ぶ
   自分がお金を出せる範囲を判断して少々高くても気にいった物を買う方が良いと思う。
   これは、私が最初に購入したパイプが良い程度であるパイプであった為(上記参照)
   美味くパイプを楽しめるようになった今でもローテーションにしっかり入っている。
   もしこの時初心者セットの6000円のパイプを購入していた場合 吸わないで押入れにでも入っています。
   また自分がここまで頑張られたか疑問です。
   だから私は、最初の1本でも気にいった物を買えと言う。

3.舌やけとジュースとの戦い
   最初のうちは舌がひりひり パイプはべちゃべちゃ。それでも徐々に味が分かるようになってきた。
   着香煙草も何種類か買い込んで楽しみだしました。気をつけたのはクール&ドライ とにかくパイプを熱くしないように上手く吸う事
   始めの頃はパイプが熱くなったら喫煙を止めて冷ます。そして再着火、これの繰り返しでした。この時に詰め方・吸い方を自分なりに研究しました。
   恵まれている事に自分の行動範囲に2軒のショップがあった事も上達の助けにもなりました。そのうち再着火回数も減少していきました。
   初めて2ヶ月半煙草が飛びぬけて美味いと感じた。パイプを見ると黒い壁がしっかり出来ている。
   これがカーボンなのかと認識 吸い切ってもパイプの底はあまりべちゃべちゃしていない。うおおおおという感じでした。
   とにかくパイプは向上心を持って喫煙した方が上達は早いと私は思います。
   また持っていないと止めてしまう可能性もあると思います。

4.パイプを楽しんできて。
   ネットの中だけかもしれないがパイプを始められる方を見ると 詩人か哲学者か科学者かはたまた歴史家のようになる方を見かける。
   それは、私にも当てはまる事で気が付いた時 あまりの変身振りに自分でも苦笑してしまったほどです。
   始めた頃 パイプを咥えた自分に陶酔しパイプの事ばかり考えていました。
   美味しいパイプとはどのような物なのか 煙草の葉組によってどんな味になるのか
   どうしたら美味くすえるようになるのか パイプ パイプ パイプ・・・・・・パイプの事で頭が一杯
   その当時ベテランのスモーカーの言う事は、神の言葉に等しいと感じていました。
   とあるHPを見てこれぞパイプ喫煙のバイブルだと思っていました。
   しかし理屈や理論 あるべき姿を追い求めすぎて苦しんでいる自分がいました。
   例えばパイプの本数です。パイプは、数本あれば良いなんて言う人がいます。それがあるべき姿だという記事を読んでバカみたいにパイプを購入した自分を
   責めた事もあります。自分は美味く吸えてるのか パイプを利けてるのかそのうちパイプは人より高みにあるのではないかとか
   考え込んじゃって全然楽しくない。余暇で始めたパイプなのに楽しくなくなってきていました。ある時考え方をリセットしました。
   今ではあれはパイプを楽しむ一方策だと思っています。今はどの様なパイプを購入しようが吸いきれないほど集めようがこだわりをもとうが
   どのように扱おうが自由と思って楽しんでます。自分にとって一番何が楽しいのか・・・・
   今現在パイプは自分の人生の余暇を楽しむ道具の一つでしかありません。
   いや道具なんて堅苦しい おもちゃですね。遊んでますから、そう思っていたらいつの間にか50本ものパイプに囲まれていました。
   あはははははは・・・気楽に続けていこうと思います。

5.良いパイプとは

   私はストージハウスクラブというショップが中心のクラブに入っています。内容は、ただパイプやシガーを燻らせながら取りとめのない話が中心です。
   薀蓄等語りません。そのような会にしようというのがこのクラブのモットーです。結構いろいろな世間話をしながらパイプを燻らせるというのは楽しいです。
   若い方から良いパイプってなんですかね?と質問がふと飛び出しました。グレインが綺麗なパイプ 握り易くバランスも良く美味いパイプ
   これって程度が良いと言う事でしょうかね。値段が安くても グレインが良くなくても本人が気に入ったパイプというのが
   良いパイプではないかと。八方美人な言い方ですが本人が良いと思うパイプが良いパイプとしかいいようがない。
   世間体でいけば高名な作家が作りグレインがとても綺麗でシェープも万人が誉めるかっこよいパイプ・・・・そんなパイプは存在するのか。
   絵の世界でもあのゴッホの絵のタッチは嫌いだとかルノワールの絵はダメとかピカソは分からんと言っている方もいるくらいだから結局良いパイプというのは
   本人が決めるしかないと思うのだが・・・・・我が家でのエピソードを一つ紹介する。
   今回購入したテディのイーグルを眺めていた。そこには私が作ったあのポッテリパイプも一緒に置いてあった。
   嫁に「どうよこれいいでしょう?」と私が言った。「フーン形や木目の取り方は確かにいいのかな でも私はあなたが作ったパイプの方が
    好きだな」と嫁が言った。「本当に?」「本当だよ。パイプの世界は分からないけどこっちの方がかわいいじゃない」
   結局は感性と主観の世界  良いパイプとは当人が決める物と思ってしまった。がっくし

6.出発点の違い   
   パイプ喫煙には、いろいろなパイプを集めてみたり、ブレンドしたり、長く吸い続ける事ができるか競ってみたりと様々な要素があって面白い。
   だが欧米では、多くが[たかが煙草を吸う]という事になる。友人がUSAで葉巻をいただいた時 フットを火であぶっていたら
   アメリカ人に「お前はイギリス人か?」と言われた。シガーを直火であぶってすぱすぱと着火せずにフットをあぶって着火するという事は、
   以下の理由がある。
   着火時にシガーの温度を上げずにクールスモーキングを狙う。同じような内容ですが急いでつけたシガーは、必要以上に火が入ってしまい
   最初の喫感が損なわれる。だがこれは、美味しくいただく為の大義名分ですがアメリカ人からしてみれば「ただ煙草を吸う」と言う事で
   それがただ単に煙草の一種 シガーだったという事なのでしょうとその友人が言っていました。
   日本人の長所なのか短所なのかわかりませんが、日本は損益・実益だけでなく「道」も追加されてしまうようです。
   パイプでただ煙草を吸うという事を習慣でやっているのか、楽しんでやっているのか、楽しもうとしているのか
   この言葉上の微妙な差は、実際その発生の全く違う事ではないかと考えてます。つまり出発点が違うと。
   言い換えれば実益と趣味性という言葉に置き換わる。
   現在私は、たまにワックスをかけるくらいでソルトメソット等 掃除と称して自分がそのパイプに染み付かせた歴史(カーボン)や
   味わいをリセットすることは決してない。但しカーボンは手入れしているけどね。
   どうも潔癖の人が多いようです。中には喫煙毎にマウスピースを抜いて掃除している人もいるようですが
   そんなマウスピースを毎回抜いていたらステムルーズになってパイプを早く壊す事をよくもしているもんだと思いますよ。
   車と同じで少々のへこみや傷・汚れが許せないのかピカピカにしているスモーカーの方がどうも「物を大事にする」・
   「日本人の美徳」という宗教じみた言葉を唱えて年期の入ったパイプを汚いとか持ち主をずぼらだとか
   だらしないというくくりをしてAP(アーマーポイント)をけずろうとしているみたいです。
   日本人がやっている趣味性の強い物は、良くも悪くもそれがどうも大きな流れになってしまうですね。「道」と言う言葉が見え隠れする。おお怖い。
   私のような車を購入しても洗車しない者は、そんな真似はできません。道具ですので動けばいいんですけどね。
   日本では、実益だけとると「ずぼら」とか「だらしない」と批判されますけど勘弁してくれと言いたいですよ。
   その道が見え隠れする事は決して悪い事ではないのですけどね。
   結局人が楽しんでいることを許せるのか許せないのかという心の広さをもって年期の入ったパイプ等を見てもらいたいです。
   ああ決して「道」を否定しないですが、自分の道に他人まで巻き込まないでと言いたいです。
      
   

7.おごる事なかれ!

  
   パイプの指南書というか取扱い説明書をパイプに付属させたのは、ダンヒルが最初といわれています。
   これは、私が購入したダンヒルパイプに付属していた物。
   ブレークインからメンテナンスまで書いてあります。
   今でもパイプの指南書を付けているダンヒルのマーケッティングは、すごいですね。 これらを扱うのがショップです。
   ここでストージクラブの話に切り替えましょう。クラブ員の中で私のようにネットでパイプや煙草の情報を収集しているのは2人/15人しかいません。
   1割ですよ。あとは、ネット環境が家にあっても家族が使用していて触れないとか触る気がない、又はパイプやシガー等
   煙草の情報を取らない、まあ気がないとかですね。つまりワールドワイドに煙草の情報を収集している
   パイプスモーカーは1割弱となっています。 ではその他の方は、ショップが煙草世界の窓となっていると思います。
   ショップは、喫煙具メーカーや煙草メーカー等が窓でしょうか。
   商売ですから中立的でありメーカーから仕入れる情報と
   合わせ信用第1ですから情報は確かな物と思います。
   ショップとなると今煙草専門店で扱っているメーカー 春山、フカシロ、柘等ですよね。
   極一部作家パイプを扱っている所もあります。
   作家パイプを扱っていないショップでは、ハイグレードメーカーと言えばダンヒルですよね。
   ショップオンリーのユーザーでは、ダンヒルパイプが高級パイプになるのかな。
   だから結構皆さん奮発して現行ダンヒルを購入しています。クラブの半分の方がダンヒルユーザーになっています。
   ここでワールドワイドに情報を取っている者がおせっかいをするかしないかは、
  
   これは、現在の私のオーディオシステム。これにタンノイのレキュタングラーヨークをつないでクラシックを聴いている。
   オーディオの場合 人のレビューというのはあてにならない。
   結局自分の耳で聴いて確かめなければ怖くて購入なんてできない。たとえば写真にマッキントッシュのパワーとプリアンプがあるが
   この2つで約160万円。
   昔ストージのプチオフみたいな物があった時後に会長ジョニー氏からこんな事をいわれた。
   「普段は出さないけど酔った時にネットで収集した情報にて薀蓄タレベーになるかと思ったがそうではなかったので感心した。」
   つまり得意気にネットで収集した情報をしゃべる方って嫌われるという事らしい。
   確かにネットサーフィンをして世界が広がりました。
   まあ中にはネットをしてない方を悪く言えば井の中の蛙と言う方も・・・
   また「無知は罪なり、知は空虚なり、英知持つもの英雄なり」とソクラテスの言葉ですが 最初の無知は罪なりしか使わなくて
   馬鹿にする方も見えました。
   実践や行動に結びついた知こそ英知に至るといったベクトルを
   表す言葉なんですけど間違った使い方だよなとも思った事もありました。
   人は千差万別なのでそれぞれのポジションで楽しめれば良いとおもっています。
   この「おごる事なかれ!」というのは自分自身の戒めの言葉です。今後も遵守していくでしょうね。
                             
   

  

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