メシャムパイプを熱く語って見ようと思ったのでその第一回目。
ブライヤーに関してはやれハイグレーダーな作家等で不動の地位を築いている。
パイプの女王メシャムに関してはまあ味とか作り勝手がよいブライヤーに利があるのかメシャムに関してパイプブログに取り上げられているのが少ない。
既出だが自分はメシャムの味も大好きなので熱く語って見ようと思う。メシャム、メアシャム、ミッシュルーム、本来のつづりは、Meerschaumとなる。
今や過去のパイプであり、何十年も経過したアンティークとしてまた見事な飴色を見せてくれるパイプ。
扱いが難しく、壊れやすく、色をだすには息子、孫へと何代も経過しないと・・・・多くの方がこんな印象をもっていると思います。
また実際にメシャムパイプを経験した方は、始めに残る蝋の匂いがたまらない・・・という方もいるかも。私は嫌いじゃなかったよ。むしろ面白かった。
パイプの女王と呼ばれ色の変化も楽しめ扱いが楽ならば一度は手にしたいと思う方が多いはず。
ここで俗説と呼ばれる物を自分なりに整理して語ってみようと思う。
まずちょっとぶつけると割れてしまうというメシャムの俗説について。
歴史的に壊れやすいメシャムからかなり強い衝撃をうけても壊れない木のブライヤーにパイプは変わっていきました。
それこそ机の上から純白または飴色の固まりが落ちた時粉々に砕け散るという話もあるがどうなんでしょうかね。
昔とある銀座の老舗で実験が行われました。
結果は、どんなに強い衝撃を与えても粉々に砕け散る事なくほとんどがブライヤーのパイプと同様にシャンク部が
ポキリと折れる状態でボール部が割れたりヒビが入るという事はなかったという記述があるパイプ専門誌にあった。
実は2回ほど私のメシャムパイプを自宅で落とした事がある。高さは約1m弱。フローリングの床です。
結果は割れなかった、砕けなかった、へこまなかった、壊れなかったです。なぜこんな事が言われるようになったのでしょうか?
人面や凝った彫刻の入ったメシャムパイプを机の角かなにかにぶつけて人面メシャムなら鼻や細かい細工の突起を
ポキリと折った事実はあったそうです。もう一つ海の石と言われる原石が材料ですね。
この原石をそのままで舌でなめると舌にピタと吸いつけられると言われています。いわばメシャムにしかない特性を持っていると言われています。
これは、きめの細かい目に見えない小さな穴が無数にあいておりこれが喫煙時の水分をある程度吸収する。
多孔質である。
煙草の味も柔らかくこの粒子が細かいという事から壊れやすいと迷信が生まれたのではと推測する。
だからと言ってメシャムは強固ではない。表面は傷がつきやすいし細かいすり後も残る場合もある。
ただし細かい傷ならば水やすりで取れる事が出来るそうです。
でもこれってメシャムだけでなくブライヤーでも同じ事ですしつまり落としたり当てたりしてできてしまった傷は、
そのまま気にせず使って行くことがおおらかななパイプ喫煙にふさわしいと思うのは私だけかな。
メシャムパイプは、持ち運びに不便又はできないと思われているがそんな事はない。
彫が施されたメシャムパイプは、とがった部分等があり折れやすいリスクがあると述べた。
しかしメシャムパイプのクラシックシャープ等は、ブライヤーと同様に手で持ちやすくまたケースにいれても突起もないのでブライヤーパイプと
同じ様にパイプポーチに入れられる。つまり複雑な彫がされていないクラシックシェープであれば気軽に持ち運びが可能で外で喫煙も可能可能です。
強度についても一回目でも述べた通りブライヤーと同じように取り扱えばさほど気にする事ではない。
素手で触ってはいけない。
ワックスがメシャム表面に塗られておりそのワックスはかなりメシャム本体に浸透しているといわれる。
また喫煙時暖かくなったボールが少しべたついてくる。これは塗られているロウが柔らかくなる事による。
そこを素手で触ると手の汚れが写り汚くなるという説があるがどうもこれもないというか結局ブライヤーと同じで喫煙終了後布で手油をふき取りますよね。
メシャムも同じでセーヌ皮でべたべた触った後ふき取れば良いそうです。
実は汚れた所は水やアルコールできれいにおちます。ただアルコールはワックス層を攻撃するのでおすすめしません。
私の場合結構素手で触っていますが変色はしていません。そんなに神経質になるような物ではなさそうです。
よって素手で触ってもよいです。
喫煙初期のまずさがある。
これはワックスによる物です。これもブライヤーと同じでブレークインをして喫煙していくと次第に薄れて気にならなくなります。
パイプの中でも喫煙初期はまずい物もありますから結局同じです。それとワックス独特の匂いがありますがこれも薄れていきます。
まあブライヤーパイプとかわりません。
こうやってみるとメシャムもブライヤーもハンドリングにかんしては変わらないというのが持論です。
メシャムパイプがそれほど日本に浸透していないのは日本のパイプの歴史がブライヤー一辺倒で始まった為ではないかと推論される。
つまり西洋のようにクレーパイプからメシャムパイプへそしてブライヤーへと推移してきた歴史がない。
しょっぱなからキセルからブライヤーへと推移した。
実際にメシャムパイプを手にした感想をこの第三回にのべてみようと思う。
メシャムパイプは素晴らしいパイプと思う。自分の場合メシャムパイプは、ブライヤーパイプの本数がある程度そろえてからと思っていたが5本目の購入した。
きれいに色づいていきおいしいと煙草をたしなむ赤門堂の前オーナーに勧められたからだ。結果正解だった。
ではメシャムパイプの買い時はいつなんだろうか?
メシャムパイプをネタパイプと思っているだろうか?
ネタパイプと思っていたら多分余裕がある時にしか買わないでしょうね。このへんは一回目、二回目で述べた俗説のせいかもしれない。
私は現在2本のメシャムパイプをもっていてそんな俗説を否定してみた。
着色はボールートップから始まりまたシャンクとマウスピースの堺目からはじまっていった。
これはハンプティさんの「東京メシャム」と言うHPで「メシャムの着色特性と原理:仮説」の
中で述べているのでそれを見てくれ。結構面白い仮説だ。
ブライヤーパイプとの違いは?
実際のところ変わらない。ブライヤーで行うブレークインと呼ばれる物に当てはめれば
最初は少しロウ臭さが鼻につくが回数を重ねるうちににおわなくなる。
またメシャムは、木ではないので樹液が火皿にしみだしてくるとかないので
ブライヤーよりもその辺の煙草がまずくなる要素がない。
またブライヤーよりも多孔質な素材なのでブライヤーよりはまろやかな煙が来る。
これは事実だがブライヤーパイプにおいてのフィルターを入れて吸うわけではないので
ブライヤーと同じように煙草を好みに合わせられる。
樹液やブライヤーには煙草をまずくする物質があると言われ
それを取り除く為 キュアリング等を一生懸命やっている。
煙草をまずくする要素があるブライアーに比べそれがないメシャムって理想のパイプじゃないかと
いうのもありではないかと思えてくる。
但し味の引き算も多いのがメシャムパイプと考える。
この辺は好みだが結局ブライヤーパイプとさして変わらないというのが私の考え。
ではどんな物を購入すればよいかと言えば家できれいに染めた彫り物を楽しみたいと言えば
彫ったメシャム。
実用性を考えればクラシックシェープのメシャムを購入すればよいだろうね。
メシャムの材質について。
メシャムパイプの材質は、二種類ある。
一つは原石のまま加工したブロックメシャムと呼ばれる物。
これは、最終工程のロウ処理以前に舌で舐めるとピタとメシャムが吸いついてくるそうだ。
それだけ小さな目に見えない穴が開いており多孔質である。
これにより煙草は、まろやかなになる。ロウ処理後ではこれはわからない。
トルコでは原石の持ち出しを禁止しており完成品で輸出される物しかないと言われている。
もう一つは、練りメシャムと呼ばれる物。
原石の加工の際出る粉や削りかす等の小さな塊を集めて粉に砕き練り合わせた物。
この二つの違いそんなに違わないと言われている。
但し発色の違いがあると言われ練りよりブロックの方が色むらや発色が悪いと言う説がある。
但し見分け方が難しい。どうも値段に反映されているらしい。
やすいメシャムは練りだろうと考えられる。
また複雑な彫りが入った高価な物はブロックにちがいないだろうね。
ダンヒルコレクションにある見事な彫りのメシャムパイプ。
エロティックメシャムと呼ばれるパイプ。
シガー用のメシャムパイプ。
見事に染め上がったメシャムパイプ。写真はパイプ専門誌に掲載されていたメシャムパイプ達です。
メシャムをこの辺でまとめてみようと思います。
壊れやすいというけれど第1回でまとめたように実はそんな簡単には割れないという事がわかりましたよね。
但しブライヤーと同じように傷はつきます。持ち運びに関しても付属のケースに入れれば何の問題もない。
喫味について。
ブライヤーには、木特有の樹液など煙草をまずくする要素がありますがメシャムにはない。最初のロウ臭さがありますがこれはブライヤーとて同じ。
またブライヤーより多孔質な材質な為 吸水性は良い。これによってブライヤーよりもドライな喫煙ができてまた煙草もまろやかだ。
私は、もし究極のキュアリングされたブライヤーパイプがあるとしたらメシャムと同じ味になるのではないかと思う。
つまりメシャムこそ喫味にかんしては、理想のパイプかもしれない。だから煙草を選んで喫煙している。
発色については、私のメシャムパイプは写真のメシャムパイプに比べればほど遠い。
でも染め上がっていく楽しみもある。
ブライヤーでも無着色の物もあるが風合いといえばメシャムが一番美しいかも。
これは見事に染め上がったメシャムパイプをみるといつこのこのようなきれいに
そめあがるのだろうかなと思う。
だから相変わらずパイプのローテションで喫煙する。
以上なんだがやはりパイプスモーカーとしてメシャムをコレクションに加えたことにはかんして満足している。
ローテションを考え2本購入した。ネタパイプと考えずに実用的なパイプと思う。
パイプの世界が広がるのでコレクションに加えてみたらどうかと思う。
最後にメシャムに欠けている物がある。
それは木の温もりというか暖かみなんだよね。
メシャムはなんか無機質感があってそこがひっかかっているのかもしれない。
自然が作ったグレインの美しさ 偶然がつくりたもうた美というのがなく
あくまで人口物と言う感じ。そこが欠点かな。