一人でも多くの方にちりめん細工の素晴らしさを知って、触れていただきたい!そして型紙を使って作品を作って欲しい!それが私の一番の願いです。

江戸から明治・大正の古布縮緬、その繊細で艶やかな意匠に魅了され、国会図書館の古典籍資料を参考にしながら創作活動が始まり、以来、NHK学園での講座や同好の方々との教室など三十余年の歳月が流れました。

ごあいさつ

遠き記憶と暖かみを紡ぐ

創作活動は試行錯誤の積み重ねです。納得いく意匠を見出すまで試作を繰り返し、型紙を作りだすまでが最も苦心するところですが、この峠を越えると、素材である縮緬との楽しい対話が始まります。

この色相を、あの文様を、出来上がる作品の姿を想い描きつつ型紙を調整していく過程は、また試行錯誤となります。縫製には可能な限り接着剤は使わず、縮緬布の色調に合った絹糸を用い縫い目を表に出さず細かく丁寧に縫い合わせていきます。


細工物は人形、動物、植物、袋物などに分けられますが、多岐に亘って想像の楽しみが得られます。先人の思いの籠った古布を最大限に活かし新たな息吹を創作する細工物においては、その布を作り出した職人の美意識や技の巧みさなど多くを教えられますし、その布を身に纏った方々に思いをはせる楽しみもあります。

古布の縮緬が随分と品薄になってきており、素材の入手に苦労しますが、今後も楽しみながら修練を続けてまいりたいと思っております。

うきゆき工房 代表
浮田 由紀江

2020年 春に…

外出・自由が制限された生活にも少しずつ慣れてきました。
やり過ごすため、何か楽しみを見つけるしかない。
私は、いつか時間ができたら読もうと思っていた本、しばらく
見向きもしなかった布やパソコンに頼っています、
外出が多い年もあれば、ひたすら家に籠る年があってもいい。
思いもよらぬ猶予を与えられた年だと思えばいいのでしょう。
この制限された生活をやり過ごすための楽しみを、
手仕事に見つけていただけたら…
今月の型紙を使って、ちりめん細工に楽しみを見つけていただけたら… 
平穏な日常が早く戻りますよう願っております。
どうぞ、お気を付けてお過ごし下さい。
           浮田 由紀江



和布と手作り 手芸編 『かわいいお細工物』
2022年2月16日(水)発売

12人の作者による作品30点の作り方を型紙つきで分かりやすく説明しています。
¥1,650 税込
MUSASHI BOOK STOREにて購入可能


画像をクリックしてご覧下さい。


私は、朋さんの人形が大好きです。
『工房 朋』(人形工房)は、奈良市登美ヶ丘にあります。
人形の頭は、胡粉とにかわを用いた伝統的な手法で作られています。
人形の髪の毛は、普通、すが糸を用いますが
朋さんのは、人間の髪です。
男の子は20数年前、女の子は5年前、胴体のみ求めたものです。
時間が出来たら、着物を作り直したいと思っておりましたが、ようやく着せかえることが出来ました。