あなたの知らない芦別ガイドツアー
2025年10月、芦別市西芦別、
三井芦別炭鉱 第一坑
跡を巡る探索ガイドツアーを開催。
男女21名の参加者が応募された(実参加は17名)。
今回は国有林内のため、
空知森林管理署に入林申請を行い、
許可のもと入山した。
まずは粉炭の貯炭槽、未選ビンの探索だ。
ベルトコンベアにて上部から粉炭を投入し、
逆円錐の下部から放出、その後再びコンベヤーで選炭施設に投入される。
ポケットとも呼ばれる円錐の遺構。
給炭量の制御を行い、選別性能の向上を目指す。
美唄にも同様の形状の遺構があり、
それは同じ三井石炭鉱業の施設であることを説明する。
説明後に十分な自由時間を設ける。
これは選炭循環水と薬液の濃度調整槽である。
芦別五山や芦別炭鉱の鉱区合併についても解説する。
しかし解説は簡潔に済ませたつもりだ。
参加者の目的は人それぞれ。
歴史に触れたい人、遺構をじっくり歩きたい人、
そしてカメラ片手に風景を切り取りたい人とさまざまな思いが交差している。
近隣に残る選炭施設に到達だ。
浮遊選鉱、ジグ選鉱、バウムジグ選鉱について解説後、
再び自由時間で撮影に没頭する。
巨大な選炭施設、
それに繋がる原炭ポケット跡である。
水没した原炭ポケット内部も注意して探索する。
皆さん飽きずに写真撮影を行う。
ここからは激藪の廃道を登る。
ここでは参加者の一人がメガネを紛失するアクシデントがあったが、
皆さんで探して発見に至った。
この廃道は実は軌道跡で、
かつては材料運搬用軌道と12人乗りの鉄製人車が
行きかった隧道跡だ。
これは第一坑へ向かう4kmの隧道坑口手前にある、
電車修理工場へ向かう材料捲隧道の跡だ。
そこには機械修理、製缶(溶接)工場が集約されていたのだ。
2連目の隧道だ。
ここはケーブルカーのようにワイヤ(コース巻き)を介して運転したようだ。
隧道上部にアタックする参加者もいる。
そして電車修理工場跡に到達だ。
廃祉内部にはレールがあり、その軌間は610o。
これは4q先の採掘現場を往復する、
電車や蓄電池機関車の修理工場で、
レールの間には整備用の空間が残る。
修理工場跡からかなり登ると配水池を兼ねた浄水場に到達だ。
大量に必要な選炭用水の確保のための浄水場跡だ。
選鉱用水が水温6℃を下回ると、
極端に選炭性能が下落するため、
浄水を加温した事実を解説する。
浄水場脇には古いトラックの廃車体が2台ある。
ダットラ720系、
昭和54年(1979)頃のモデルである。
下山後は近隣の寺院をお借りしての昼食会だ。
貴重な状況でのお弁当を頂いてからの解散となった。
参加の皆様、お疲れ様でした。
また、大変ありがとうございました。