巻揚げ機の通り道
豪雪の炭住街。
軒を連ねるが住む人はほとんどいない。
付近にはこのような炭住が数多く点在する。
鹿道の斜面を登る。
奥には何か遺構が見える。
スノーシューで雪を踏みしめて歩く。
雪原を進んで遺構に近づく。
どうやら木造のホッパー跡らしい。
奥にも廃墟が連なる。
木造の小規模なホッパー跡だ。
しかし時代は新しいものらしい。
劣化の度合いが少ない。
奥の廃墟は貯炭場の施設の一部らしい。
RCのラーメン構造だ。
積雪に埋もれている。
深い積雪の斜面を登る。
鹿の足跡しかなく、
人の気配は無い。
ホッパー跡の遺構の横を通過する。
歌志内の街を見降ろす。
丘上の平原には球場跡があり、
その手前に何かある。
どうも斜坑口のようだ。
積雪を超えて坑口に近づく。
真冬にはすっかり雪に閉ざされるのかもしれない。
坑口は雪に埋もれ、
密封されている。
結構大きな斜坑跡だ。
斜坑の上流には土台の組まれた遺構がある。
これは炭鉱跡であまり見たことのない形状だ。
積み込みの装置なのか、
閉山後に造られたものなのかよくわからない。
他の遺構を求めて森へ入る。
あたりの植林は閉山後なされたもののようだ。
森の奥には豊似湖よろしくハート型の池があった。
完全に凍結はしていない。
更に森の奥にはコンクリート製の土台があった。
これは巻揚げか送風機のアンカーだと思われる。
アンカー跡の土台は森の中に点在する。
雪を被り森に還りつつある。
最も斜面に近いアンカーには穴が開いている。
しかも三日月型に二か所だ。
大きなコンクリートの塊のその中央部に、
大きな貫通した穴がある。
これはケーブルが通った穴だろうか。
いかにも人工的に開けられた三日月型の穴。
向こうの景色が見える。
その斜面の向こうに遺構は無く、
どのような機構だったかは今となってはわからない。
森の中に人知れず残る遺構群。
派手な遺構は無かったが、
静かな探索であった。
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