坑内川を遡る




街から2時間以上の深山に、
赤い川が流れる。 沢

笹薮の間を流れる赤い川を遡行する。
鉱水だろうか。
場所の特定には至っていないが尾根を目指す。 遡行



30分以上歩いた後、落ち葉に覆われた山の斜面。
何か人工的な雰囲気がある。
平場が無いか登ってみる。 斜面


登りだしてすぐに、斜面に何か落ちている。
苔むした配管のエルボのようだ。
この付近なのか・・・。 遺構

他にもブリキの洗面器やバケツ、一升瓶などが散乱する。
これは産廃の粗大ごみではなく、
鉱山跡の遺構だ。

先には石垣らしき遺構があった。
深山で付近に人気は無い。
鉱業所の一部に到着したらしい。 石垣

平場があり、何か遺構がある。
溝か土台かRCの構造物だ。
これだけの山中に・・・。 遺構

おそらく製錬の施設の遺構だと思われる。
溝が山中の平場に這う。 精錬所


遺構に生えるアンカーボルト。
何か装置が載っていたのだろうか。
それではこの上流を目指そう。 アンカーボルト

RC遺構の上部には斜面に崩れた木材が散乱する。
もしや坑口では・・・。
ほとんど崩れているが、近寄ってみよう。


V字谷の木材付近に下る。
足元は水没しており、
ここが沢の始まりのようだ。 坑口?


それは紛れも無く、崩れた坑口跡だった。
左の端だけが、少し奥まで穴が見えるが、
とても入坑できるサイズではない。 坑口


自然に紛れる坑口と石垣跡。
良くぞ残存し、よく到達できたものだ。
さらに上部の坑口を探してみよう。 坑道

更に深い山中に再び平場が現れた。
大きな沢の音が聞こえる。 平場

斜面の崩れた崖に突如現れた穴。
坑口だ!
入坑するが水没だ。 坑口

水流は深そうで、並々と水がある。
しかし澄んだ水で、流れがある。
意を決して入水する。 水没坑道

自然のダムで塞き止められた坑口付近は深い。
ジャケットの裾が水没するほどの深さがある。
足元も岩が転がり、非常に歩きにくい。 水没

水没は続いているが、
奥まで続いている。
断面は大きくないが、巨大遺構だ。 坑内川

やはり奥に行くと水嵩は少なくなる。
地面が露出してきた。
岩肌は白い。 坑道

支えを失った坑木が坑内に引っかかる。
足元の岩をよけ、頭上に注意しながら沢を歩く。
約150Mほど来た。 坑木

上流に坑内分岐が現れた。
本坑は左のようだが、
先に右坑を見てみよう。 坑内分岐

こちらも自然のダムでかつて水を塞き止めていたようだが、
今は水没していないようだ。 右坑

ダムの天端は天井とのストロークが低く、
這って入坑する。 極狭坑道

かつての水没を語る泥の坑床。
坑木を包み込む泥の海を進む。 泥坑


脚に泥がまとわり付き重い。
高さは身長程度で、
臭いも無く、コウモリもいない。 掘削坑


坑内には先客がいたようで、
小さな足跡が点々とある。
まさかハクビシンではないだろうが小動物だ。 足跡

坑木が残る白い坑内。
分岐から100Mは進んでいる。
脇坑にしては深く続いている。 坑木

木箱が足元に落ちている。
これは坑道によくある粘土の円柱だ。
掘削穴に発破を仕掛けるときに使用するものだ。

その先50Mで掘削坑は終端を迎える。
これは崩れたのではなく、
ここで掘削を終えたようだ。分岐に引き返す。 終端






再び本坑に戻り、
赤い水を蓄える坑道を歩く。
最盛期にはAu.Agの租鉱を250t/月採掘していたとの記録もある。
この深さは金銀鉱山としては相当な規模だ。 本坑

途中には異様に天井の高い、
大空洞がある。
この高さなら閉塞感は少ない。 大空洞

再び通常サイズに戻った坑内を黙々と歩く。
すでに深さ500m越え。
あいかわらず水流はある。 洞内

大岩が転がり始める。
これまで坑内は安定していたが、
いよいよ荒れてきた。 大岩

急激に天井が低くなり、
立って歩けなくなった。
岩雄登鉱山の最狭隧道を思い出す。 天井


ここからは這って進む。
ザックが何度も岩盤に引っかかる。 這う


これが約800mの坑道の終端である。
ここは崩れて床が高くなり、
そして埋没したらしい。 終端


同じ時間をかけ、再び坑口に戻った。
深い深い山中にやっと見つけた旧い坑口。
いつかまた訪れてみたい。 坑口









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坑道
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