奈落の底へ
今回はちょっと探検な日記氏や
炭都めし上がれ2nd氏、炭鉱のプロ氏等5名でのにぎやかな探索となった。
昭和40年代に相次いで閉山した炭鉱群は
覆土・植裁、坑口の閉塞等による補助金の交付制度があった。
そのため残存する坑口の多くは、
そのほとんどが密封されている。
ところが密封を免れたり、閉塞したが後に崩れた斜坑が残存している。
山中深く、藪は少しだけ下火になってきたが、
まだまだ激藪だ。
ようやく到着した斜坑は、
中央にレイルがあり、一度は密封された痕跡がある。
崩れたコンクリートブロックを跨ぎ入坑する。
空気は淀んでおり、埃が空中で停止している。
水蒸気は少なく、
坑口から暫くで急角度で落下する。
ここでメタンのガス探知機が反応する。
瞬く間に危険な含有量となり、
アラームと赤いランプが点灯する。
至急撤退だ。
奥は地底の奈落まで続いているようだ。
閉山から40年近く、穴はあり続けている。
黒い滓のガリーを登る。
風雨で削られ、
深い窪地となっている。
付近には犬釘が多数落ちている。
軌道があったようだが、
その痕跡は薄い。
藪の中に廃隧道が現れた。
山の斜面から下っている。
内部には水蒸気が飽和しており、
まったく空気が動いていないようだ。
靄を掻き分け、奥に進むと、
そこには水没した風景が現れた。
水は緑色で流れていないようだ。
木材が散乱し、水は淀んでいる。
奥にはホッパーのような設備が見える。
斜坑で奥へ行くほど低くなる。
その状況でこの水位は、
相当な深さのプールであるらしい。
斜坑の坑道にはレイルの痕跡がある。
資材が朽ちており、
水際から振り返ると50m程度のようだ。
坑口に向かって登る。
異常に涼しく、寒いぐらいだ。
軌道跡が顕著な坑口付近。
坑口に近づくにつれて、
空気が澄んでくる。
数十m離れた別の坑に潜る。
こちらは更に急角度で、
軌道敷がはっきりしている。
プーリーだ!
ワイヤーに繋がれたトロッコが連立していたのだろうか。
更に奥に続いている。
軌道跡が続く。
一般の廃線跡と大きく違うのは、
やはりその勾配だ。
更に下ると、その先で軌道は水没していた。
コバルトブルーの水面を持つ、
巨大な地底湖だ。
水際まで下る。
その神秘の色にしばらく見入ってしまった。
今立ち尽くしている付近も、時期によっては水没するようだ。
その水は澄んでおり、
滝のように上部から水が注いでいる。
天井までが4m近くあるので水位はそれ以上だ。
最奥を望む。
この先を解き明かすことは出来ない。
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