下れない巨大坑道
札幌市の西南、定山渓温泉。
かつてはアイヌから教わった修験僧がたった一人で、
湯治湯を開墾したとのこと。
定山渓温泉から元山に入ると遺構群が見える。
鉱員社宅や学校、排水処理施設などは解体された。
かつてはもっと遺構がひしめき合っていた。
天狗小屋を越えたあたりには、
かつて選鉱所があり、
鉱石が山積みにされていた。
選鉱所内にはトロッコの軌道が縦横にあり、
プラント内に、
消えていた。
上流には「川上坑」と書かれた、
近代的な坑口がある。
脇にはレイルを加工した架台のようなものがある。
用途がわからない・・・。
川上坑のすぐ下部にも坑口がある。
付近一帯が精錬所の一部のようだ。
入り口は厳重に蓋をされ、
土嚢が積まれている。
内部には配管が這っている。
掘削坑ではなくガスや排水の坑道かもしれない。
上流には密閉された坑口がある。
付近全体が赤茶けている。
ここから白井川沿いに遡る。
足元には犬釘のような遺構が落ちている。
山の斜面に沿って這うパイプ。
これをガイドに、
道なき斜面を登る。
このパイプは、積雪から配管を守る、
ガードのようなものかもしれない。
斜面を登りきると、
突然、坑口と選鉱所のプラントが見えた。
選鉱所はあまりに巨大。
銘版の剥がれた坑口。
内部から冷たい風が吹く。
。
坑内にはレイルがある。
トロッコもあり、
坑道は奥深く続いているようだ。
更に左側には別の坑口が・・。
こちらからはファンかポンプの、
モーター音が聞こえる。
足元にはレイルが途切れている。
モーター音は大きく、
風も多い。
こちらは真四角の断面で、
同じくトロッコがある。
そしてまた左には更に別の坑口が・・・。
付近だけで3箇所の坑口が並ぶ。
これはさすが大規模な鉱山跡だ。
こちらの坑口は丸い断面で、
もっとも小さい。
内部にレイルは無く、
本坑は排気か退避坑かもしれない。
残存する赤茶けたレイル。
坑口群を結んでいたのだろう。
谷筋には露頭のような部分もある。
群生するルピナスを掻き分け、
再び川沿いへ降りる。
崖を下る。
河原に下りる場合は登攀時を考えて下る。
谷沿いに何か遺構が見える。
緑の植生が激しい。
足元には別の遺構が見えた。
廃ダムのような大きな設備だ。
河原まで苦労して下ると、
そこにはRCのゲートのような廃祉がある。
これはかつてのダムのようだが、
現在は機能していない。
川向こうには止水施設と黒い穴が・・・。
岩肌に開いた巨大な穴が見える。
坑道なのか・・・。
いつものように水没しながら、
川を渡る。
冷たい水が気持ちいい。
止水施設をよじ登り、
坑口に近づいた。
異常にデカイ。
高さは5M程度あり通洞坑にしても大きすぎる。
太さも4M以上あり、奥で緩やかに右カーブを描いている。
はたして坑道なのか。
足元から坑道地面までも数mあり、
縄梯子でもないと下りれない。
下って奥を確かめたいが・・・。
これはどうやら水に関連した坑だ。
取水か発電の設備の一部かもしれない。
いかにもの坑道とは少し違う。
更に上流にも遺構は続く。
鉱山内に発電所や取水設備があるところも多い。
他に数箇所の坑口を見て、
下山した。
まだまだ遺構は探せばあるはずだ。
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