コウモリの巣
通洞坑に入り、坑道を進む。
坑口から30mぐらいだが、
夏の初めの外に比べて、気温はぐっと下がった。
先の見えない坑道を歩く。
レイルもあり坑内は荒れてはいない。
軌間は510mmのナローゲージだ。
レイルに劣化は無く、
今でも軌道車が走れそうだ。
洞内分岐だ。
二手に分かれる坑道。
脇坑の先には明かりが見える。
坑内分岐でレイルのポイントがある。
泥に埋もれたポイント。
脇坑に進んでみよう。
分岐坑道へ
メイン坑道は更に続く。
深さはおよそ100m。
すこし水蒸気が飽和して白くなってきた。
坑口から120m。
少し進むとここにも脇に扉がある。
中をのぞいてみよう。
中は小部屋で広さは無い。
物置のようだ。
坑内には所々、杭が打ち込んである。
入坑180m
深くまで来た。
コウモリの死骸だ。
かなり時間が経っているかもしれない。
入坑210m。
脇には赤い箱が見える。
消火設備だろうか。
中には電源のトランスらしき機械が入っている。
脇に小部屋がある。
こちらの小部屋は全面をコンクリートで固められ、
これまでの部屋より大きい。
資材が散乱している。
入坑250m
空気はまだ軽い。
坑道はまだまだ続く。
入坑して1時間以上経過した。
洞内では時間と距離の間隔が麻痺する。
歩いてきた道を振り返る。
坑口はずっと先だ。
明かりは小さな点に見える。
坑内のレイルを跨ぐ溝。
滴る鉱水は少なく、
泥も深くない。
入坑310m。
いよいよ300m越えだ。
突然!コウモリが横切った。
羽根の音がすぐ顔のそばで聞こえる。
急なことで声を出して驚いてしまった。
頭の上をコウモリが乱舞する。
バサバサと音が聞こえて、
暗闇から突然出現する。
(カーソル画像上でハイライト表示)
レイルが大きなRを描く。
いよいよ終盤か。
その奥で坑道は終息していた。
帰路もコウモリが乱舞する。
一旦騒ぎ出すと収まらない。
静かな安住の地を騒がせてしまった。
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