マンガン鉱山がもたらしたもの




松前町江良地区。
美しい海岸線を持ち、鄙びた漁村が点在する。
この海岸線から約5.4kmで鉱山跡だ。 江良

大鴨津川の左岸登る。
付近には原石が滑石(タルク)である蝋石鉱山が多数存在した。
昭和初期まで細々と産出は続いたようだが、今は静かな山中だ。 大鴨津川


林道が川から離れる地点で徒歩に切り替える。
ここから数百mで鉱山跡だ。
周りを注視しながら歩く。 江良鉱山


斜面に残るレイルである。
6kg級の細いものだ。
もう鉱山跡の中心部に来たこととなる。 レール


木造の同じ建物が2棟並ぶ。
これはどうやら火薬庫らしい。
更に川を遡る。 火薬庫


斜面脇にはRC構造物がある。
これはもしや精錬関係ではないだろうか。
かつては国策会社が付近を掌握したというが・・・。 RC構造物


RC構造物の途切れる所には、
鉱山事務所らしき廃墟があった。
木造の廃屋だ。 事務所跡


鉱山事務所と鉱員社宅を兼ねたような建物だ。
一部倒壊著しいが、
木造廃墟を探索してみよう。 稲倉沢鉱山"


内部には炊飯器なども棄てられている。
街から近いものの、ここで住み込んでいたのだろう。
但し当時のものか、後の産廃かはわからない。 廃墟


屋外には便所の廃墟があった。
明瞭な人跡は既になく、
現在は全く機能していない。 便所


ヘルメットが残存している。
○○鉱業と記載されている。
国策を背に受けた鉱山はきっと、ある勢いで繁栄したのだろう。 ヘルメット


本館に当たる建物だ。
半分が倒壊している。
あと何回の風雪に耐えるのだろう。 鉱山事務所


それでは建屋の内部を探索する。
足元は荒れており、床が抜けそうだ。
壁材も剥がれつつある。 内部


別の部屋では畳が朽ちている。
硝子戸が昭和の雰囲気だ。
気を抜くと床下に踏み抜きそうになる。 鉱山廃墟


ここが事務所の中心部らしい。
それぞれの部屋を繋いだ路を辿ると、
生活の痕跡の匂いが散りばめられている。 廃墟


軒に育つ木々。
鉱山が繁栄していた当時からある木のようだ。
いわば鉱山の生き証人かも知れない。 軒


脇にはベルトコンベヤーの架台と精錬所のような斜面がある。
精錬所は大規模なものではなく、
酸化鉱でガリ鉱部分が多い鉱石を手選していたのではないだろうか。 精錬所


RCの基台にアイドラーのローラ治具のような鋼材がある。
いくつかの小鉱山が隣接し、
マンガンという一つを基軸にした壮大な共同体だったかもしれない。 選鉱所


対岸に及ぶ300m間に第一から第六までの露頭があった。
品位は第一、二が15%、あとは概ね25〜35%であった。
鉱況劣勢であることは間違いなく、下部探索や新鉱床も期待があったのかもしれない。 選鉱所


小鴨津川流域の御三岳鉱山、豊国鉱山、
大鴨津川流域のユガンコウ鉱山などの中小鉱山達の操業が、
鉱物資源の輸送のための松前線鉄道工事早期着工に拍車をかけたのは間違いない。 選鉱







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精錬所
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