設備大型化の限界




一般に繰込所は坑道に隣接している。
繰込所が山中の谷間に位置し、炭住街から山一つ越えた本炭鉱には、
その区間の連絡隧道としての本坑が存在する。 隧道

隧道の覆工にはケーブルを掛けるフックが装着されている。
この左側が歩道で中央右寄りを人車が走行していた。
通洞を抜けるのに約5分間の乗車であった。 ケーブル

坑内の距離票が残存する。
最高11両に240人が利用した。
人車に間に合わなかった場合は徒歩でこの隧道を抜けたらしい。 1174m

更に進み、坑口から300m付近。
機関車の動力形式は架線電線を使用する、
トロリー式、蓄電池式、圧搾空気式などがあった。 隧道



蛍光灯の灯具が残る。
更に奥からは「ザァザァ」と水流の音が聞こえる。
ここまでは乾燥した隧道であったが・・・。 蛍光灯



覆工が大きく崩れ土砂が積み重なって地下水がしたたり落ちている。
トンネル形状に合わせて曲げ加工された
Iビームが切羽に建て込んである。。 覆工



その先でもI型鋼による補強が続き、
地山状態が悪かったのかもしれない。
天井圧や側壁による土圧、足元が持ち上がる磐ぶくれなど岩盤からの地圧が大きいようだ。 I型鋼


足元には坑木の類も多数落下している。
今は行きかった人車の姿も想像できない。
レイルやH鋼をアーチ型に加工したものもあるがここはI型鋼による。 坑木


鋼製支保工が続く。
ターンバックルで支保工にテンションを掛けてある。
空気の流れが無い。 鋼製支保工


その後約100mで大きく埋没している。
これは意図的に埋められたようだ。
支保工を繋ぐ補助材が千鳥に組まれている。 埋没


足元には古い飲料の瓶が落ちている。
半分以下の距離の入坑であったが、
かつての盛衰や事故のことも思いながらの探索であった。 瓶







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廃隧道
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