入排気斜坑
2006年に閉鎖された石炭の歴史村が今回の入口だ。
1980年に開業した炭鉱跡地の遊園地は、
今は廃墟が並ぶ悲しい風景となってしまった。
遊園地の廃墟群を抜けて奥へ進む。
斜面には天竜坑なども見える。
奥に見えるのはウォータースライダーとローラールージュの廃祉だ。
少し進むと明らかに遊園地の廃墟群とは異質の廃祉が現れる。
坑口のようだが平地に建っている。
煙突もあり、奥へ回ってみる。
これは坑道ではなく第一排気斜坑であろう。
斜度17°をもってこの小屋にガスブロワーがあったものと思われる。
更に奥へ進む。
これがブロワー室の廃墟だ。
一部電装設備が残存しているが、
もはや稼働するはずもない。
こちらは排水に関するポンプ座かもしれない。
付近には含水帯があり、
常時、揚水の必要があったとのことだ。
こちらの廃墟は劣化が激しく、
崩れたり、一部埋没している。
積年の豪雪による影響が大きいようだ。
奥の斜面には給水施設らしき廃墟がある。
ボーリングによる抜水を、
集水していたらしい。
こちらは近代的な施設跡だ。
繰込み所の一部かもしれない。
接近してみよう。
保安にも重点を置いた炭鉱であったらしい。
ガス吐出防止の予防チェックボーリングを実施していた。。
こちらは坑口事務所のようだ。
内部には工業的な設備もあり、
運搬用オールコンベアの関連施設かもしれない。
屋根も崩れ、積雪が内部に及んでいる。
その脇には再び斜坑だ。
これは斜度15°の入気斜坑である。
排気坑との距離はおよそ400m、つまり中央式通気方式である。
少し離れた沢沿いに排水溝のような隧道が現れた。
ただの水路には思えない。
銘板には「長良第一隧道」との明記もある。
これは排水路ではなくかつての跨線隧道のようだ。
果たしてどこへ抜けるのか、
少し進んでみよう。
廃隧道は約200mで水路となった。
しかしそれは後に改造されたもので元々の形状ではない。
更に謎は深まる。
これは最近の導水管でどうみても昭和後半のものでもない。
しかも頭上にマンホールがあり、
どうやら現在地は道路下のようだ。
導水管部分を抜けると、
本来の隧道形状に戻る。
その先で下界に脱出したが、そこは歴史村の道々をはさんだ森の中であった。
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