カッペ採炭
空知管内の炭鉱跡地から少し山中に踏み込んだ場所に、
この坑口は存在する。
坑門は切られたような形状で、かつては更に手前方向に延長していたかもしれない。
坑口から一歩入ると、
一種凄槍の気味を帯びた、
暗い坑内が続く。
しかし少し進むと採光の穴があり、
上部には遺構が跨いでいたのかもしれない。
ここで坑口から20m。
坑口方面は楕円の覆工で、
RCに痛みは少ない。
更に進む。
その先で断面は角型に変わり、
足元にはトロリーの軌道跡のような枕木がある。
炭車が往復していたのだろうか。
やはりこれは軌道跡だ。
付近はすでに地中のはずだ。
残念ながらレールは撤去されている。
その先200m程度で出口の明かりが漏れている。
坑内は四角断面となり、
少し荒れてきた。
足元には木材が散らばり、
天井の傾きと両壁の歪が発生している。
そして坑内中央に太い鋼材がある。
鉄柱は100角程度のH鋼で、上部にはピンを介して固定してある。
これを支柱として、上部天盤を固定し安定したら、
支柱を外して次々前方へリレーしていったようだ。
覆工の角には木材の棚のようなものがある。
所々落下しているが、
合掌枠の残骸か布木の跡かもしれない。
付近には木製の遺構が散乱し、
大きな破片となって落下している。
坑内トラックとも言えるシャトルカーが通過していたのかもしれない。
この先で坑道は途切れ、その先の封鎖された坑道へ続く。
通過できたのは300m程度だが、ここは搬出の軌道が行きかったようだ。
機械化による採炭現場の地下深部への移行が進んだようだ。
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