検収品位 Fe60%




中島の東方で水深179mを誇る洞爺湖の南東に位置する壮瞥は、
昭和19年の昭和新山の噴火や温泉街を持つ、
観光地としても有名な街だ。 壮瞥町

1986年(昭和61年)廃止の胆振線 久保内駅跡だ。
かつては仲洞爺鉱山からの褐鉄鉱の積出駅として賑わったが、
現在はその痕跡もほとんどない。 久保内駅

久保内集落から紅葉の林道を登る。
久保内集落の標高がおよそ150m。
鉱山跡は本鉱区が445m、中ノ沢鉱区が440mとかなり登ることとなる。 林道

やがてその林道も倒木で廃道と化す。
現在の標高が350m付近なので、
さらに林道がΩカーブとなる部分まで登る。 倒木

廃林道が決壊し、
足元は危険だ。
長らく人は入山していないようだ。 決壊



Ωカーブ付近に近づくと、
林道は旧規格の鉱山道路のような様相を摸して、
更に激藪化が予想される。 鉱山道路



気づくと本鉱床を通り過ぎ中ノ沢鉱区付近まで登ってしまっていた。
しかし鉱区方面から沢が流れており、
これを遡ってみよう。 沢


道なき沢を登ると足元に加工されたような板が落ちていた。
比重差を利用して選鉱する桶流し方の溝に違いない。
かなり鉱区内に近づいたはずだ。 桶流し方


ひたすら沢を登り高度を稼ぐ。
藪で視界は広がらないが、
遺構が無いか留意して歩く。 沢登


そして斜面に発見したのがこの坑口である。
完全埋没しているが、支保工に囲まれている。
位置的には上沿二坑だと思われる。 坑口


坑口付近からふと上部を見上げると、
何か鋼材が自然の風景を破って存在している。
登ってみよう。 レール


それは紛れもなくレイルであった。
相当腐食しているが9kg級の鉱山軌道の跡だ。
ここが間違いなく鉱区跡だ。 レイル


レイルを追うとそこにはスレートの廃祉があった。
中には何もなく、
鉱山事務所の一施設かもしれない。 鉱山事務所


ここからは沢を離れて鉱床を追う。
完全な笹薮の廃道で、
鉱山道路らしき平場を探す。 激藪


土手には再びレイルの埋没が見られた。
閉山後、50年近いとここまで腐食が進むのかと驚く。
この付近には縦横にトロッコが走っていたのだろう。 レール


再び別の沢で桶流し方の溝が発見できた。
こちらは形状がよりはっきりしている。
付近には笹薮の段差があり、もしかしたら当時の鉱山道路の痕跡かもしれない。 桶流し方


その鉱山道路らしき平場には、
一見、木々と見間違う電柱が存在していた。
この深い山中に産業があった証だ。 電柱


中ノ沢鉱床から離れて、
本鉱床付近を探索する。
ここも一帯が笹薮の道なき斜面だ。 本鉱床



残念ながら、本鉱区内では目ぼしい遺構は発見できなかった。
藪漕ぎの一日だったが、
レイルを含め、辛うじての遺構に出会えた。 鉱山跡








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