国内の15%を占める道鉱山




胆振支庁中央部の白老町は、
オロフレ山(1230m)、樽前山(1023m)、白老岳(968m)などの火山性山地が
急斜面をなして海岸と接している。 白老町

ホロホロ山(1322m)登山口を超えて、
更にトドマツ川を遡る。
今日も3パーティー程度が登山しているようだ。 ホロホロ山

登山口を超えると一気に林道は荒れ始める。
林道は抉れてガリーのような表情となる。
ここが標高550m程度なので目指す鉱山跡との標高差は90m程度となる。 林道

いよいよ林道は決壊し河床に飲み込まれる。
更に登り西を目指す予定だ。
そこからはコンパスを併用して道なき道を進むことになるだろう。 決壊

廃林道から外れて一本の沢へ降りる。
少し河床は赤みがかっているが、
一旦下流へ下り別の沢を遡る。 沢



その沢での第一の遺構である。
6kg級程度のか細いレイルだ。
少し湾曲した鉱山の生き証人だ。 レール



更に遡ると沢は大きく開ける。
これは鉱山跡にありがちな光景だ。
いよいよ近い。 鉱山跡


沢と離れると一気に開けた土地に出た。
奥に見える、植生の無い2ヤマはもしやズリ山では・・・。
ようやく鉱山跡地に到達した。 ズリ山


ズリ山は大規模に続き、
木製の遺構が散らばる。
ここが鉱床の中心部で間違いない。 ボタ山


ズリに埋没しかけているが、
等間隔の枕木はトロッコの軌道跡だろう。
さらに深部を目指す。 トロッコ


そしてズリ山の中心部に現れたのが、
そこそこの規模の石積みである。
精錬所は認可されなかった経緯からこれはホッパーの石垣だと思われる。 石垣跡


木製の支保工にM16程度のボルトが残存している。
かつては櫓が組まれ、
ここからトロッコに鉱石を積み落としていたのだろう。 支保工


谷筋に少し開けた部分がある。
人工にも見える木材があり、
もしかして坑口ではないだろうか・・・。


やはりここは坑口であった。
新坑と呼ばれる坑口で、
支保工が組み合わさっているが、完全埋没である。 坑口


付近にはレイルが埋没し、
巨大な切株も残存する。
おそらくは昭和40年代の遺構だろう。 レール


硫黄分を含んだ鉱石が付近には散らばる。
焼取釜や精錬の施設が無いのが残念だ。
坑口を求めて付近を探索する。 硫黄


足元には当時のものと思われる瓶が落ちていた。
「北海道清涼飲料」と刻印されている。
信用録なども検索してみたがそのような社名は発見できなかった。 北海道清涼飲料


残念ながら他の坑口の発見には至らなかったが、
ここにはかつて間違いなく産業があった。
本坑を含めて、昭和18年当時は道鉱山が全国の15%を占めていたものの、
その後衰退の一途を辿る。 白老鉱山








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