集水井工 排水ボーリング距離495m 




島牧村は後志の南端に位置する、
人口1,600人の漁業を基幹産業とする静かな村だ。
鉱山は賀老の滝方面へ向かう。 寿都

千走川温泉を超えて山中へ進む。
この付近から鉱山跡のエリアとなる。
周囲に注意しながら進む。 千走川温泉

ここからユリ道を標高350mをピークに峠越えする。
道の両側が鉱区のため、
所々で崖下も覗きこむ。 大岩

そして現れた鉱山跡付近。
大規模に治山され、もはや遺構は何もない。
しかし左手に何か施設がある。 治山

施設は最近のもので直径4m程度の円柱の筒状だ。
これは「集水井」と呼ばれる地滑り対策の施設だ。
この中は深さ25m程度はある。 集水井



内部は恐ろしく深い。
底には水が溜まっている。
これが地滑りを防止しているのだ。 集水坑



構造の概略だ。
地滑りの原因となる、地層上に堆積した地下水を集水ボーリングにて、
集水井に導水し、それを今度は排水ボーリングで下流の河川などに放流する。 地滑り


集水井は複数か所に存在する。
深度は地滑りが活動中かどうかによるが、およそすべり面より2.3m深くするのが一般的だ。
島牧鉱山跡では集水井 直径3.5m、深さ27m、集水ボーリング53m、排水ボーリング495mとなっている。 集水井


付近には当時の鉱山道路と思しき小道がある。
今はほぼ廃道だが、
車道よりは狭い旧道の出現だ。 鉱山道路


旧鉱山道路の先には小さな池がある。
沢でもないので、崩落した坑道のなれの果てかもしれない。
精錬所方面へ向かう。 坑道


旧精錬所方面には沢を渡って向かう。
この状況では廃祉は残存していないようだが、
何か遺構があれば・・・。 精錬所


イケールで組まれたボンベだ。
茶色なのでアセチレンかと驚いたが、
腐食している酸素瓶であった。 ボンベ


その奥でも再び集水井が現れた。
山中の地すべりの守り神だ。
精錬所跡はもうすぐだ。 集水井


到達した精錬所跡付近にはもう何もなかった。
治山が進み、植生疎らな小山を残すだけだ。
想像した廃墟もなかった。 精錬所


精錬所跡付近に残る鉱石。
ズリ山として多数の石が残っている。
全体を見渡せる高台に登ってみよう。 鉱石


麓には制御盤のような設備がある。
これは計測器で、地下水位や地滑りの歪みなどを
リアルタイムで計測しているのだろう。 計測器


これが精錬所跡の全景である。
段々になった右手の丘は如何にもの風景だ。
ここにかつては巨大な施設があったのだろう。 精錬所


鉱山時代のものかどうかは不明だが、
付近には潰れた廃墟が残る。
広範囲に及ぶ鉱山跡だったが今回は大きな遺構に遭遇できなかった。 廃墟







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製錬所跡
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