マンガン鉱への期待
常呂町の存在する北緯44度線にはミシガン湖やヒューロン湖と、
「世界6大湖」のうち4湖が存在し、
このサロマ湖も世界の大湖沼地帯に位置することとなる。
常呂川流域の日吉市街地から山中へ入る。
付近は丘陵性の山岳を望み、
広大な畑が広がる。
鹿除けのネットが続く林道を走る。
東亜川に沿って、
西へ進む。
旧地形図で予想した付近から、
徒歩で探索する。
常呂駅土場まで軌道が敷設されたようなので、本道も廃線跡かもしれない。
そして木々が稀な一角が現れた。
鉱山跡の位置とも合致する。
もしやここは採掘跡ではないか。
付近には明らかに黒い鉱石が散乱し、
ズリ山の雰囲気もある。
露天掘りとの記述もあったのでもう少し登攀してみよう。
斜面は急角度だが、明らかに木々が少なく、
植生も少ない。
しかし大きな遺構は出現しない。
上部も鉱石が広がり、
採掘跡で間違いない。
残念ながら上部坑には遺構は存在しなかった。
採掘跡の斜面はインクラインでも、
存在してもおかしくない風景だ。
一度敷設された軌道は撤去され、再び手押し軌道が敷設されたようだ。
下部にはRCらしき遺構があった。
8t、6tの軌道が2台しかなく、その積出量は3200t/月内外で、
閉山までその滞貨量が問題となっていたようだ。
昭和20年代には「北海道における鉱業開発振興10か年計画」のなかで、
昭和30年の生産予想指数を100とした場合、
昭和45年には金が133に対し亜鉛334、硫化鉄345、
マンガンに至っては352と鉱産の上で期待されるところが大きかったはずだった。
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