廃道の先に
秀峰ピンネシリ岳(704m)を望む段丘地である中頓別町。
農村地帯であり、
街の西に位置する大畑山からの展望は素晴らしい。
街の北部から林道を進む。
標高が高くなるにつれ、
道は険しくなる。
いよいよ残雪で車両は進めなくなった。
ここから鉱山跡までは約1km。
山を越え谷間をV時に戻ると現地のはずだ。
熊鈴を鳴らしながら淡々と歩く。
川向うの目指す道を見下ろす。
水銀鉱山はいたく遺構が少ないが・・・。
谷に降りるとその先は廃道と化した。
積雪で折れた木々が道を跨ぎ、
移動速度は一気に落ちる。
この付近の対岸が鉱山跡のはずだ。
鉱床図には第一、第二、第三坑道と探鉱小屋が描かれているが、
ほとんど地形が変わってしまっている。
パンケプチチャン沢を跨ぐ廃橋だ。
これは明らかに人工物で、
付近が鉱山跡であることは間違いない。
廃橋を渡った先には、
人工的に掘削された基礎のような岩が残る。
付近が探鉱小屋なのだろうか。
そして植生の無い一角が現れた。
ここが探鉱小屋で間違いないだろう。
この先30mほどで第一坑道だ。
その先で斜面から地下水が噴き出る一帯があった。
坑道だろうか。
沢とは別に水が湧き出ている。
写真では解りにくいが、
斜面に崩れた穴があり、そこから澄んだ水が湧き出ている。
これが第一坑道だ。
上部に行くと、斜面が崩れそこが池となっている箇所があった。
これは埋没した坑道上に溜まった池かもしれない。
付近に坑口は見当たらなかったが第二、または第三坑道のなれの果てであろう。
そして再び廃橋である。
道の無いところに橋だけが残存する。
遺構は少なかったが、確かにかつて産業がここにあったのだ。
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