開明鉱山跡 探検: 北の細道 開明鉱山跡

開明鉱山で354坪の選鉱場に到達する



青森県青森市


 鉱山の盛衰に伴う諸現象として最初に見られるのが坑夫を中心とする人口移動だ。
鉱山の生産動向と従業員数の増減はほぼ一致する。
ただ地域人口の増減とはややズレのある中で一致してくる。

鉱山地域に人口が集中するとこれを支える食糧確保のため、
鉱山周辺地域の農地利用が活発となる。
その一大消費地には行商などが活発となり、やがて供給所や商店が発達する。

そして鉱業の発達と共に関連産業が発展する。
例えばボーリング業、運輸業、製材業、鉄工業などである。
しかし鉱業所によっては所内に該当の部署を持つ場合もある。

その他の地域社会への影響としては固定資産税や鉱山税の増加、
労働力の吸収や交通機関の発展などが発生する。


開明(かいめい)鉱山は銅・鉛・亜鉛を鉱種とする青森市近くに存在した鉱山だ。
発見の時期は明らかでない。
昭和27年(1952)坑口開坑し
昭和31年(1956)大日本鉱業株式会社が買収開発を開始する。
昭和35年(1960)12月に選鉱場操業開始したものの、
昭和38年(1963)5月に休山となる。


現地は蔓延る藪に囲まれた深い山中だ。
鉱山跡の手前には小川目沢という川があり、これを渡渉する必要がある。
実は三度目のアタックでのようやくの到達となる。
藪の無い時期は雪解け水で増水、渡渉できず、6月には藪で入山できない。
秋口は早い時期から冬季閉鎖が始まり、アプローチに苦労する。
時期を選んで何とか到達できた巨大製錬所の廃祉をご覧いただきたい。


総坑道延長9,748m・福富鉱脈・130t/日・・・



選鉱所
選鉱所





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