若松鉱山跡 探検: 北の細道 若松鉱山跡

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鳥取県日南町


 クロム鉄鉱の用途は大別して製鋼用、化学用、耐火煉瓦用の3種でそれは鉱石の品位によって異なる。
酸化クロム(Cr2O3)が選鉱によって50%以上と富むものが鉄鋼用(20,000円/t)となり、
品位48%程度が化学用(19,000円/t)、MgOに富む品位30〜35%のものが耐火煉瓦用(8,000円/t)となっている。
※価格は昭和30年(1955)当時

日本でのクロム鉄鉱の産地は2地区となり、昭和29年の年産では、
北海道 日高地区 が6,087t 平均品位(Cr2O3)48%、
鳥取島根地区 26,697t 平均品位(Cr2O3)32%、
つまり北海道のクローム鉱床は鉄鋼原料、鳥取島根のクローム鉱床は耐火煉瓦となる。

総轄すると高品位の北海道、出鋼量の多い鳥取・島根となる。
当時、日本の総出鉱量は40,407tで、これは世界で第8位となる。
北海道、鳥取・島根地区以外の鉱床はCr2O3 10〜25%と低品位でその利用価値は確立されておらず、
鉱床規模が小さい場所が多く、探鉱が不十分であった。


若松鉱山は標高775mに位置する、日本最大のクロム鉱の埋蔵量を誇る鉱山だ。
明治期に発見、鉱山の最盛期である昭和39年(1964)には全国生産量の74%に当たる3万3,000tを出荷した。
しかしながら平成8年(1996)9月に休山、現在に至る。

鉱山跡は2009年2月に近代化産業遺産群に認定され、その保存に尽力が注がれている。
今回はその保存団体である、日南町 多里の鉱山を語り継ぐ会と
NPO法人 J-heritage 総理事 前畑 洋平様及び Saho X廃墟と街並み様 ご協力のもと鉱山跡の調査を行った。

現地は現在、施設の崩壊により見学休止となっている。
見学再開に向けて多くの方々が措置を講じられている状況で、
再びの見学会を期待したいと思う。

ウィルフレーテーブル・ジョープレート・日本苦労無工業・・・



選鉱所
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