和知鉱山 選鉱所跡 探検: 北の細道 和知鉱山跡

和知鉱山で『軍用金属W』の悪名を返上する



京都府京丹波町

 和知鉱山の鉱種は金・銀・銅・錫・重石。
重石とはタングステン鉱物の総称で、スェーデン語で重い石を意味する「tung sten」が語源である。
熱に強く(鉄は1500℃/タングステンは3880℃)硬い。
そして鉄の2.5倍の比重があり、その名の通り非常に重い。

タングステンの元素記号Wはドイツ語の「狼のように」の意味合いのWolfram(ヴォルフラム)を起源とする。
錫鉱石にタングステン鉱石が混入すると錫の精製が阻害されるので、
錫を狼のようにむさぼり喰うという意味で『w』となった。

タングステンの用途は金属を削る切削工具、そして電気伝導性が高いため医療器具の電極、
エンジンのバランスウエイトや防弾車両、溶接機の電極などに利用される。

和知鉱山の鉱史としては昭和14年(1939)5月に栗村工業所大谷鉱山の友山として探鉱に着手、
昭和16年(1941)11月採掘開始、昭和18年機械選鉱場を設備した。
昭和20年(1945)、休戦と共に休山。出鉱量は精鉱110tとなっている。
昭和26年(1951)1月に事業再開し、昭和57年(1982)9月末の鐘打鉱山閉山以前に閉山した。

今回の探索は山中深くに眠る比重選鉱所の発見と、
軍用金属と呼ばれたタングステンの需給内容、各種選鉱法の整理を行いたいと思う。


軍用金属W・ウィルフレーテーブル・ジェームステーブル・・・



選鉱施設
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