大堀鉱山跡 探検: 北の細道 大堀鉱山跡

大堀鉱山のアジテータを避ける



山形県最上町

 浮遊選鉱とは鉱石の中に含まれる鉱物とそれ以外の脈石を選り分けるための方法で、
水槽の中で細かい泡を用いて行われる。

浮遊選鉱機
浮遊選鉱機


取り出したい鉱物にのみ付着する捕集剤という薬品を、砕いた鉱石に散布する。
この捕集剤は鉱物の表面が泡と結びつきやすい(=疎水性)状態にするのが目的だ。

この鉱石を水槽に入れて、細かい泡を混合させる。
疎水性となった鉱物は水をはじき、泡と結びついて浮き上がる。
不要な脈石は泡が付着せず底に沈む。
これが浮遊選鉱の原理である。

この浮遊選鉱の成績を左右する要素が、鉱物の粒度と温度だ。
粒の大きさが粉体のように細かくても、塊のように大きくてもその浮遊効果は薄れる。
適切な粒度に砕くことである程度の粘りがあり、かつ、ある程度加温しないと、
浮上分離の成果は大きく異なることとなる。

適度な粘り気のある泥状にし、蒸気を用いて加温するのが『アジテータ』の役目だ。

アジテータ


アジテータは鉱物を含むパルプと呼ばれる泥状の物質から脱水し濃度調整を行う装置だ。
直径、深さとも3〜7mの円形の水槽で、中央底にインペラという羽がある。
掻き混ぜながら脱水、スチームの吹き込みによって加温し、
適度な濃度となったパルプは底部のパイプから排出され浮遊選鉱槽に向かう。


今回訪問の大堀鉱山は大正7年ころから稼行、
最盛期は買収企業化後の昭和35年から39年の僅か4年間、
その後、高品位鉱床の発見に至らず、昭和42年10月に閉山している。

亜鉛を中心に銅・鉛・硫化鉄鉱が生産された昭和34年建造の浮遊選鉱場を探索してみよう。




アジテータ・浮遊選鉱・水槽・・・



鉱泉
鉱泉





トップページへ