最奥の二坑


市街地から北に向かう。
炭鉱に向かうかつての道は、
すでにクマザサの廃道だ。 廃道


途中、藪を漕いで沢を登る。
標高90m付近からアタックし、
目指すのは標高150m付近だ。 アプローチ


沢沿いには配管が散らばる。
古い地形図には軌道も描かれている。
今はその道もほぼわからない。 配管


資材が埋もれる急な崖を登る。
枯れ沢を登るときは、転石に注意する。
どの岩も転がると仮定して体重は掛けないように歩く。 崖


朽ちたレールが埋没している。
地形図上でもいよいよ目的の排気風洞に近づいている。
周囲の遺構も確認しながら進む。 レール


標高を上げると谷の向こうに廃墟が見える。
遠目に見ても3か所の碍子が確認できる。
恐らく変電所か開閉所だ。 変電所


古いコンクリート造りの廃屋だ。
事故の際、送電の入り切りを行うのが
変電所や開閉所の機能だ。 開閉所


内部に設置された遮断器により、
送電線に電気を流したり、止めたりする中継地点である。
これより下流の機器を守るのがその目的だ。 碍子


内部は屋根が抜けている
中央部には機器の架台がある。
開閉所の構内に変圧器が設置される場合は変電所と呼ばれる。 遺構


建屋外を外から見下ろす。
北海道炭礦案内 昭和6年版によると130馬力電動機による運転とある。
ここまで電気が来ていたことが驚きだ。 シロッコ


扇風機室は開閉所よりも低く、しかし面積は大きい。

自然通気の場合は例えば管内に水を流すことで空気が吸引される機構がある。
これは排水の確保は必要となる。 扇風機室


建屋内部から続く風洞は、
すぐに埋没している。
水が流れ沢のようだ。 風洞跡


坑道が延長し排気抵抗が増えると、
自然通気では不十分となるため、
このような軸流式扇風機を電気で動かす施設が必要となる。 ファン



付近には別の坑口がある。
これは入気坑ではなく、
メンテナンスに関する添坑口のようだ。 遺構


添坑口も土砂が流入して埋没している。
断面は小さく人道坑口のようだ。
斜坑のため目の錯覚を起こす形状だ。 添坑口


奥へ進んでも酸素濃度は20.9%と問題ない。
18%以下でアラーム設定。
通常は19%台になると撤退している。 酸素濃度


奔別立坑櫓の存在に隠れて、
このような遺構が山中深くに残存し、
しかし炭鉱時代に遡っても日の目を見ることは少なかったのかもしれない。  遺構







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扇風機施設
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