ランカシャーボイラー跡 探検: 北の細道 煙管ボイラー

雲散霧消のランカシャーボイラーを見る



北海道 某炭鉱

 ボイラーとは燃料を焚き、その熱を利用して蒸気加熱水を作り、
その蒸気を工場の生産設備などで利用する原動力となるものだ。
蒸気や熱水を供給するためには燃料が必要であり、
産炭地なら石炭、都市部であれば石油系の燃料や天然ガスなどが利用される。

燃料の供給のための運搬を考慮すると、燃料消費量の予想が重要となる。
概算として重油消費量は蒸気消費量の1/10〜1/12(重量比)と効率よく、
石炭は1/6〜1/8程度と重油同様の蒸気を発生するためにはより多量に必要となる。

ランカシャー・ボイラーは丸型の炉筒ボイラーと呼ばれるもので、
径の大きい円筒に水を入れ、その大きな円筒内に炉筒と呼ばれる小径の筒があり、
この小径の筒内で石炭などを燃やし、
外筒に満たされた水が蒸発、蒸気を発生させる装置だ。


ランカシャー・ボイラー ランカシャー・ボイラー ランカシャー・ボイラー
写真提供は【つきあかりBASEキャンプ 車中泊キャンパー】様

炉筒が1本のものをコルニッシュ・ボイラーと呼び、 これが2本あるものをランカシャー・ボイラーという。

ランカシャー・ボイラー コルニッシュ及びランカシャー

炭鉱で坑内外の諸機械を運転する動力源として最初に実用化されたのは蒸気である。
北炭では明治24年に夕張礦第一斜坑(後の天竜坑)坑口付近に、
ランカシャーボイラー6基が新設され、扇風機、巻上機、喞筒(そくとう=ポンプ)と、
それら運転に充用された。

蒸気圧利用の動力は大いに普及し、
空知礦佐久志竪坑、幌内礦滝ノ沢、夕張礦一番坑(現千歳坑)などにボイラーが水平展開された。
しかしある時期を境に、蒸気は電力へと変貌する。

今回は某炭鉱跡地の片隅に残る、大正時代の旧址を探索する。
蒸気の僅かな痕跡から垣間見える、炭鉱の礎を遡ってみたい。


ランカシャーボイラー・巻上機・喞筒・・・




煙道
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