坑道のあるヤマ
初冬の林道を歩く。
旧い鉱床図に描かれた「坑口」の文字。
原地形図とはほとんど一致しない。
小さな沢に沿って、
林道から外れ、
緩い東斜面に向かう。
山の斜面に突如現れた坑口。
藪の色褪せた、この時期ならではの、
容易い発見だ。
坑門はRC製のアーチで、
すでに劣化著しい。
鉱床図からも落ちた謎の遺構だ。
それでは入坑する。
坑門は屈んで潜るが、
果たして内部は続いているのだろうか・・・。
続いている!
少し水蒸気が飽和しているが、
乾燥し概ね環境は良さそうだ。
内部に進むに従い、
頭上が高くなり、坑道としてはかなり大きい部類だ。
高低差もなく足場に留意して先に進む。
崩れた支保工が乱舞する坑道。
少し水没しているが、
この大きさで手彫りとは珍しい。
一部埋没した先には、
なお坑道が続く。
酸素濃度は20%を超え状況は良い。
すでに足元は水没しているが、
なお先に進む。
崩れた個所が増えてきた。
埋没と遺構を繰り返す中、
立派な支保工が残存し、
400mを超えてなお続く。
いよいよ坑道は荒れだしてきた。
空気も淀み、
気温が上昇してきたようだ。
坑内を映す水没した坑道。
酸素濃度は19%となり、
ここで撤退だ。
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